野村ジェームス佑希 内野手 高卒3年目 20歳

花咲徳栄高 18年ドラフト2位

20年1軍成績
21試合出場
打率.257(74-19)HR3本 18打点 OPS.749 出塁率.276

今シーズン最大の期待の若手といえばこの選手。
プロ入り前は埼玉県花咲徳栄高校の主軸として活躍。
2年夏には4番ファーストとして全国制覇に大きく貢献。
3年時にも4番投手として全国大会に出場している。

18年のルーキーイヤーは2軍で順調に成長し、シーズン後半の1軍デビューも近いと思われていたが、
8月に股関節の亜脱臼でシーズンを棒に振ってしまった。
アスリートにとって股関節のケガはその後の選手生命を大きく左右する場合が多く(サッカーの中田選手など)、
どのくらい回復するかとても心配していた。
けれどそんな心配も杞憂に終わり5ヶ月後に無事復帰。


昨シーズンはオープン戦からアピールに成功し1軍入り。
そして7月2日の試合ではは3安打の猛打賞に劇的なサヨナラヒットを打つ。
その姿にレアードが退団後、課題であった三塁手候補として球団やファンの期待が膨らんだ。

しかしそのわずか数日後、試合の守備中に打球を手に当ててしまい、骨折しそのまま手術となり戦列を離れる。
この時のファンの落胆はかなり大きかった。
20年シーズンはこのままリハビリなのかと思いきや、シーズン最終盤の10月に復帰。
ホーム最終戦で4打点の活躍と、逸材ぶりを発揮した。


21年は春の1軍キャンプに帯同し、最後まで完走。
キャンプ最終日の対外試合では、西川、近藤、太田と主力が並ぶ中、小笠原コーチの推薦により4番に抜擢される。
そしてその試合で2安打としっかりと結果を残すあたり、大物感が強い。


身体も大きく長打力が魅力だが、最大の持ち味は昨シーズン19安打で18打点という勝負強さ。
この年齢ですでにサヨナラヒットを打っていることからもチャンスに強い。
数年後には日ハムの主軸として打点王争いの常連になってくれることを期待したい。

課題は20試合で7失策の守備力。
けれど、もともと投手出身なので肩は強いし送球のコントロールも良い。
1000日計画で飯山コーチ、金子コーチの指導のもと守備力強化に取り組めば将来的にホークスの松田選手のようになれるはず。

 

球団の扱いを見ても、清宮と共に将来の主軸として最優先で育成する方針なのは明白。

なので今シーズンはケガすることなく1軍に定着するシーズンにしてもらいたい。

そして新球場ができる頃には打率3割、HR30本を打てるファイターズの看板選手になってくれることを期待している。

 

今後の成長が本当に楽しみな選手です。

 

平沼 翔太 4年目 22歳
敦賀気比高 15年ドラフト4位
 
19年年俸570万円
 
19年成績
 
73試合出場
打率.236(165-39) HR1本 16打点 2盗塁 
 
OPS.624  出塁率.291
 
 
こちらも2年前に期待の若手として取り上げた選手。
 
2年前の記事
 
 
 
けれど、こんなにも早くチャンスが回ってきて結果を残すとは少し驚いた。
 
今シーズ序盤、サード候補だった淺間がケガ、横尾の打撃不振により出場機会を得ると下位打線で繋ぎのバッティングに徹して結果を残した。
 
 
 
特に印象的だったシーンは吉田輝星のデビュー戦の初勝利がかかった9回表2アウトランナー2塁の場面でのサード守備。
三塁線の鋭い打球をダイビングキャッチで捕球し一塁送球アウト。
そのままゲームセットで吉田の初勝利を決めた試合。
 
あのプレーは多くのハムファンの心を掴んだ瞬間だった。
 
 
しかし、6月の交流戦でふくらはぎに死球を受けて離脱。
 
約2ヶ月後の8月に復帰。
 
復帰後からシーズン終盤はショートのスタメン起用も徐々に増え、球団から次世代のショートとして本格的に育成する思惑も見えてきた。
 
 
 
平沼は高校時代に投手としてセンバツ優勝し、プロ入り後に野手転向。類稀な野球センスで1軍の戦力となるまで急成長してきた。
 
打撃の特徴は低めのボールを鋭く引っ張り、ライナーで1,2塁線を抜いていく。
公式戦プロ初HRも放ち、今が一番成長している時期。
 
守備はまだまだ粗削りだが、肩の強さと身体能力の高さは最大の売り。
 
サードとして考えると若干打撃力不足だが、ショートであれば将来的に打てるショートの部類になってくれるであろう。その為にもより一層の守備力の強化が求められる。
 
走塁は打球判断が甘い場面も見受けられるけれども、出場を重ねれば良くなっていくはず。
 
リードしている試合終盤には、中島や石井をショート、平沼をサードに守備位置を変更するという戦略オプションが使えるのもとても大きい。
 
まだまだ、レギュラーとしての信頼感はないが、起用されればある程度の確率で結果を残せる勝負強さを持っている。
 
これはプロ野球選手として生き残って行く為に重要な要素。
 
 
 
プロ4年目の若手にも関わらず、今シーズンは70試合以上出場する事が出来た。
 
けれど現状の成績では、石井、横尾、淺間との併用はまだまだ続く。
 
ここからレギュラーを掴むには、来シーズンに向けた秋季キャンプ、自主トレ期間、春キャンプ、オープン戦が重要になる。
 
日ハムの場合はこれからの1年、1年が本当の勝負。
 
なぜなら他の球団よりも若手選手扱いでいられる期間が圧倒的に少ない。
 
レギュラー取りへの階段をうまく掛け上がれずに、一軍で数年間モタモタしてしまえば、あっという間に中堅控え選手のレッテルを貼られてしまう。
 
そこから再度多くのチャンスをもらうのは相当厳しい。
 
かと言ってオーバーワークでケガをしてしまっては本末転倒なので、そのへんにも気を付けつつ、焦らず着実にステップアップして欲しい。
 
 
それに来年からは大学へ進学していた同世代達も続々と各球団へ入団してくる。
 
平沼には、4年間プロ野球界で頑張ってきた自負を持って大卒新人たちに負けない成績を残す選手になってくれる事を期待してます。
 
玉井 大翔 3年目 27歳
 
旭川実業高〜東農大オホーツク〜新日鐵住金かずさマジック
 
16年ドラフト8位
 
19年年俸1950万円
 
19年成績
 
65試合 62.0回 2勝 3敗 11H 
 
防御率2.61 WHIP1.19
 
奪三振34個  被本塁打1本
 
 
今シーズン中継ぎ投手として飛躍をとげたのは玉井大翔選手。
 
北海道佐呂間町出身の道産子投手。
 
2016年のドラフトで新日鐵住金かずさマジックから8位指名で入団。
 
入団当初は下位指名ということもあり、当然目立つ存在ではなかった。
 
けれど大学では井口和朋、社会人時代は加藤貴之と同僚で、アマ時代からファイターズと縁のある選手ではあった。
 
 
1年目から主にビハインドの場面での起用で17年は24試合、18年は40試合登板とキャリアを重ねる。
 
順調に一軍でのキャリアを積み、
 
3年目の2019年。
 
今シーズンはピンチ時の火消し役として大活躍。
 
先発投手が5回〜6回にランナーを出すとすかさず玉井と交代。
ランナーを背負った状態でも気負うことなく投げピンチを切り抜ける。
 
最小限の失点でその回を抑える事でチームに勢いが生まれ、その後に逆転するケースも。
 
玉井の勝利数は全て中継ぎ登板からの勝ち星で2勝をマーク。
 
最後まで抜群の安定感で今シーズンを終えた。
 
何よりも今シーズン一度も2軍落ちをしなかった。
 
言い換えればシーズンを通して好不調の波が少なく、ケガをしないタフな身体を作り上げたという事の証し。
 
是非玉井には
 
年俸の大幅アップ
 
をしてあげて欲しい。
 
玉井の最大の武器は右打者の内角をえぐるシュートと外に逃げるスライダー、カットボール。
この左右に曲がる変化球とストレートのコンビネーションが主体。
 
そして昨シーズン途中からフォークボールも投げ始め、今年はチェンジアップも投げている。
 
実は日ハムOBの解説者岩本さんも昨年から
 
「玉井がフォークボールを習得したら1億円プレイヤーになれる!!」
 
と豪語していましたが、さすが日ハムの18番を背負っていただけあります。
当時からこの活躍を予想出来ていたんでしょうね。
 
まだまだ落ちる球の変化量、キレとも決め球とは言いにくいが、それをボールゾーンに投げて見せ球に使い、最後は得意のシュートやストレートで打ち取る。
こういった投球のバリエーションが増えたことで左打者に対する弱点も無くなった。
 
そうして試合中盤に一番信頼出来るリリーフとしての起用が増えて終わってみれば65試合登板
これはチーム最多。
 
しかも、60試合以上投げて打たれたHRはたったの1本だけ。
これはシーズンを通して投げミスが少なかった証し。
それだけ細心の注意を払って毎回投げていたのだろう。
 
また、今年はピンチでの火消し役という自分の役割がハッキリしたことで、ブルペンでの準備がしやすくなったと本人も語っていた。
無駄にブルペンで投球練習をする事が減り、これがシーズンを安定して戦う事が出来た要因の一つだった。
 
 
けれども、今後怖いのは勤続疲労による故障
 
今年はチーム最多の65試合登板をしている。
玉井はドラフト下位指名の宿命としてこの3年間、大差、僅差、同点、など場面を問わず登板してきた。
 
大活躍した今年でさえも最後までその役割は変わらなかった。
 
 
個人的にはここ2年間しっかりと結果を残してきたので、もうそろそろ勝ちパターン固定で大事に使ってあげたいところ。
 
今は宮西、石川直、秋吉の順番で勝利の方程式を組んでいるが、
 
7回宮西、8回玉井、9回秋吉
 
の方が盤石なリレーなのではないかなと思います。
 
 
来シーズン以降もこのままケガなく活躍し続けて、数年後には本当に1億円プレイヤーになって欲しいです。