愛知県豊明市からこんばんは。
自家焙煎珈琲豆散人アルジです。
最近、なぜか浅煎りがブームで、やけに浅い焙煎の珈琲を出すお店が増えているようですが、浅煎りがお好きという、初来店のお客さんから、
「ここは、甘みに特化した店ですね」
と言われました。
「甘い珈琲の店」を標榜しているので、有難いことですが、よく考えてみると、特化しているわけではなくて、ちゃんと豆の芯まで火が通る焙煎をしたら、豆の持っている甘みが出てくる、というだけのことなのです。
そうなると、浅煎りをやっている新しい多くのお店の珈琲に、なぜ甘みがないのかということが問題になりますが、これも同じことで「芯まで火が通っていないから」です。
「フルーティー」などと言いますが、アルジからすれば生臭いだけです。
当店が開店した15年前には、浅煎りをするお店はほとんどありませんでした。
それは、「浅煎りでは火が通らない、深煎りにすると火が通る」と思っているからです。
実際は、「浅煎りで火が通らないと、深煎りにしても芯は生焼けのままで外側が焦げるだけ」なのですが、その間違いはともかくとして、(意識していないにしても)深煎りにすることで誤魔化してしまうことは心得ていたわけです。
ところが、今の意識が高いように見えるお洒落カフェの人は、それさえ分からずに堂々と生焼けの珈琲を浅煎りとして出してしまう。だから、ちゃんと味が分かるお客さんからは「飲めたもんじゃない」と言われてしまうことになるのです。
農園のことや精製方法や品種などについてはやたら詳しいのに、肝心要の豆と焙煎を分かっていないからこうなるのです。
生産地を訪問して農園主と撮った写真を店内に飾ったり、なぜか英語で書かれた農園の説明書きを珈琲に添えて出したり、そういう余分なことをやめれば少しはマシな味になるかもしれません。
でも、やめられないでしょう。