志望理由にも、「将来の職業・進路を選んだ理由」、「その学部・学科を選んだ理由」、「その大学を選んだ理由」などがある。
特に指定がない場合は、このすべてを盛り込むことが望ましい。
字数制限や記入欄の大きさを考慮し、それぞれ簡潔にまとめるため、以下のような流れで書くようにしよう。
A.なりたい職業、働きたい業界が決まっている場合
①その職業・業界に興味を持った理由
②本格的に目指すことにした理由
③専攻分野を選んだ理由
憧れの職業があり、その夢を叶えるために必要な学歴・資格を得るために大学に行くという場合は、上記の①→②→③の流れで志望理由を説明しよう。
医師や弁護士など、職業・業界によっては、必要な専門知識や資格を取るために自動的に学部・学科が絞られるので、③は要らなくなる。
例1)医歯薬看護系 ※③は不要となることも多い。
①その職業・業界に興味を持った理由
・自分や家族の闘病経験
・自分や家族がお世話になった医療従事者に対する感謝や尊敬
・身内の医療従事者を身近に見てきた経験
・感銘を受けた本やテレビ番組
②本格的に目指すことにした理由
・自分が果たしたいと思った役割
・自分が取り組みたいと思っている問題
③専攻分野を選んだ理由(複数の学科・コースに分かれている場合)
・目指す専門職として働くために、何が必要だと考えているか
・大学で何を学びたいか、何を身につけたいか
・その学科・コースで学べるもののうち、特に興味のあること
例2)教育系
①その職業・業界に興味を持った理由
・自分がお世話になった教育関係者に対する感謝や尊敬
・自分が学校生活で得たものや考えさせられたこと
・身内の教育関係者を身近に見てきた経験
・感銘を受けた本やテレビ番組
②本格的に目指すことにした理由
・自分が果たしたいと思った役割(どんな子供たちに何をどう学ばせたいかなど)
・自分が取り組みたいと思っている問題(教育現場が抱えている問題に言及する)
③専攻分野を選んだ理由(複数の学科・コースに分かれている場合)
・自分の得意科目・特に興味のある単元
・何をどう教えられるようになることを目指すか
B.なりたい職業は絞れていないが、学びたいことはあるという場合
①その学問分野に興味を持った理由
②本格的に学びたいと考えた理由
③大学卒業後の進路
卒業後の進路がさまざまという学部の場合、将来の職業まで決まっていなくてもかまわない。
その場合は、自分の興味のある学問分野から考えてみよう。
ただし、大学卒業後の進路については、「何も考えていない」とするのではなく、候補になるかもしれない職業をいくつか見つけておき、「今は○○や△△に興味があるが、大学で□□を学びながら、それを活かせる道を考えたい」という方向で答えられるように準備しておこう。
例1)海外の文化に興味がある
①その学問分野に興味を持った理由
・異文化体験(外国生活・海外旅行・国内での外国人との交流)
・興味深かった本やテレビ番組
②本格的に学びたいと考えた理由
・思い入れのある国や地域、もっと詳しく知りたくなった国や地域
・衣食住、礼儀作法、伝統行事など、文化の中でも特に興味深いもの
③大学卒業後の進路
・特に興味深い文化に関して、学んだ知識が活かせる職業の例(複数)
・その国や地域と日本の架け橋として役に立てると思う職業の例(複数)
・大学でどういうことを学んでから進路を考えたいか
例2)心理学に興味がある
①その学問分野に興味を持った理由
・学校の授業などで聞いた話
・感銘を受けた本やテレビ番組
②本格的に学びたいと考えた理由
・特に興味深く感じた研究、もっと詳しく知りたくなったテーマ
・社会において心理学の研究成果が役立っている場面
・これからの社会において心理学が果たすべき役割
③大学卒業後の進路
・社会において心理学の知識を活かせる職業の例(複数)
・興味のある研究テーマに関して、学んだ知識が活かせる場面の例(複数)
・大学でどういうことを学んでから進路を考えたいか
C.受験校の志望理由
同じようなことを学べる大学がほかにもある中で、なぜこの大学を選んだのかを説明できるようにしておこう。
学校案内にきちんと目を通し、その大学が何に力を入れているのか、自分がどういうところに魅力を感じるのかを、受験する学校ごとに整理しておくこと。
以下の「意欲を感じさせるもの」を中心にして、「意欲が感じられないもの」に触れないようにしよう。
○意欲を感じさせるもの
・具体的なカリキュラムの特徴と、自分の学びたいこととの一致
例)地域医療、全人医療、学際協力、海外研修などに力を入れている医学部
※学校案内にある講座や時間割をチェックし、その大学が力を入れているものと、自分自身がどのような医師になりたいかという将来の抱負や、大学でどのようなことを身につけたいかという大学生活の抱負と、きちんと整合性を持たせることが大切。
・他大学と比較しての特徴
例)他大学には見られない個性的な学科・コースの具体的な魅力
例)単科大学に対し、他学部との交流が持てる総合大学の魅力
・在校生や卒業生から直接聞いた話
例)高校の先輩や、オープンキャンパスで会った学生など、知り合いの在校生や卒業生から聞いた学生生活の様子や、その学生から受けた印象
●意欲が感じられないもの
・校風や伝統に対する共感
学校案内で謳われている校風や伝統は、学内の実際の雰囲気とは別物なので、校風や伝統への賛同を語っても嘘くさくなるだけ。
取り上げるなら、その校風や伝統がよく表れていると思う実際のカリキュラムや活動を挙げて説明できるようにしておく。
・オープンキャンパスや学園祭の雰囲気
ふだんとは違うにぎやかな日の感想を語ってもあまり意味がない。
志望大学の平日の様子を見学したときの感想ならOK。
・偏差値・難度
自身の学力レベルに合っていたからといって、それを受験理由にしてはいけない。
高校の教師に薦められたという場合でも、偏差値や出題傾向などの話は伏せておく。
その大学に進んだ先輩たちのことも自分のこともよく知っている、信頼する恩師が、自分とその大学との相性に太鼓判を押してくれた、といった話にすればOK。
・通いやすさ
学費が安い、家から近い、といった魅力はわざわざ言う必要がない。
家族の介護のために自宅からの近さが重要だった、というような特別な事情がある場合は言及しても構わないが、それが一番の理由というのではダメ。
・両親のすすめ
両親が我が子を通わせたいと思うことも確かに大事だが、「両親が言うから受験した」という印象を与えるとマイナス。
両親がなぜその大学がよいと思うのかをきちんと聞いて、両親も認めるその大学の魅力を知るのが先だ。
それが、上記の「意欲を感じさせるもの」のタイプなら具体的に語ればよいが、両親以上に自分自身がその魅力にひかれたと話すほうが好印象。