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第2次世界大戦中、才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命される。しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにし、さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けたオッペンハイマーは、戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになるが……。
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始まってすぐに「しまった。これ事前知識を入れておく作品だった…」と後悔する暇なく、展開が早いのなんの…何とか話についていくのに必死。知らない人たちや、顔の似ている身なりの人が入れ替わり立ち代わり、時代背景も前後するから、細かいことはさっぱりだけど、とりあえず実験まで行き着くころには、すでに怖くて怖くて。心の中で恐ろしいことが繰り広げられていく様を見ていた。
この映画を作るにあたって、また演じている人たちの心境は一体どういう感情なのか…見ている私たちをこれほどまでに恐ろしいと思わせてしまうのだから。思わず演者、製作者たちにある種のリスペクトと嫌悪を抱いてしまう。ということは、この作品はすでに凄いのです。とくに音楽の煽りは迫力が常に消えなくて…ふつうならうるさく感じてしまう音響効果は、作品の一切を邪魔せず、盛り上げ続けた（ように私は感じた）とくに爆発シーンなどの静寂は、決定的な恐怖を貼りつけられた。
すでに事実として起きてしまったこれらの負の歴史を、改めて見るのは苦痛だが、オッペンハイマーの後悔（賞はむかついた）も、やってしまう人間の弱さも、まざまざと伝わってきて痛々しかったな。でもやっぱりアメリカにとっては、負を請け負ったようにしていながらも、どこかで勝利の功績であるのだよなぁと思ってしまう物悲しさ。見せしめとして知らしめられた日本は、これ以降、戦争を二度としない、核を持たない、と言い続けていることは、それだけ被害の悲惨さが絶大であることの「学びの答え」を出している。べつに私は立場的に、憲法改正反対とか、核反対とか熱心に掲げる信念は、まだ持ち合わせていない未熟者なのだけど…安直ながらも、あれだけの甚大な被害を改めて思わされたし、日本がこんな経緯で壮大軽視された存在として扱われた結果がこれだと…思わずにはいられない、そのむかっ腹さは、ちゃんと沸々込み上がったのは確か。
檜原有輝 ひばらゆうき スケジュール
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