劇場にて鑑賞。
８/10
12歳の時に交通事故で両親を亡くし、孤独な人生を歩んできた40歳の脚本家アダム。ロンドンのタワーマンションに住む彼は、両親の思い出をもとにした脚本の執筆に取り組んでいる。ある日、幼少期を過ごした郊外の家を訪れると、そこには30年前に他界した父と母が当時のままの姿で暮らしていた。それ以来、アダムは足しげく実家に通っては両親のもとで安らぎの時を過ごし、心が解きほぐされていく。その一方で、彼は同じマンションの住人である謎めいた青年ハリーと恋に落ちるが……。映画comより
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なんとも悲しいお話。なんとも愛に溢れた物語。山田太一さんの原作は知らずにいたものの、今回の作品で世界観にすっぽりとハマりました。登場人物がこれだけしかいないのに上手くまとめあげていたと思います。
人の孤独に触れることって怖いですよね。それでも時間を共有することの大切さというのは失ってから気づいたりする。それらを作中の流れで、ひしひしと気づかされて、じわじわと自分の中で膨らんでいく感じ。鑑賞後は、ずっしりでも、どんよりでもなく、じ～んと浸れる重さがあります。はぁ今回は深かった。重いけど…観て良かったです。アダム役はこの人でなければ演じきれなかったでしょう。大人なのに子ども。愛くるしさを残したまま大人になった感じを上手く表現されていました。人間関係において、見て見ぬふりをしていたことなどか、身につまされる思いでわかるお話。とくに後悔を拭えなかった親子関係や、ああすれば良かったと思う恋人関係などの感情が埋めく人にはお勧めです。
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