実は、何年も前から貧血を指摘されていた

私は、毎年の健康診断で、毎回「貧血」という結果が出ていました。再検査が必要とのことで、家から近い病院の内科で、何度か再検査を受けていました。その病院には、血液内科はありませんでした。

 

最初はがんの可能性を疑い、CT、エコー、胃カメラ、大腸カメラなど、一通りの検査を受けましたが、結果はすべて正常でした。貧血の原因としてよく見られる鉄分不足も、検査では問題ありませんでした。
結局、原因は分からないままでした。それでも日常生活には支障がなかったので、特に気にすることはありませんでした。

 

当時の私は、血液のがんについての知識がまったくなく、骨髄検査という検査があることすら知りませんでした。

 

さらにさかのぼると、15歳のとき、友人と献血に行った際にも、貧血のために献血ができませんでした。
今になって振り返ると、この長年の貧血は、骨髄異形成症候群(MDS)と関係があったのかもしれないと考えています。

 

原因の分からない貧血が続いている方は、一度、血液内科で相談してみることをおすすめします。早く見つかれば、体への負担が少ない段階で対処できる可能性があります。

始まりは、スポーツ中の息苦しさ

2026年7月、友人とスポーツをしているときに、これまで味わったことのない息苦しさを感じました。心臓か肺のあたりから、締めつけられるような苦しさでした。

 

少し休むと回復したので、そのときはさほど気にしていませんでした。ただ、振り返ってみると、最近は少し息苦しさを感じることが何度もありました。

 

あまりにも経験したことのない苦しさだったので、翌日、自宅から近い病院に電話をしました。すると、すぐに系列の病院を紹介され、急いで受診することになりました。

血液検査で分かったこと

私は、心臓か肺に異常があるのだろうと思っていました。


ところが、採血の結果を受けて血液内科を受診することになり、赤血球・白血球・血小板の数値が、どれも通常の半分以下になっていると告げられました。

 

医師からは、骨髄異形成症候群(MDS)、再生不良性貧血、または白血病の疑いがあると説明され、3日後に骨髄検査を受けることになりました。

 

(息苦しさの原因は、赤血球が減って、体に酸素が十分に運ばれなくなっていたためでした。詳しくはMDSの記事で説明しています)

人生初めての輸血

骨髄検査の日、検査の後に、人生で初めての輸血(赤血球)を受けました。

数年前に妻と別れてから、私は3人の子どもたちと暮らしています。子どもたちは、まだ誰も自立していません。


末っ子は高校1年生です。お弁当はできるだけ手作りにしてあげたくて、毎週土曜日に、1週間分のおかずをまとめて作るようにしていました。
小さな会社を経営しながら、仕事と家事に追われる毎日。自分の体のことは、いつも後回しでした。

 

点滴の管を通って、赤い血液が少しずつ私の体に入っていきます。
ベッドの上で一人になったとき、ふいに涙があふれてきました。

 

がむしゃらに走ってきた自分の体を、ようやくいたわる気持ちになったのか。
それとも、子どもたちのことが心配でたまらなかったのか。

 

今思い返しても、何の涙だったのか、はっきりとは分かりません。
ただ、「自分は重い病気なんだ」という現実が、あの赤い血液と一緒に、静かに体の中に流れ込んできたような気がしました。

MDSの可能性が高いと告げられて

骨髄検査から1週間ほどたった7月末ごろ、検査の所見から「骨髄異形成症候群(MDS)の可能性が高い」と言われました。

その2週間後に正式な結果が出て、専門の病院を紹介されました。
 

ただ、専門の病院は外来が混んでいて、予約まで3週間ほどかかり、受診できたのは8月後半でした。

 

7月末にMDSと言われてから、8月後半に専門の病院を受診するまでの約1か月。私はただ待っていたわけではありませんでした。

友人のすすめで始めた自然療法

8月前半、がんと30年以上向き合ってきた友人に相談したところ、自然療法をすすめられ、すぐに始めました。

食事療法

いわゆる「4毒抜き」として、次の4つを断ちました。

  • 糖
  • 小麦粉
  • 油
  • 乳製品

そのほか、食事はすべて植物性にしました。

  • 野菜は無農薬のもの
  • 主食は無農薬の玄米
  • たんぱく質は大豆製品から
  • 調味料も含めて、無添加のものだけ

大好きだったお酒もやめました。最初はノンアルコールビールでごまかしていましたが、ノンアルコールビールにも添加物が含まれていると知り、数日でやめました。

 

食事療法を始めた当初は、ただ野菜をぐつぐつ煮て食べるだけでした。それでも続けるうちに、だんだん自己流の料理ができるようになっていきました。

 

食事療法は、がん対策だけでなく、ダイエット効果も抜群でした、なかなか落とせないお腹周りの脂肪がなくなりました。

 

※ただし、骨髄異形成症候群(MDS)の場合は、注意が必要な点があります。後になって分かったのですが、この病気と向き合うには、体力や筋力を保つことがとても大切です。
筋肉をつくるにも、血液をつくるにも、たんぱく質が欠かせません。厳しい食事制限を続けていると、食べる量そのものが減って、たんぱく質が足りなくなることがあります。大豆製品だけでなく、ときどき鶏肉などの動物性たんぱく質を取り入れたり、無添加のプロテインを豆乳に混ぜて飲んだりして、たんぱく質を補うことも、視野に入れておくとよいかもしれません。
一方で、私が取り組んでいた食事療法では、動物性の食品は控えるべきとされています。食事療法を続けることと、体力を保つこと。そのバランスをどう取るかは、ご自身の体調や状況を見ながら判断していただければと思います。
※治療中にプロテインなどを取り入れる場合は、主治医や栄養士さんに相談してからにしましょう。

 

※私のおすすめの自己流料理や、がん対策として取り入れた食材については、今後の記事で紹介していく予定です。

サプリメント

足りない栄養素は、友人から紹介された、安心できるサプリメントで補いました。
 

サプリメントは10種類以上。思っていた以上にたくさんの量を飲むようすすめられ、サプリメントだけでお腹がふくれるほどでした。

 

ただし、サプリメントを飲むには、相当な知識が必要です。私の場合は、長年がんと向き合ってきた友人の知識があったので、安心して飲むことができました。
 

これから取り入れようと考えている方は、一人で判断せず、詳しい人に相談したうえで飲むようにしてください。

高濃度ビタミンC点滴

8月中旬ごろからは、高濃度ビタミンC点滴もすすめられました。
内容は、ビタミンC 50gを週3回、8週間以上続けるというものです。これで末期がんの人のがんが消えた実績があると聞き、効果がありそうだと思って、私も実践しました。

 

当時の私は、がんについての知識がまったくありませんでした。病気が分かってすぐに取り組めることがあったのは、本当にありがたく、友人には心から感謝しています。

 

ただし、ここにも注意点があります。
骨髄異形成症候群(MDS)の方は、輸血を受けながら過ごしている方も多いと思います。輸血を続けていると、血液に含まれる鉄が体にたまりやすくなります(鉄過剰)。たまった鉄は、肝臓や心臓などの臓器に負担をかけることがあります。
 

ビタミンCには、鉄の吸収を高める働きがあり、鉄がたまっている状態では、その害を強めてしまう可能性も指摘されています。
 

体にたまった鉄の量は、血液検査の「フェリチン」という値で確認できます。輸血を受けながら高濃度ビタミンC点滴を受ける場合は、フェリチンの値にも注意しておくと安心です。

自分でも調べ始めて

自然療法を続けながら、私自身も少しずつ、がんへの対策を調べるようになりました。

 

調べてみると、食事療法・サプリメント・高濃度ビタミンC点滴の効果については、医療機関の情報では「効果なし」とするものが多く、一方でクリニックの情報では「効果あり」とするものが多く、賛否両論でした。

 

私自身は、実際に効果があったという話も聞いていたので、友人の言う内容の方が正しいと思っています。

 

調べていく中で、クリス・ワーク氏の著書『なぜ、あの人のがんは消えたのか?』にも出会いました。末期がんだった著者をはじめ、多くのがんサバイバーの体験をまとめた本です。
この本を紹介しているYouTubeの動画や、そこに出てくる先生方のコメントも興味深く、「人間の治癒力は、思っていた以上に強いのかもしれない」と感じました。
 

本の内容と、友人から教わった方法がほぼ同じだったことも、私の自信につながりました。

 

そして、がんを乗り越えた方々には、食事療法のほかに、ある重要な共通点がありました。

それは、がんの治療を乗り切るうえで欠かせないことだと、今、治療を受けている私自身も強く感じています。

それが何なのかは、次回以降の記事で詳しくお伝えします。

そして、その後

しかし、残念ながら、私は最終的に、化学療法と造血幹細胞移植を選ばざるを得なくなりました。
その理由は、今後の記事で紹介していく予定です。

 

※このブログは個人の体験の記録です。治療については必ず主治医にご相談ください。

 

はじめまして ― MDSと診断されて、このブログを始めた理由

【用語解説】骨髄異形成症候群(MDS)とは ― 患者の私が理解したこと

【用語解説】複雑核型とは ― 染色体の異常が3か所以上ある状態