2025年:邦画

原作:浅倉秋成

脚本:林民夫

監督:山田篤宏

出演:阿部寛・芦田愛菜・藤原大祐・長尾謙杜・三宅弘城・橋本淳・板倉俊之・浜野    

謙太・美保純・田島令子・夏川結衣

 

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予告だとコメディっぽい印象でしたが、ちゃんとしたミステリーでした。

阿部さんと愛菜ちゃんの関係にも驚いたし、あの時間軸の使い方はお上手でした^^

 

SNSで炎上って大なり小なり経験した人は多いと思いますが、有名なのはスマイリーキクチさんですよね。

自殺にまで追い込まれた方もいらっしゃいましたね。

 

何が楽しいのか、底意地の悪い書き込みは溢れかえっていて、そのくせ日本人上げにはちゃっかり参加して精神の尊さとか語ってたりしてますw

 

いつまでもいつまでも芸能人の不祥事に粘着したり、気持ち悪い人多いです。

それだけが唯一の楽しみなんでしょうかね。

 

なので、この作品も時代に合ってると思いますし、ミステリーなのでこれくらい大事(おおごと)で良かったかと^^

 

 

 

 

 

2日連続の鑑賞です。

 

そして2回目にして理解出来た部分は、妻夫木さんが誰に拷問されたか?組織はいくつあるか?

 

初回より、自分の中での考察が加わったので2度目の方が更に熱くなりました。

で、2回観たのにまだ観たいのよ!!

 

ただ、次の休みからは別に観たい映画が目白押しなので間を置きます。

明日から単純に仕事なので・・・

 

なので、ひとつだけ考察を書かせてください。

【ウタ】は死んでないと思います。

 

初見は死んだと思いました。

が、葬儀のシーンが瑛太さんのみです。

「え!?」

でした。

 

【ウタ】の生き様がかなり辛くて、観た人はウタが死んだと思ってるでしょう。

私もそう思いました。

 

でも、多分ウタは生きてます。

葬儀は瑛太さんのみだったので。

 

初見は瑛太さんが命懸けで育て、命を繋いだ子なのに死ぬんだとがっかりしましたが、2回目観たら死んだとは限らないなと。

 

原作は読んでないので【ウタ】が生きてる希望のある結末は救いです^^

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2025年:邦画

原作:真藤順丈

脚本:高田亮・大友啓史・大浦光太

監督:大友啓史

出演:妻夫木聡・広瀬すず・窪田正孝・永山瑛太・塚本晋也・瀧内公美・ピエール瀧

   栄莉弥

 

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戦後の沖縄を実話ベースで描いた、真藤順丈先生の直木賞受賞小説【宝島】の映画化ですが、この作品、多分色んな賞が貰えるんじゃないかと思います。

妻夫木さん最優秀主演男優賞獲るんじゃないかしら?

助演も出るだろうし、新人賞に栄莉弥さんもあるでしょう。

キャストさんが一人残らず素晴らしかった!!!

 

そのくらい、日本人なら1度は観るべき作品だと思ったし、3時間超えなのに夢中になってストーリーの中に入っていけました。

邦画では稀にみるスケールの大きさに圧巻でした。

 

1回観たくらいじゃ情報量が多すぎて到底細部まで理解なんて不可能です。

 

作品を観ながら色々なことが浮かびました。

柳ジョージさんの【フェンスの向こうのアメリカ】

~俺には高すぎた鉄のフェンス~

浜田省吾さんの【BLOOD LINE(フェンスの向こうの星条旗)】

~犯されてSince1945~

~探してもFather見つからずに~

 

沖縄ってアメリカに犯され続け、血を流し続けた故郷(くに)なのです。

 

広瀬すずさんは沖縄奪還デモに積極的な活動をしますが、これも

映画【怒り】で広瀬さんは米兵にレイプされるのですが、それも浮かんでしまい、

あの時は泣き寝入りだけど今回は頑張れ!頑張れ!

違う映画なのに強く応援してしてしまったし、多分、瑛太さんが強制労働させられた島は映画【木の上の軍隊】を観たばかりなので伊江島じゃないかなとか。

 

文句の付け所がひとつもない作品でした。

今回は映画館のサービスデーで誰でも1200円の料金でしたが、1200円じゃ申し訳ない気持ちになったので、今日も観に行ってきます。

 

2025:邦画

原作:東野圭吾

脚本:橋本夏

監督:田中亮

出演:福山雅治・有村架純・成田陵・生田絵梨花・木村昴・秋山寛貴・柊木陽太・

   伊藤淳史・生瀬勝久・仲村トオル

 

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オープニングの福山さんのイリュージョンシーンから見応えがあってワクワクしたスタートでしたが、そこから静かに暗いストーリー展開に眠くなってしまいました・・・^^;

 

序盤ダラダラしても中盤から盛り上がったりするかと懸命に起きてましたがウトウトしてしまい、時々大きな音に起きてもまた寝落ち。

睡眠不足でも何でもないのに期待は最初だけ。

 

やっと目覚めた時には種明かしでしたが、成田陵さんと仲村トオルさんの格闘シーンが、めっちゃ体格差で仲村さん優勢なのに、都合よく落ちてたロープで成田さんが勝利にも「???」

いや、ロープ拾ったくらいで勝てねーだろ!!!

とツッコミたくなりました。

 

ただ、成田陵さんてこういう役いいですね。

これまで特に「お♪」と思ったことがなかったんです。

渋い役やっても渋くないし、影のある役やっても影ないし、今ひとつ心に響かない俳優さんでしたがこの役は凄く良かったです。

もっともっと救いようがない惨めな役とかやって欲しいなと思えました。

 

【ベートーヴェン捏造】で生徒役の柊木陽太くんが、この作品でも成田さんの少年期で出演してました^^

今後の成長が楽しみです^^

 

【ベートーヴェン捏造】はこちら↓↓↓

 

 

2025年:邦画

監督:関和亮

原作:かげはら史帆

脚本:バカリズム

出演:山田裕貴・古田新太・染谷将太・神尾楓珠・小澤征悦・生瀬勝久・小手伸也

   野間口徹・遠藤憲一・柊陽太

 

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映画館の紹介でジャンルがコメディになってたし、脚本がバカリさんなのでコメディのつもりで笑わせてもらう気満々でしたが、まったくコメディ無かったw

日本人がヨーロピアンやアメリカ人を演じる設定のみ唯一の面白味でしょうかね。

 

でも、つまらなくはなかったです。

史実に基いてはいるので歴史の勉強になりますし、オケも素晴らしいのでクラシックを堪能できました^^

 

あと、柊木陽太くんの登場は嬉しかった^^

【怪物】の依里くんから随分と成長しちゃってて^^

この子は芝居がホント達者ですね~♪

 

他には染谷将太さんてやっぱり芝居が別格だとしみじみ思いました。

この方が加わると臨場感がイッキに増します。

 

今回はバカリさんの世界観は感じられませんでしたが、これ原作があるんですね。

原作に沿ったので自分の世界観は殺したのかも知れませんね。

原作ファンにとっては逸脱されると不愉快になることも多々ありますもんね^^;

きっと原作を大事に脚本書いたのではないでしょうか。

 

コメディだと思って行くとがっかりしそうなので、ベートーヴェンとシンドラーのお話だと思って観に行くといいかと思います。

 

2025年:邦画

監督:川村元気

出演:二宮和也・河内大和・浅沼成・花瀬琴音・小松菜奈

 

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エンドロールが背景黄色に黒い文字でよく目立ちました。

やはり黄色と黒の組み合わせは最強ですね^^

看板には黄色と黒がお勧めですね♪

 

映画の内容は書きませんが、映画館マジックで割とつまらなくてもソコソコ面白いと錯覚することもあるのですが、この作品には映画館マジックが発動しませんでした。

 

凄くエコで、お金がかかってないのもいいです。

超エコ作品です。

 

車酔いし易い方だとスタートから酔えます。

 

サブスクで配信されても観ることはなさそうです^^

前編はこちら↓↓↓

 

 

 

2014年 TBS

出演:松山ケンイチ・二階堂ふみ・深田恭子・伊藤かずえ・柄本時生・前田吟

   笹野高史・宝田明・椎名桔平

子どもたち:加藤清史郎・山田望叶・髙澤父母道・森遥野・五十嵐陽向

 

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昭和20年(1945年)12月

 

長春(満州国時は新京)の冬は零下20℃になる日もあり厳しい寒さです。

暖を取る燃料もなく、伝染病だけでなく寒さと餓えで亡くなる人が増えていきました。

 

そして、龍也にも最期の時が訪れます。

チフスに罹り、寒さと餓えで横たわっています。

肌に血色はありません。

英一と三郎は暖が取れるものを探しに行ってます。

 

龍也は見守る豊に有希子先生が御馳走してくれたそばが美味しかったと呟きます。

あの日以来、ずっと飢餓状態なのです。

 

豊は別の教室の有希子の母に食べ物を分けて貰えないかお願いしますが冷たく断られます。

「食べ物が欲しかったら自分たちで何とかしなさい」

 

そこに材木を持った英一と三郎が通ります。

 

豊は外に走り出します。

 

有希子の弟妹は母と豊のやり取りに心を痛めます。

食べようとしてた饅頭を「これあげてくる!!!」

マサルとカヨは龍也の元に走りました。

姉・有希子の【思いやり】と【分かち合い】は弟妹にはちゃんと伝わっていました。

 

有希子の母が英一に気付きます。

「冷たい人間だと思ってるんでしょ」

「私はお金のために有希子を売ったんですよ」

「マサルたちを生かすためにはああするしか無かったの」

「あなた軍人さんなんですってね」

「戦争の時は威張り散らして、負けたらいの一番に逃げ出して、私らのことなんて何も考えてないじゃない」

「誰のせいで私たちがこんな目に遭ってると思うの」

 

周囲の冷たい視線が英一に向けられる。

英一は帽子を取り、深々と頭を下げて謝罪しました。

 

一方、街に出た豊は穴の開いた靴下を脱いで、道行く人たちに「マイバー」「マイバー」「買って下さい」と懇願します。

 

そして、龍也に鍋に入った熱々のそばを持って帰ることに成功しました。

「今食べさせてあげるからね」

鍋からお椀にそばを移します。

龍也は豊の素足に気付きます。

「豊・・・靴下は?」

 

豊はそれには答えず、

「有希子先生が御馳走したそばには敵わないかも知れないけど、あったかい内に食べて」

 

龍也は「美味しい・・・」

「豊・・・ごめんな。俺、豊に何もしてあげられない・・・」

 

豊は龍也に訴えるように言います。

「これ食べて元気になって、またたっちゃんの落語聞かせてよ」

「日本までは何日もかかるんだよ」

「退屈だから落語でみんなを楽しませてよ」

「みんなで日本に帰るんだろ?俺たちみんな!な?」

 

その様子を廊下から見てる中国人女性の姿に気付く英一。

以前もともちゃんを見てた女性です。

英一が声をかけます。

 

 

その夜、龍也は大きな決断をします。

隣で眠ってる豊に、

「ありがとう豊・・・」

そう言って静かに起きます。

 

 

翌朝、英一は豊の、

「たっちゃん起きろよ!たっちゃん!たっちゃん!」

の叫びで飛び起きます。

英一も龍也を起こしますが、龍也は既に冷たくなっていました・・・

枕元には服が畳んであります。

胸の名札には【群馬村開拓団 中村龍也】

豊にそれを見せると、豊は掛布団(ボロ布)をはがします。

龍也は裸でした・・・

 

龍也ができること、それは自分の服を豊に着て貰うことでした・・・

自分が生きてたらみんなに迷惑をかけてしまう・・・

龍也がみんなのために最期にしてあげられること。

それは服を残して凍死することでした・・・

 

「たっちゃん・・・寒かったろうに・・・」

いつまでも泣き続ける豊でした。

 

     *

 

校庭の墓場に立つ英一に坊さんが言います。

「ここに眠ってる人たちはみんな戦争の犠牲者だよ」

「騙されたんだよ俺たち」

「満州に行けば土地が貰える」

「豊かな人生が待っている」

「そんなもん最初から無かったんだ」

「人から力尽くで奪ったもんで幸せなんかなれる訳がない」

「私ら捨てられたんだよ日本に」

「ワシだけは死ぬ最期の時までこの人たちを弔うよ」

 

英一は訊く「僕には何が出来るでしょうか?」

 

「生きることだよ」

「生きて、自分が目にしたことを忘れないことだ」

「その想いを伝えていくことだ」

 

 

その夜、英一はノートに笑顔の龍也を描くのでした。

 

     *

 

翌日、英一はともちゃんを連れて街へ出ます。

そして、あの女性にともちゃんを託します。

嫌がるともちゃんに優しくお話します。

「この人にはともちゃんと同じくらいの男の子がいたんだ」

「でも病気で死んでしまったんだ」

「その子がともちゃんにソックリなんだって」

「だからお母さんのいないともちゃんの新しいお母さんになりたいんだって」

 

このまま一緒にいてもともちゃんが生きられるか判らない。

中国人家庭に引き取られた方が生存率は高まる。

龍也の死で英一はそう判断しました。

 

そして、ともちゃんのおへそを出して、

「ともちゃんのお母さん、ともちゃんに新しいお母さんができますがいいですか?」

おへそのお母さんとお話して、「お母さんも喜んでる」

ともちゃんは納得して新しいお母さんに連れられていきました。

 

三郎たちには責められましたが、幼いともちゃんが生き残る方法はそれしかないと理解して貰えました。

 

残り4人、生きて日本に帰ろうと誓います。

 

     *

 

やっと英一は仕事にありつけることになりました。

遠いので1ヶ月住み込みで帰って来れません。

でも沢山稼げる仕事なので美味しいものをいっぱい買って帰ってくる。

それまで3人で【思いやり】と【分かち合い】で頑張るんだぞと約束して旅立ちました。

 

英一が帰ってくるまでに豊が八の段が言えるようになる約束もしました。

 

こうして英一はソ連軍の過酷な肉体労働に従事し仕事に励みます。

子どもたちは九九を勉強しながら過ごします。

収容所には明るいニュースも入ります。

春になったら引き揚げ戦船が出て日本に帰れるかも知れないと!!!

 

肉体労働は過酷を極めたが、英一は生きてみんなで日本に帰ることを支えに頑張り抜きました。

 

     *

 

昭和21年(1946年)1月

 

さとみと豊がチフスに罹り寝たきりになります。

極寒の中、三郎が懸命に世話をします。

「ダンボールでも新聞でも暖めるものをください!」

大人に言っても「もう何日ももたないよ」

と冷たくあしらわれます。

 

三郎はずっと懐に隠してた、父の形見の腕時計を売りに市場へ走ります。

 

寝床では豊がついに九九が最後まで言えました。

「これで母ちゃんに会った時に自慢できる」

まさみは「私はお母さんに玉子焼きを作って貰うんだ」

 

雪が降り頻る中、三郎は毛布と食べ物を買って収容所に走ります。

三郎自身も咳が出て、ふらついたりしてますがまさみと豊のために必死で走ります。

 

     *

 

英一が戻りました。

約束通り、いっぱいのお土産を大事そうに抱えてます。

 

名前を呼びますが教室には誰もいません。

 

壁際の子どもたちの食器や壁に貼ってある龍也の似顔絵の前で動揺します。

有希子の母が現れますが何も答えません。

「これをあなたに」

三郎から預かった学習帳を渡すとお辞儀して去ります。

 

読み終えてから、英一はノートを持ったまま項垂れて、目的もなく街を徘徊します。

ぶつかられて転倒しても立ち上がる気力もありません。

暫くそうしてると、

「戸田さん?」

 

有希子でした。

使いの帰りだそうです。

「三郎くんたちは元気にしてますか?」

 

英一は無言でノートを渡します。

 

【英一お兄さん、お仕事頑張ってますか?

 僕も頑張って生きてます。

 豊とさとみも頑張りましたが病気になって死んでしまいました。

 最期までお兄ちゃんに会いたいと言ってました】

 

ーーー回想ーーー

校庭の墓地に豊とさとみの遺体が並ぶ。

埋める穴をスコップで掘ろうとする三郎だが、極寒で地面は凍っててコンクリートのようで三郎の力では全く掘れない・・・

ふたりを守れなかった自分の弱さと、土すら掘れない非力な自分に泣き崩れる三郎・・・

 

【頑張るつもりでいたけれど、僕ももうすぐお兄さんとお別れみたいです。

 英一お兄さんありがとう。

 僕はお兄さんと出会えて本当に良かったです。

 お兄さんの思いやりと分かち合いに助けられました。

 

 僕はお兄さんの役に少しでも立てたのかな。

 それだけが気掛かりです。

 

 約束してください英一お兄さん、生きるって。

 生きて日本に帰るって。

 僕たちの魂がお兄さんを守ります。

 

 英一お兄さん、一緒に日本に帰りましょう。

                 佐竹三郎】

 

有希子は泣きながら「三郎くんらしい・・・役に立てたかな・・・なんて」

 

「助けられたのは僕の方なのに・・・」

「絶対に日本に帰るって約束したのに」

「あと少しだったのに・・・」

「僕は・・・何もしてやれなかった・・・」

 

有希子はノートを英一に持たせます。

両手で英一の手を包みますが、その手はあかぎれだらけです。

「生きて!!!」

「生きて日本に帰ってください!」

 

     *

 

昭和21年(1946年)7月

 

あれから半年。

ようやく日本への引き揚げが始まりました。

みんなで乗るはずだった引き揚げ船には英一だけが乗ってます。

 

     *

 

自宅の広いバルコニーから夜空を見上げ、北斗七星に英一を想う有希子。

主人に呼ばれ部屋に戻りますが、そのお腹には新しい命が宿っています。

 

     *

 

「日本だ!」

「日本が見えたぞ!!!」

 

英一はノートに書かれた5人の子どもたちの似顔絵を高々と上げて、子どもたちに日本を見せてあげます。

 

みんな!!!帰ってきたぞ!!!

 

     *

 

2014年現在

 

【子供たちに語る戦争】

【あの戦争を忘れないために~満州で星になった子供たち~】

 

講演会会場に集まる子どもたちに老人なった英一(宝田明)が質問します。

「生きることに必要なのは何だと思いますか?」

色々な答えが返ってきます。

「1番大事なことは気持ちです」

「思いやる心、分かち合う心が大切です」

「それを教えてくれたのは私の大切な友達です」

 

そして絵本を開くと、そこには5人の子どもたちがいました。

 

英一は絵本作家になって、戦争の語り部として講演会など開くようになってたのです。

 

誰もいなくなった会場で絵本の子どもたちに想いを馳せてると、小さな男の子が入ってきます。

英一は2度見するほど驚きます。

そこにはともちゃんがいるんです。

「英一お兄ちゃん?」

 

やはりともちゃんです!

そんなまさか!!!

 

ともちゃんはいなくなり、今度はおじいちゃん(前田吟)と現れます。

おじいちゃんは帽子を取って、懐かしそうに英一を見ます。

「英一お兄ちゃん?」

今度はおじいちゃんが言います。

 

ともちゃん・・・?

 

そう、おじいちゃんはともちゃんだったのです!

ともちゃんは中国のお母さんに大事に育てられ、約束通りおじいちゃんになるまで生きられました。

 

昭和60年に帰国できたのも、中国のお母さんが名札を大切に取っておいてくれたからだそうです。

 

ーーー回想ーーー

夜、

7人で将来の夢を語ります。

まさみは学校の先生

龍也は落語家

豊はバスの運転手

ともちゃんはおじいさん

三郎は、またこうやって7人で星を見たい

 

空には輝く北斗七星

 

     完

 

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優しさってゆとりから生まれるんだと思います。

有希子のお母さんに【火垂るの墓】のいじわるな叔母さんが重なりました。

優しい気持ちはないんかい!と思いますが、自分の子だって生かせられるか判らない状況で他人に優しくなんかできないんでしょう。

 

私なんて震災にも無縁で、過酷な状況になったことがありません。

もっと優しくなんて綺麗事を言う資格もありません。

 

あと、飢餓は一番辛いそうです。

この子たちはずっと飢餓状態でした。

【アンパンマン】のやなせたかし先生も餓えが一番不幸なことだから顔を食べさせるキャラを作った話は有名ですもんね。

 

もっともっと食べさせてあげたかった・・・

3歳の幼いともちゃんが最後まで元気だったのは、きっと小さいともちゃん優先に食べ物を分けてたからじゃないでしょうか・・・

 

子役の子たちが本当に演技力が高くて、加藤清史郎くん始め本当に素晴らしかったです。

他の4人の子たちはもう俳優さんはやってないようで残念ですが、私は勉強はできないけど心優しい豊の可愛さにメロメロでした^^

お母さん役がニッチェの江上さんでしたが、江上さんお上手でした^^

 

絵本作家になった増田昭一さんは子どもたちの魂に守られ92歳まで長生きして、老人ホームに入所する前日にポックリ逝かれたそうです。

子どもたちの魂に守られたような最期ですよね^^

 

有希子先生は中国人の富豪に嫁ぎましたが、手荒れを見ると苦労は多そうです。

でも、相手はじじぃです。

妊娠もしましたし、きっとじじぃが死んだあと本当に幸せになってると思います。

てか、そう思いたい。

 

 

さて、ここからちょっと厳しいことを書かせて頂きます。

関東軍のことです。

物語では英一が前線で戦ったことになってますが、関東軍は一目散に逃げてます。

この後書こうと思ってる【ソ満国境 15歳の夏】という田原和夫さんの実話の中で衝撃的なことが書かれてます。

 

関東軍は当時新京の中学生を120人、ソ満国境地帯に送り込んで、兵隊さんの食事にする食材を栽培する農園を作る名目で勤労奉仕させるんです。

ところが、実はソ連侵攻に備えての捨て駒だったのです。

中学生をですよ!?

自分たちが逃げるために、開拓団だけでなく中学生も利用してるんです。

人の命を何だと思ってるんでしょう。

 

結局関東軍はソ連に捕まり捕虜になりましたが、総司令官や参謀は抑留されたものの処分はされませんでしたし、ここでも亡くなってるのは下級の兵士ばかりです。

 

本当にあくどい人って生き抜く力にも長けてるんでしょうかね。

死ぬのは力を持たない者ばかりです。

 

国に利用され、中学生の少年たちが過酷な状況の中、助け合って生き抜いた数か月の物語【ソ満国境 15歳の夏】を次回紹介したいと思います。

間に鑑賞映画挟むかも知れませんが。

 

今日は終戦の日です。

戦争犠牲者の皆さまに想いを馳せたいと思います。

 

 

【追記】8/18

ドラマのあらすじは書けますが、ノンフィクションの部分を丁寧に記したいので本を注文しました。

電子書籍が無かったので単行本です。

20日に到着予定です。

読んでからきちんと書きたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このドラマは終戦後の旧満州の収容所で孤児たちと触れ合い、生きて日本に帰ることが叶わなかった子どもたちの想いを後世に伝えた増田昭一さんの原作です。

【満州の星くずと散った子供たちの遺書】

【約束】

【戦場のサブちゃんとゴン】

【ともちゃんのおへそ】

【来なかったサンタクロース】

【金のひしゃく 北斗七星になった孤児たち】

増田さんは「生きた証を残してあげたい」と本や絵本にして後世に伝えました。

ドラマに出てくる子どもたちは実在した子どもたちです。

 

2014年 TBS

出演:松山ケンイチ・二階堂ふみ・深田恭子・伊藤かずえ・柄本時生・前田吟

   笹野高史・宝田明・椎名桔平

子どもたち:加藤清史郎・山田望叶・髙澤父母道・森遥野・五十嵐陽向

 

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ーーー現代の中国吉林省長春市の街の映像ーーー

今からおよそ70年前(2014年当時)

中国東北部に満州という国がありました。

戦争という悲劇が終わった後に、もうひとつの悲劇がここで始まったのです。

 

松山ケンイチ(本人)が現地を巡ります。

当時長春は【新京】と呼ばれ、大陸への進出を目指した日本は昭和6年中国へ侵攻、翌7年に満州国が建国されました。

現在でも関東軍司令部など当時のまま残ってます。

 

中国は今もこの満州国を国として認めてません。

※それはそうでしょう。よその国、人の土地を奪ったんですから※

※といっても、歴史的にはどこも国盗りで土地の奪い合いですから否定はしませんが、認めて貰える立場ではないのにこの言い回しはちょっと引っ掛かりました※

 

松山さんが当時の日本人学校に通っていたリ・エイコウさんに当時の日本人街【勝利大街】を案内して貰います。

当時の横浜正金銀行の建物も残ってます。

 

新京は急激に開発が進み活気に溢れ、建国時13万人が12年後の昭和19年には85万人になり、その1/5が日本人でした。

 

松山さんがインタビュアーとなり、当時の日本人にお話を伺います。

※リ・エイコウさんのように中国人の養子となりそのまま中国に住んでる方もいれば帰国出来た方もいて、当時の満州を体験した方々の貴重な映像です※

 

【拓け満州】【満州に行け】

国が満州に行けば土地が貰えて豊かな暮らしが出来ると煽り立てて、日本各地の貧しい農民たちが開拓団として渡満しました。

その数は27万人を超えたそうです。

 

しかし、彼らを待ち受けてたのは厳しい現実でした。

 

昭和20年(1045年)8月9日 ソ連侵攻

日ソ中立条約を一方的に破棄して満州に侵略してきましたが、条約を知ってた開拓団は最初アメリカが攻めてきたと思ったそうです。

日本では長崎に原爆が落とされた日です。

 

そして関東軍はソ連の侵攻を早くから気付いて、開拓団を残していち早く撤退し移動を開始してたのです。

南の島への侵略で多くの兵士を取られ、既に兵士が少なくソ連軍に対抗する武力もない関東軍は自分たちだけ逃げ出したのです。

 

でも、結局ソ連軍に捕まり捕虜にされます。

 

多くの開拓団は終戦も知らされないまま、もうひとつの悲劇に否応無く巻き込まれて

いくのです。

そして、その後彼らがどうなったかは多くは謎のままです。

 

ーーー長春市第7中学校ーーー

建物は変わりましたが、ここが当時の難民収容所のひとつでした。

伝染病、寒さ、治安の悪化、餓え。

収容所の生活は過酷を極めました。

 

再び日本の地を踏むことなく満州で亡くなった日本人は約25万人で広島・長崎の原爆被害者を超えています。

※昭和25年当時で、その後原爆の被害者数は増え続けます※

 

そんな過酷な状況でも必死に生きようとした人たちがいました。

 

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ーーー昭和20年(1945年)7月 静岡村在満国民学校ーーー

【私の家族】の作文発表で、佐竹三郎(11歳)(加藤清史郎)が堂々と読み上げます。

【満州はでっかい国です。

 でっかい国に行けばでっかい畑が貰えてでっかい家が建てられる。

 だから僕たちはこの満州にやってきました。

 頑張って畑を耕して家も建てて、お腹いっぱい食べられるようになって幸せだと言   

 ってましたが、先週お父さんも御国のために兵隊になりました。

 開拓団は兵隊にならないって言われてたのにとお母さんは泣いてました。

 「お母さんと畑をしっかり守れよ!」

 男と男の約束をしました。

 だから、お父さんが帰ってくるまで、お母さんと畑をしっかり守っていこうと思い 

 ます。】

 

立派な発表に三郎を褒める担任の水野有希子(二階堂ふみ)に児童のひとりが質問する。

「私の家はお父さんもお兄さんも兵隊に行きました。お父さんたちはいつ帰ってくる んですか?」

 

「兵隊さんたちは私たちを守るために必死に頑張って下さってます。だからあなたたちもお母さんを守りながら笑顔で頑張りましょうね」

 

     *

 

ーーー関東軍 軍事訓練所ーーー

中尉の戸田英一(松山ケンイチ)の指揮の下、兵士たちは訓練に励むがひとりトロい男、中山勇(柄本時生)に目を光らせる英一。

 

     *

 

ーーー再び学校ーーー

下校する生徒たちに窓から手を振る有希子。

教室に三郎が残っている。

「開拓団長の話だと僕のお父さんはソ連国境にいるらしいって・・・」

「もしソ連が攻めてきたらどうなるんですか?」

 

有希子は笑顔で答える。

「ソ連と日本は戦争しない約束なの。」

「関東軍は無敵だから大丈夫よ、すぐ帰ってくるわ」

 

安心して笑顔で帰る三郎。

 

     *

 

ーーー関東軍ソ満国境司令部ーーー

司令官が高度防衛のため軍を南下させると言う。

その間、英一の部隊が盾となりソ連の侵攻を食い止める。

国境近くの開拓団に知らせるとソ連に勘付かれる可能性があるので極秘にする。

つまり、自分たちだけ逃げるという作戦が決まったのだ。

 

会議を終え、英一が上官たちを見送る頃には深夜になっていた。

暗闇に人の気配がする。

「そこで何をしてる」

男は中山二等兵、昼間のトロい男だった。

中山は、爆弾を抱えて死ぬ覚悟ができない。御国のために死ぬ覚悟ができないと言います。

英一は一喝しますが中山は話を止めません。

 

日本に残した母のために満州にきた中山。

学校に行く金もない、働き口もない、そんな俺でも土地が持てる。

「働いて働いて、やっと母ちゃんこっちに呼んで親孝行ができると思ったのに・・・」

 

英一は中山を殴り倒して背を向け去りますが、陸軍大佐である父(椎名桔平)との確執を回想します。

6年前(1939年)の士官学生時代、英一は御国のために命を捨てる考えに消極でした。

帝国軍人の鑑のような父親は不甲斐ない英一に怒り心頭で、英一の趣味の画材道具やキャンバスを破壊しました。

 

中山を殴ったものの、英一自身も命を捨てる覚悟は持てずにいたのです。

 

     *

 

その日は突然やってきました。

ーーー昭和20年(1945年)8月9日ーーー

ソ連軍が国境を越えて満州国に侵攻してきたのです。

戦争はしないという約束をソ連は守ってくれませんでした。

 

ソ連の爆撃機がいくつも空を旋回し、国境近くの静岡村開拓団は慌てて避難を始めます。日ソ中立条約を信じてた開拓団はアメリカが攻めてきたと思いました。

有希子も母と幼い弟妹と共に逃げます。

 

 

国境では英一が指揮官となりソ連軍の侵攻を食い止め、逃げ出した本部隊のために時間稼ぎをします。

捨て駒です。

勝てる見込みはありません。

 

ソ連軍の砲撃に中山が倒れました。

「母ちゃん・・・母ちゃん・・・ごめん・・・」

最期まで母を想い中山は死んでいきました。

周りは死体の山です。

そこに「前進命令が解かれた」と連絡が入り、生き残った者たちは前線から撤退を始めます。

 

 

開拓団は駅へ向かいます。

そこに三郎が合流します。お母さんは爆弾にやられひとりになってしまったのです。

有希子は三郎を抱きしめます。

しかし、もうすぐ駅という所で汽車は行ってしまいます。

村人が追いかけますが止まってはくれませんでした。

 

そして、汽車はもうこの先出ないことを知ります。

 

「俺たちは見捨てられたんだ・・・」

 

汽車で行くはずだった満州国の首都【新京】までの600Kmを歩かねばならなくなりました。

ソ連軍だけでなく、日本人が匪賊と蔑んだ中国人にも命を狙われる立場になり、どちらにも見付らないように険しい山道や夜に進むしかなく、敵から隠れてる時に赤ん坊が泣きだすと、みんなの命を守るために母親自らで我が子を手にかけ、もはや歩けなくなった高齢者はその場に留まり死を選びます。

 

直接砲撃を受け、一瞬にして死亡する人々・・・

辱めを受けまいと自死を選ぶ女たち・・・

悲劇はあらゆる開拓団に襲いかかりました・・・

 

昭和20年8月15日に日本は負けました。

でも満州ではまだ戦争は続いてました。

開拓団は何も知らずにひたすら新京に向かって歩きました。

 

 

英一は前線から撤退したものの、ソ連軍の執拗な攻撃に軍は全滅します。

生き残ったのは英一だけです。

英一もまた、新京の関東軍指令部に向かって歩きます。

途中、民間人の死体の服を奪い民間人になりすまします。

 

ようやく新京に着きますが、関東軍司令部はソ連軍に包囲されてました。

通りがかりの日本人に関東軍はどうなったか訊きます。

「あんた知らないのか!?」

「日本は負けたんだよ」

「全面降伏」

「兵隊は全員ソ連に捕まったよ」

 

膝から崩れ落ちる英一・・・

言葉も出ない英一に中国人3人が暴行します。

もはや満州で日本人に安全な場所などないのです。

 

 

英一が目覚めると、そこは小学校の跡地の避難所でした。

(後に言い方が収容所になります)

有希子が声をかけます。

有希子は少年のような短髪になってます。

路地裏で倒れてる英一を日本人が避難所まで運んでくれたのです。

 

満州各地から続々と集まる避難民のために、小学校や官舎が避難所にあてがわれましたが、この小学校だけでも1000人以上の避難民で溢れ、寝る場所もないほどです。

 

元々新京在住の日本人が日本人会を作り避難民の救援をしてくれてますが、避難所に着く途中で親を失った孤児たちも沢山いました。

頼る者のいない彼らは自然と自分たちで集まるようになりました。

食事は1日に1度か2度、薄いお粥が配給されますが、とても空腹は満たせません。

 

この孤児のリーダーが三郎です。

 

 

深夜、泣き声がします。

松原友之(3歳)(五十嵐陽向)が母との別れの時を迎えてました。

母(深田恭子)がともちゃんに優しく語ります。

もうすぐ自分は死んでしまうこと。

ひとりになっても生きていくこと。

おじいさんになるまで生きること。

「でも、どうしてもお母ちゃんに会いたくなったらおへそを見なさい」

「ともちゃんとお母ちゃんはおへそで繋がってたのよ」

「寂しい時はおへそを見なさい」

「お母ちゃんは必ずここにいるからね」

「おへそはお母ちゃん」

 

そして、ともちゃんの母は息を引き取ります。

 

 

翌日、中村龍也(10歳)(髙澤父母道)が落語を披露してます。

龍也は落語が得意で大人も笑ってしまう実力です。

廊下でぼんやり眺めてる英一に三郎が室内を勧めますが無言で英一は去ります。

 

校庭に出るとともちゃんの母が埋めらてるところでした。

英一はともちゃんの母が亡くなる時、隣で横になってたので見てました。

泣きじゃくるともちゃんを有希子が抱き上げます。

英一と目が合いますが英一は無視して街の方に消えます。

今の英一に感情は存在してないのです。

 

夜も更け、英一は隠し持っていた短刀を首にあてます。

自決しようとしますが有希子が現れ止められます。

「これ以上生き恥は晒せない」

英一の言葉に「くだらない!」と怒鳴ります。

「人を殺してしまった後悔、自分だけが生き残ってしまった罪悪感、あなただけが背負ってると思わないで!」

「ここにいる人たちはみんなそう!」

「だから私たちは生きるんです!」

「生きられるだけ生きなきゃいけないんです!」

「恥を晒してでも生きるべきよ!!!」

 

     *

 

三郎が蒸し饅頭屋をじっと見てます。

店主が目を離した瞬間、饅頭をいくつも抱え逃げますがすぐ見付ります。

店主に追われ殴られ棒で叩かれても饅頭を離しません。

英一が現れ、店主の暴力を止めて三郎に返すよう言いますが三郎は拒絶します。

力ずくで奪い店主に返しますが、もう潰れて売り物にならないと地面に叩きつけて去ります。

それを拾う三郎。

「ともちゃんが食べたいって言うんだ・・・」

「あいつも母ちゃん死んでひとりだから・・・」

 

「だからって・・・」

 

「じゃあどうすればいいんですか!?」

「誰が助けてくれんだよ!」

「負けるなんて誰も教えてくれなかった」

「負けたらどうなるか誰も教えてくれなかった」

「戦争がなかったら父ちゃんも母ちゃんも死なずに済んだのに・・・」

「ずっと一緒に暮らせたのに・・・」

「俺たちにはもう助けてくれる人なんかいない!」

「盗んででも拾ってでも自分たちでやってくしかないんだよ!!!」

 

泣きながら走り去る三郎の後を追う栄一。

自決しようとした短刀を取り出します。

短刀を売ったお金で孤児たちに饅頭を与えます。

 

田中さとみ(10歳)(山田望叶)が英一に一緒に食べようと誘い、照れながら子どもたちの輪に入ります。

英一と孤児たちの交流が始まりました。

そして、ようやく孤児たちに大人の仲間ができました。

 

 

満州の短い夏が終わり、いつ日本に帰れるかも判らないまま必死で働く日本人。

英一はソ連軍の裨益で日雇いの仕事。

有希子は中国人家庭の家政婦。

子どもたちはひまわり畑で拾ったひまわりの種を街で売ります。

 

避難所住まいは変わりません。

この頃には収容所の呼び名になりました。

収容所も安全ではなく、夜になると酔ったソ連兵が女を求めて荒らしにくることもあるのです。

有希子が短髪にしてるのは男のフリをするためでした。

それは10歳のさとみもです。

女たちは皆短髪に男物の帽子を被り、ソ連兵が諦めて去るまで息を潜めるのです。

強姦に略奪。

戦争が終わっても尚、恐怖と背中合わせの日々でした。

 

     *

 

その日、ひまわりの種は全く売れません。

お金がないと食べ物は手に入りません。

さとみは閃きます。

ともちゃんに【ふるさと】を歌わせます。

ともちゃんはとってもお歌が上手なんです。

 

その姿を涙ながらに見る若い中国人女性。

 

     *

 

上田豊(9歳)(森遥野)が薪を集めながら九九の勉強です。

学習帳を見ながら山を歩いてたらつまずいてノートを落とします。

龍也がノートを拾い「これも薪と一緒にもやそうぜ」

いつものどかな豊が龍也に掴みかかりノートを取り返し逃げ出します。

 

「なんだあいつ・・・」

 

収容所の水場でノートの表紙の汚れを丁寧に拭く豊に目が留まる英一。

「汚しちゃったのか?勉強好きなんだな」

 

三郎たちも薪拾いから戻ってきてふたりの話を聞きます。

 

「俺、勉強できないんだ」

「だから母ちゃんにいつもガミガミ言われるんだ」

「死ぬ時もそうだった・・・」

「勉強忘れるんじゃないよって・・・」

 

ーーー回想ーーー

 

ソ連からの爆撃の中、自宅で赤ん坊を背負った豊の母(ニッチェ・江上敬子)が豊に【カズノホン】を渡します。

「早く逃げるんだよ!早く!!!」

母ちゃんは!?

「ほら!急いで!!!」

 

豊は家を飛び出します。

母は玄関先で大声で叫びます。

「体に気を付けるんだよ!」

母ちゃん!!!

「勉強もちゃんとやるんだよ!」

「行きな!豊!!!」

 

 

「母ちゃんは赤ちゃんと一緒に死んだんだって・・・」

「包丁で胸を突いて」

「俺、九九も言えないんだ」

「そんなんじゃ母ちゃんに叱られちゃうから、全部覚えてあの世で母ちゃんと会ったら言ってやろうと思って」

 

豊に謝る龍也。

 

※豊は茨城村開拓団でした。お母さんは国境近くの開拓団が非道な目に遭った話を耳にしてたのかも知れませんね。

みんなで避難しても赤ん坊がいたら自分で手にかけないといけません。

豊の前で赤ん坊を殺す姿は見せたくなかったし、赤ん坊だけ逝かせたくなかった・・・

避難する時がきたら、豊に生きる希望を託して、自分は赤ん坊と死のうと覚悟してたと私は考えてます※

 

豊の話にともちゃんはお母さんのお墓(といってもお山に石が乗ってるものです)

でおへそを出します。

ともちゃんもお母さんが恋しくなって、おへそのお母さんにお話します。

 

それを見て、他の子たちも自分のおへそを見てお母さんにお話するのでした。

 

 

夜になり、英一、有希子、5人の子どもたちの7人で星空を眺めます。

北斗七星が綺麗に輝いています。

当時は【ひしゃく星】と呼ばれてました。

三郎が言います。

「俺たちと一緒だな。星も7つで俺たちも7人」

 

そして、この7人で日本に帰ろうと誓うのです。

 

     *

 

日本に帰れるメドも立たないまま終戦から2ヶ月が過ぎました。

配給は減り、仕事も貰えなくなりました。

日本人会にお願いしても避難民は増える一方で手に負えない事態になってました。

 

伝染病も増え、寒さと餓えの日々が始まりました。

英一はせめてもとノートに玉子焼きの絵を描きます。

それを見て想像だけで少し元気になる子どもたちでしたが、状況は悪くなる一方で、腸チフスが流行し、ひとりまたひとりと弱い者から命を落とす毎日でした。

 

校庭は遺体を埋める場所すらひっ迫するほどで、坊さん(笹野高史)が毎日お経を唱えてます。

 

     *

 

「本当にそれでいいの?」

有希子は頷きます。

「ごめんね・・・有希子・・・」

有希子の母が有希子に謝ります。

 

その日のランチは外食です。

中華屋の円卓を有希子の家族4人と英一と子どもたち5人の総勢10人です。

円卓には御馳走が並びます。

なぜ?どうして?

夢のようです。

 

有希子が結婚の報告をします。

中国人との結婚が決まったのです。

うつむく母親。

 

久し振りにみんなお腹いっぱい食べられました。

 

そして、有希子先生からの最後の授業が始まります。

「人が生きていくために必要なものは何だと思いますか?」

 

「食べ物!」「お金!」「家!」

色々意見が出ます。

 

「どれも大事だけど、最後は気持ちだと先生は思うの」

「ひとりじゃないって気持ち」

「仲間がいるって気持ち」

「ひとりじゃないから頑張れる」

「仲間がいるから頑張れる」

「挫けそうになった時はみんなで励まし合える」

「大切なのは【思いやり】と【分かち合い】」

「どんな時もこのふたつを忘れないで下さい」

「あなたたちは生きて日本に帰れる」

 

 

夜、有希子は自分の似顔絵を英一に描いて貰います。

「あなたのことはずっと忘れません」

互いに惹かれ合ってたと思いますが、もう結ばれることはありません。

「僕もあなたのことは忘れません」

「幸せになって下さい」

 

どんなに想っていても満州にいる限り明日の命さえ判らない英一には、これが精一杯の愛の告白でした。

 

 

翌朝、有希子は中国人のハゲじじぃの馬車に乗って旅立って行きました。

子どもたちが見送ります。

英一はこっそり見送ります。

 

「先生の授業を忘れないでね!」

 

 

後編に続く↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近の【真実】は人それぞれという意見に本気で違和感しかありません。

この原因は【ミステリという勿れ】だと思います。

私も大好きな作品ですが、この作品の内容に限ってです。

【ミステリという勿れ】は本当にそれぞれの真実があっての事実でした。

 

でも、映画【でっちあげ】は違います。

事前に作り話を広めて、それを鵜呑みにした親たちが【真実】として乗っかりました。

【真実】は変えられるんです。

 

そして、【事実の向こうに真実がある】

に、そう思いました。

 

真実はそんなにいくつもないよ?