渡邉 諒  6年目 24歳
東海大甲府高 13年ドラフト1位
19年年俸1400万円
 
19年成績
132試合出場
打率.262(481-126) HR11本 58打点 
 
OPS.718 出塁率.333
 
今シーズン日ハムで一番成長した野手と言っても過言ではありません。
 
渡邉は約2年前にも期待の若手として紹介した選手。
 
2年前の記事
2018年プロスペクト野手編
 
 
プロ入りから2017年までの経緯はその記事に書いてあるので今回は割愛し、18年シーズンから現在までの経緯を記したい。
 
 
18年の前半戦までは渡邉の一軍出場機会は限られていた。
その当時、田中賢介のセカンド後継者候補は、
石井一、松本剛、杉谷、横尾、太田賢。
渡邉はその次の6番目の候補選手にすぎなかった。
なので18年のオープン戦ですら内野ではなくレフトでの出場。
 
当然、18年シーズンの開幕に渡邉がコールされることはなかった。
 
しかも、ファームの試合では平沼、難波、今井といった若手内野手達に実践経験を積ませる為、渡邉が外野に回される事もあった。
 
こんな状況の中、ドラ1で入団したとはいえすでにプロ5年目。
 
渡邉自身、相当な危機感を持っていたに違いない。
 
 
しかし転機は2018年7月20日に訪れる。
 
 
石井、杉谷、中島らがケガ明けで不調なこともあり、この日は一軍での渡邉のお試しスタメン起用。
 
そしてその起用に見事応える。
 
ソフトバンクの好投手バンデンハークから
 
2 打 席 連 続 H R
 
を放った。
 
この日を境に、渡邉は徐々に一軍での出場機会を増やしていく。
 
他のセカンド候補達が打撃不振やケガ、守備エラーで低迷する中、渡邉はパンチ力ある打撃を武器に18年シーズン終盤には二塁手としてスタメン出場を重ね、正二塁手最有力候補にまで登りつめた。
 
 
 
そしてプロ6年目となった2019年。
 
キャンプ中に脇腹の肉離れで一時離脱するも、開幕直後には復帰し即スタメン。
 
その起用に応える活躍をし、シーズン序盤で完全に正二塁手の座を不動のものとした。
 
今年は課題であった変化球への対応を克服して、四球を選ぶ打席も増えて出塁率も上がった。
 
守備はシーズン初めエラーも多く不安定感は否めなかった。
しかし、一軍の実践を積むことで徐々に安定感を増していて、シーズン終盤にはチームを助けるファインプレーも多く見られるようになってきている。
近い将来には、名二塁手となりうる可能性も秘めているかも?
 
打撃はここぞという場面で逆転タイムリーを放つなど勝負強い。もちろんHRも期待できる。
 
さらにフルシーズン戦う体力も今シーズンで身につけた。
 
シーズン終盤に若干調子を落とすも、不調が長引かず、数試合程度で復調するのも大きな強み。
 
こんな風に少ないチャンスをものにしてポジションを奪い取った選手は、その後長らく活躍する傾向にある。
 
今後は、
 
打率.280 HR15本 出塁率.350 OPS.780
 
くらいの成績をコンスタントに残せるような活躍を期待したい。
今シーズン大活躍した有原航平投手

今回は彼がなぜ今年ここまで覚醒したかを考察してみます。

(※個人的な見解が多分に含まれている事をご了承ください。)


有原航平 5年目 27歳
広陵高-早稲田大 14年ドラフト1位
19年年俸7000万円

19年成績
24試合 24先発 164 1/3回 15勝 8敗(1完投、1完封) 161奪三振

防御率2.46  勝率.652  WHIP.092  QS率75.00

獲得タイトル
最多勝



ドラフトは2014年の秋。早稲田大学から4球団競合の末、日ハムがクジを引き当てる。

プロ1年目の15年シーズンは即戦力として活躍。
8勝6敗1完封で新人王を獲得する。

16年も11勝9敗で日本一に貢献、17年も10勝13敗と2年連続で二桁勝利。

しかし、18年は8勝6敗とローテーションはかろうじて守るものの伸び悩んだ。

その原因は15年〜18年までの4年間で有原の長所、短所が浮き彫りになり相手チームに対策されてしまったからだと思われる。

昨年までの有原の最大の長所は球威抜群のストレートと切れのあるカットボールを武器に、試合終盤までボールの勢いを維持し続ける無尽蔵のスタミナ。

このストレートとカッターのコンビネーションをアマ時代の打者で打ち崩す事ができる選手は少なかったであろう。

プロ相手にも2年間は通用していた。


しかし、そこから有原の試練が始まる。

まず狙われたのは対右打者への甘いスライダーと対左打者への落ちきらないフォークボール。

有原の場合、この2球種がストライクゾーンからストライクゾーンへの甘い変化球になりがちでそこを痛打されるようになる。

なので試合中に打ち込まれ始めると、右打者に対してはカットボール中心のの外角一辺倒、左打者にも勢いに任せた外角ストレートとバックドアスライダーを多投。

それも打たれ始めると最後はイチかバチかのストレート勝負。

しかし有原は平常心を失うと投球リズムが単調になる癖があり、タイミングの取りやすいストレートは球が速くても簡単に打ち返されてしまう。

そうしてある程度試合を作るものの中盤で崩れてしまい、4失点、5失点する試合が増えていた。

こうして有原は才能や体格は周りから絶賛されているのにも関わらず、今ひとつ殻を破れない選手となっていた。



そして迎えた今シーズン。

覚醒のカギは主に3つ。

①新たに増えた2つの変化球

②ストレートの制球力

③試合中のメンタルコントロール


覚醒要素その①

新球種はツーシームチェンジアップ

ツーシームとはボールの縫い目にかける指をストレートの握りとは変えるが、ストレートと同じ投げ方で投げる変化球。

その軌道は高速でシュート回転して右打者のインコースに食い込む。
または、左打者の身体に当たりそうな軌道からインコースのボールゾーンへとシュート回転しながら鋭く曲がるという使い方もできる。

外国人にも引けを取らない体格から放たれる有原のツーシームの球速は140キロ後半。
並のピッチャーの全力ストレートよりも速い球が打者の手元でグッと曲がる。

特に右打者には効果抜群で、インコースへのツーシームで相手の身体をのけぞらせた後、外角のボールゾーンへ落ちるフォークボールやカットボール、スライダーなどで空振り三振を狙う。
それを嫌がり早打ちにきた打者にはツーシームで詰まらせて内野フライや内野ゴロを打たせる。



もう一つの新球種はチェンジアップ。

これはボールを鷲掴みにしてストレートと同じ投げ方で投げる遅い変化球。
有原の場合は若干左方向に揺れながら落ちていく、サークルチェンジと呼ばれる変化球に近い軌道。

これが左打者に対しては絶大な武器となった。

主な使い方としては、左打者のストライクゾーンから打者の足元へ鋭く曲がりながら落ちるカットボールや外角に逃げるツーシームを使いながら2ストライクまで追い込む。
最後に外角低めのチェンジアップで空振り三振を狙う。

これが超強力。

なぜなら有原の変化球は早いボールが多い。その中でこのチェンジアップは他の変化球やストレートよりも20〜35キロほど遅い。

上下、左右の変化に加えて、緩急まで織り交ぜられると、打者はチェンジアップがくると分かっていてもタイミングが取れない。

こうして

対右被打率.184対左被打率.198 

と強力な投球スタイルを確立する事ができた。



覚醒要素その②

今年はストレートの制球力が格段に上がった。

特に打者のインコースの厳しいところへ直球を投げきれるようになった。

昨年まではこのストレートの制球に自信がなくて、甘く入るのを嫌い、外角一辺倒になってしまっていた。

けれど今年は内角、外角共に素晴らしいコースにズバッと決まるストレートが増えた。

このストレートで見逃しストライクをとる場面も多く、例え打たれたとしても厳しいコースにしっかりとコントロールされた球なので長打になる率が減った。

これはチェンジアップやツーシームにも同じ事が言える。

なぜなら先程も説明したように、この二つの変化球はボールの握り方が違うだけで投げ方はストレートと同じ。

自ずとこの二つの変化球も、狙った場所へバシバシ決まるようになった。

よって、昨年のシーズン奪三振数が87個だったのに対し、今年は161個と大幅な増加に繋がった。



覚醒要素その③

今シーズンの有原を支えた最大の功労者は今シーズン限りで引退した

田中賢介選手

であろう。

有原の登板する日はイニングの合間にベンチで賢介と話をするのがルーティーンとなっていた。

賢介がイニングを終えて戻ってきた有原に話しかけると、有原もリラックスした表情でそれに応える。

以前から試合中に気持ちを入れ込み過ぎて冷静さを失い、一本調子な投球になる事の多かった有原。

それが今年はイニング間にうまく気持ちを切り替えることができて、それが良い効果を生んだのではと推察しています。

最多勝を確定させた15勝目の試合後のヒーローインタビューでは、賢介のアドバイスが力になったと有原自身も語っていた。



こうして今シーズンの有原選手は色々な面で成長し、自身初の最多勝という素晴らしいタイトルを獲得。

ある意味、もともと持っていたポテンシャルに実力が追いついたと言ったほうがいいのかも知れません。


来年は上沢と並ぶ日ハムのWエースとしての活躍はもちろんのこと、プレミア12や東京オリンピックなどの日本代表の中でも頼れる日本のピッチャーとしても活躍してほしいと思います。






今回は秦基博というアーティストについてです。

私が彼を初めて知ったのは10年程前でした。


『僕らをつなぐもの』


という曲を聴いた時に、何故か涙が出てしまった事を覚えています。

曲を聴いてそんな風になってしまったのはその時以来ありません。

最近テレビで彼をよく見かけて新曲を聴きますが、いい曲だとは思えても、当時の感情にはなれないのです。

もちろん、ファンである事には変わりはないのですが。


私は

『恋の奴隷』→『僕らをつなぐもの』→『朝が来る前に』→『エンドロール』


という順番で彼の曲を聴くのが好きです。

発売された順番はバラバラですが、私の中ではこの4曲が繋がってしまいます。


現実がツラくて恋に逃げてしまい、あやふやな感情のまま付き合う。
結果的に彼女を傷つけてしまい、これ以上傷つけたくなくて自分から別れを選んだけれど、やっぱり未練が残ってしまう。
その反面、他の男と幸せになって欲しいという願いの方が強い。

私はこの4曲を自分に当てはめた時、そんな風に聴こえてくるんです。

自分勝手な恋に終止符を打って、それ以降かなり長い期間、恋愛自体を封印してしまった過去があります。

そんな未熟だった私を思い出させてくれるのが、この4曲に詰まっています。

いい曲は一期一会だと思います。

その時のタイムリーな感情にマッチした曲に出会うという奇跡は早々起きないことなんだと、10年経って気付かされました。

だからこそ私の中で

『僕らをつなぐもの』


は特別な曲なんだと思います。