寝不足の偏頭痛に憂う夜には
月はまるまると太って欠けることを知らない
クレーターが薄ら寒く影を落とすあの天上の黄金が
冥府まで照らしきるほどに強い光でもって
落ちてくる
落ちてくるよ
この私の頭上に
私は偏頭痛よりも禍々しい痛みを携えて
何処へか逃げよう
身を切る冷たさにいとも容易く私は異形の者となって
目の前の黄泉路に己の片鱗を見る
ひたひたと迫る恐怖を体現したものは
おぞましく笑うばかり
それに気をよくした月は白々しさを増して
私は地上の影に縫いとめられる
狙いを定めてやはりあの月は
私の頭上に落ちてくる
どう足掻いたって落ちてくる
逃れられないルナティックに
私はとうとう気が触れる



