下京区西七条界隈に2022年2月にオープンしたラーメン店『麦の夜明け』。もともと京都市内で間借り営業をされていたそうですが、人気に火が付き実店舗をオープン。そしてオープンしてまだ1年にも満たない新店ですが、すでにその美味しさと注目度の高さから、ミシュランガイド京都・大阪 2023ビブグルマン受賞。しかも、ラーメン部門では史上最年少20代初受賞のご店主とか。そんなこれからの京都ラーメン界の未来を背負うお店の一つとも言え、前から気になっていて今回初訪。

 

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そのメニューも他店とはちょっと一線を画す内容。帆立と山椒の中華そば、山椒麺と昆布水のつけ麺など、和風素材を使ったこだわりを感じます。店名の『麦の夜明け』も然り。

 

店内入ってすぐの場所に券売機があり、そこであらかじめ食券を購入。今回は一番気になっていた帆立と山椒の中華そば850円をチョイス。最初、トッピングの追加で味玉子の食券を購入していましたが、デフォの状態でも味玉子がトッピングされてるとのことで取り消しました。

そして、つい最近ビブグルマン受賞されたこともあり、店内にはそれを祝うお花も飾られていました。

 

 

店内は今年2月オープンという新店らしい真新しさを感じるほどで、大鍋やカウンターテーブルなど新品感が漂っていました。店内はカウンター席のみ。

まだ20代の若きご主人と同じ年代の奥さんですかね。二人で切り盛りされていました。なんとも誠実で真面目にラーメンづくりに励まれてる、そんな印象を受けました。

 

 

カウンターにはメニューそれぞれの説明書きがあり、私の注文した帆立と山椒の中華そばには、国産帆立をふんだんに使用した白醤油ベースのタレを使用し、滋賀県産・淡海地鶏使用の鶏豚魚介出汁を合わせたスープ。仕上げには山椒品種の中でも一際香り高いことで知られる朝倉山椒のオイルで風味を添加してるとか。

他、山椒を練り込み昆布水をかけた山椒麺もかなり気になりました。というか食べる前から察するに、京都人は比較的山椒好きが多いので、これは京都人好きするラーメンかもしれません(笑)

 

 

で、しばらくして登場の帆立と山椒の中華そばがこちら。トッピングにはチャーシュー、幅広メンマ、おネギ、そしてちょっと隠れていますが味玉子がゴロンと1個スープの中に沈んでいます。メニューの字面から淡麗系のラーメンかと最初勝手に想像していましたが、スープに帆立と鶏豚魚介を使用されているので、見た目からもわかる通り、わりとしっかりとした重層スープのような黄金ぶり。

 

まずはスープ。調味には白醤油ベースのタレを使用されているということで、色は比較的薄め。で、スープはかなり旨味とコクがあり、帆立特有の旨味はもちろんですが、鶏や豚、後味に魚介も感じ、さらに余韻として微かに痺れる山椒味が効いてます。山椒味も四川系の強烈な痺れとはちがう、奥ゆかしい和の山椒の痺れ。これはクセになります。

 

 

麺は色白のストレート、少し偏平の細麺。ご主人は製粉会社に勤務されていた経験があり、小麦粉の選定には精通されてる方。なので、ラーメン店で比較的使用されてる小麦粉産地ではあまり聞いたことがない、山口県産『せときらら』を主体とした国産小麦粉を使用。関西では希少で、麦の甘みとつるもち感がその特徴。歯切れの良さと滑らかな舌触りが心地よい麺。この繊細なスープにとても馴染んています。

 

薄くスライスされたチャーシューも程よい塩味でスープの味わいを損なわない、かといって物足りないわけでなはいボリューム感もある味わい。

 

メンマのサイズ感がうれしいですね。歯ざわりをより楽しめて。

 

味玉子も中半熟。

 

ご飯ものあってもよかったかな、と思えるスープを最後まで飲み干し、完食完汁ゴチ!
 
とかく、あっさりとした味わいのラーメンのような印象を受けますが、それぞれの材料の旨味の強さを引き出したスープで全体的に重厚感あり、さらに山椒の上品な痺れ。いろいろな味の重奏を楽しめる、そんなラーメン。ラーメンも極めだすと、こんな領域にまで行きついてしまうのか、という驚きも感じましたね。
 
 
名称:麦の夜明け
場所:京都市下京区西七条掛越町12−5
営業時間:11:30〜14:00、18:00〜20:30(Lo)
定休日:月曜日、日曜日の夜