ようこそ~
キャンディキャンディ二次小説
『11年目のSONNET』には多くのスピンオフがございます
読み終えた後にあれこれと思うわけですが、そのあれこれを語ってみようかなあと・・・
結構なGoing my wayだと思いますが、よろしければどうぞ~
ジュリエットとオフィーリア
テリィが一から出直し再起を決意するに至ったのは、悲しみに暮れる涙顔のキャンディを見たから。
あの涙顔の先にある笑顔の為に、テリィは重い扉を開けた。
その笑顔の為ならば、どんな仕打ちにも耐えられたのでしょう。
そうとは知らずにテリィの帰宅を喜ぶスザナ。
テリィの演技が乱れロミオが打ち切りになった時点で、既にテリィの苦しみに気付いていたはずなのに、
見て見ぬふりをしたのは許せません。
本当にテリィを愛していると言えるのでしょうか。
ええ、スザナの愛は利己的なのです。自分さえ良ければいーの。もうそれは分かっていること。
毒が止まらなくなるので、次。
『テリュースはスザナを愛していない。』
劇団員の誰もが知っていた事実。
カレンがテリュースに向けた言葉は、オールテリィファンの気持ちを代弁してくれました。
このやりとりは切ない・・・
涙なしでは読めません。
「分かるんだ・・・」
このセリフが…。
書きながらまた涙が落ちます。
あの時…テリィは別れを決めていたわけではない。キャンディが別れを決断しなければ、二人は別れなかったかもしれない?
もし、そうだったとしたら、どうなっていたでしょう。
看護師であるキャンディは、全力でスザナを支えたのではないでしょうか。
テリィファーストではなく、スザナファーストで。
戸惑うスザナを気にもせず、あの笑顔を向ける。
そんな姿が目に浮かぶのはわたしだけでしょうか。
これまで様々な苦難を乗り越えてきたキャンディは、スザナの心をも動かす何かを持っているのではないかと思うのです。
キャンディマジックにかかる・・・直ぐには無理でも、いづれ・・・。
そして、スザナは二人を祝福する!
(・・・たぶん)
あーでも、キャンディは男性は落とせても(無意識に)、女性は無理?
同性には評判が良くないですし・・・
皆さまはどう思われますか?
わたしは、キャンディが別れを決めないとは思えないのです。
テリィがアパートでスザナの事故を打ち明けていれば、二人はこれからのこと、お互いの気持ちの確認が出来た。
そうすることで、きっぱりと
「キャンディと別れることはできない」
と言えたと思います(自殺未遂があっても)
スザナをキャンディと同じラインに上げるのではなく、スザナに対してどうするべきかを冷静に考えることができたはず。
これはテリィの心情。
では、キャンディはどうでしょう。
″スザナがテリィを庇って大怪我をした″
この事実のみならば、別れを選ぶことはなかったと思います。
しかし、その後の自殺未遂
キャンディは・・・それでもやはり別れを選ぶ
そう思います。
『わたしがグズグズしていたらテリィを苦しめる、だから、身を引く』
これ、テリィを想っている風ですが、テリィの気持ちを置き去りにしていますよね!?
テリィが別れたくないと告げたとしても、キャンディは恐らくそれを聞き入れない。
なぜなら、常に命を見つめ、命のそばにいるひとだから。
自分が幸せになることを選べないひとだから。
つまり、キャンディはテリィを泣く泣く『捨てた』
これはスピンオフを読む前に触れた見解。こんな見方があるのかと驚きましたが・・・
テリィは、
『スザナを見捨てられないから』だけではなく、
キャンディの気持ちが『分かるから』、キャンディが『決めたことだから』
別れを受け入れた。
「スザナを大切にしてあげてね」
スザナにダイヤを贈り、
「これでいいんだよな?・・・キャンディ・・・」
スザナのためではなく
キャンディの願いのために。
全てはキャンディのために。
ラストのシーンは、二人の思い出のスコットランドで共に迎えた甘~い朝。
素の姿のテリィ。
切なすぎる別れ後、スザナを最後まで支えたテリィ。
彼女を途中で放り投げるようなら、もはやそんなテリィはテリィではないと思ってしまうのですが、
それもこの幸せな二人を見られたからでしょう。
テリィのキャンディへの深い愛を改めて感じた物語でした。
物語はこちらです
(許可を取って掲載しています)
(ありがとうございます)
と、ここで終わるつもりでしたが、もう少し
キャンディが身を引いたわけを頭では理解できるのです。でも心(ハート)ではできない。
なぜなら、別れの決断はスザナのためであって、テリィのためではないと思えたりもするから。
「スザナはこんなにもテリィを愛していた!死んでもかまわないほど・・・足を失ってもかまわないほど」
「三人で仲よくおつきあいなんていうことはできっこない」
「このままだといちばんテリィをくるしめるのは、あたしかもしれない・・・」
これはコミック7巻のキャンディの心の声です。
どうしてテリィを苦しめるのはあたしだと決めつけたのか
テリィを一番に思うのなら
「別れの決断はすべきじゃなかったよキャンディ」と言いたい。
ですがー、『キャンディキャンディ』が40年以上経った今でもこうして愛され語られているのは、あの別れがあったからなんだろうなあとも思う。
何とも複雑な心境です
お読みくださり、ありがとうございました🙇
*カバー画像お借りしました。