玉井 大翔 3年目 27歳
旭川実業高〜東農大オホーツク〜新日鐵住金かずさマジック
16年ドラフト8位
19年年俸1950万円
19年成績
65試合 62.0回 2勝 3敗 11H
防御率2.61 WHIP1.19
奪三振34個 被本塁打1本
今シーズン中継ぎ投手として飛躍をとげたのは玉井大翔選手。
北海道佐呂間町出身の道産子投手。
2016年のドラフトで新日鐵住金かずさマジックから8位指名で入団。
入団当初は下位指名ということもあり、当然目立つ存在ではなかった。
けれど大学では井口和朋、社会人時代は加藤貴之と同僚で、アマ時代からファイターズと縁のある選手ではあった。
1年目から主にビハインドの場面での起用で17年は24試合、18年は40試合登板とキャリアを重ねる。
順調に一軍でのキャリアを積み、
3年目の2019年。
今シーズンはピンチ時の火消し役として大活躍。
先発投手が5回〜6回にランナーを出すとすかさず玉井と交代。
ランナーを背負った状態でも気負うことなく投げピンチを切り抜ける。
最小限の失点でその回を抑える事でチームに勢いが生まれ、その後に逆転するケースも。
玉井の勝利数は全て中継ぎ登板からの勝ち星で2勝をマーク。
最後まで抜群の安定感で今シーズンを終えた。
何よりも今シーズン一度も2軍落ちをしなかった。
言い換えればシーズンを通して好不調の波が少なく、ケガをしないタフな身体を作り上げたという事の証し。
是非玉井には
年俸の大幅アップ
をしてあげて欲しい。
玉井の最大の武器は右打者の内角をえぐるシュートと外に逃げるスライダー、カットボール。
この左右に曲がる変化球とストレートのコンビネーションが主体。
そして昨シーズン途中からフォークボールも投げ始め、今年はチェンジアップも投げている。
実は日ハムOBの解説者岩本さんも昨年から
「玉井がフォークボールを習得したら1億円プレイヤーになれる!!」
と豪語していましたが、さすが日ハムの18番を背負っていただけあります。
当時からこの活躍を予想出来ていたんでしょうね。
まだまだ落ちる球の変化量、キレとも決め球とは言いにくいが、それをボールゾーンに投げて見せ球に使い、最後は得意のシュートやストレートで打ち取る。
こういった投球のバリエーションが増えたことで左打者に対する弱点も無くなった。
そうして試合中盤に一番信頼出来るリリーフとしての起用が増えて終わってみれば65試合登板。
これはチーム最多。
しかも、60試合以上投げて打たれたHRはたったの1本だけ。
これはシーズンを通して投げミスが少なかった証し。
それだけ細心の注意を払って毎回投げていたのだろう。
また、今年はピンチでの火消し役という自分の役割がハッキリしたことで、ブルペンでの準備がしやすくなったと本人も語っていた。
無駄にブルペンで投球練習をする事が減り、これがシーズンを安定して戦う事が出来た要因の一つだった。
けれども、今後怖いのは勤続疲労による故障。
今年はチーム最多の65試合登板をしている。
玉井はドラフト下位指名の宿命としてこの3年間、大差、僅差、同点、など場面を問わず登板してきた。
大活躍した今年でさえも最後までその役割は変わらなかった。
個人的にはここ2年間しっかりと結果を残してきたので、もうそろそろ勝ちパターン固定で大事に使ってあげたいところ。
今は宮西、石川直、秋吉の順番で勝利の方程式を組んでいるが、
7回宮西、8回玉井、9回秋吉
の方が盤石なリレーなのではないかなと思います。
来シーズン以降もこのままケガなく活躍し続けて、数年後には本当に1億円プレイヤーになって欲しいです。