民間食養法の概略 | 幕内秀夫の食生活日記

幕内秀夫の食生活日記

「食」にかかわる諸々を綴っていきます

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「高たんぱく・高脂質・高カロリー」は体に負担がかかる!86才の料理研究家が教える病気知らずの食事術

介護ポストセブン によるストーリー • 3 日

ありとあらゆる食事術や健康食材が次から次へとブームになる中、果たして私たちは本当に健康を手に入れているのだろうか。そこで、86才の料理研究家・若杉友子さんが日本で大切にされてきた食事術「食養」に基づいたレシピを教えてくれました。日本人が陥りがちな「高たんぱく・高脂質・高カロリー」の食事で負荷がかかっていた体を解毒してスッキリとさせてくれるはず。人生を変える食養メソッドを知って、元気に過ごしませんか。

※材料は特記以外、すべて2人分です。

教えてくれた人

料理研究家 若杉友子さん(86)

料理研究家・若杉友子さん

料理研究家・若杉友子さん© 介護ポストセブン 提供

1937年大分県生まれ。陰陽の考え方に基づいた野草料理と、日本の気候風土に根ざした知恵を伝え続ける。著書に『若杉ばあちゃんの伝えたい食養料理』など多数。

肉や魚、卵の「毒消し」で体を軽くし、病気知らずに

「日本人は長寿と言われるけれど、死ぬまでずっと元気でいる人はどれくらいいるかしら。いまは季節も郷土も国境も関係ない、“ごちゃまぜの食事”が食卓に並んで、これが体を悪くしていると思うよ」(若杉さん・以下同)

 現代を生きる私たちの食生活にこう警鐘を鳴らすのは、86才で現役の料理研究家・若杉友子さん。数々の食事術も一刀両断だ。

「糖質制限でご飯を食べないとか、長生きにはたんぱく質が多く必要だとか、減塩しないと病気になるとか、全部間違ってるの。いまの日本人はおかずを食べすぎてたんぱく質をとりすぎているし、塩が足りないから体は冷えてしまうの。食材の陽と陰をしっかり知って、とりすぎているたんぱく質の“毒”を体から出して、デトックスすること。そしてご飯、特に玄米と旬の野菜から栄養をとって、調理の際に菜箸やヘラ、手で混ぜるときは右回転(右回り)にすることで陽の元気のエネルギーがどんどん入る。毎日の食事を変えれば、体が見違えるように変わってお医者さんいらずの元気な体になるんだよ」

▼一度、若杉さんと講演でご一緒したことがあります。少し驚きながら聞いたことを思い出します。いわゆるマクロバイオテイックの考え方です。欧米崇拝、要素還元主義の栄養教育に対して、まともな感覚を持っている人は疑問を持っていると思います。

 それに対して、違和感をと唱える考え方がたくさん登場しています。民間食養法と言えばいうべきでしょうか?

 それらは大きく2つに分けることができると思っています。1つは、主に個人の体験を元にして誕生した食事の考え方です。有名なのは、このマクロバイオテイック、あるいは西式(甲田式)など、山ほどあります。糖質制限食などもこれに入ると思っています。もう1つが、伝統食派というべきでしょうか?個人ではなく、先人たちが営々と気づいてきた食事を基本とする考え方です。一方が、「何を食べるか?」を提唱しているのに対して、「何が取れるか?」、風土条件、自然条件を基本にしている点が大きく違います。私などもそうです。その他、(敬略称)島田彰夫、古守豊甫、真弓定夫、佐藤初女、鈴木威夫、佐藤章夫なども大きな意味で同じだと思っています。個人の体験を元にした食事の考え方は、ある一定の人に対して、ある一定期間なら極めて有効なことがあります。ただし、それを一般化してしまい問題を起こしてきた歴史があります。糖質制限食などその典型です。「ある一定の人」がもっとも多いのが、マクロバイオテイックと言えると思います。それは伝統食に近いからです。だがゆえに、長い間、実践してきた人たちがいます。

 ただし、「陰陽」、「菜食」と言う考え方は、もっとも伝統食とはかけ離れていることは強調しておきたいと思います。

 さて、感覚の鋭い皆さんは、どんな考え方の食事を選ぶでしょうか?参考にしていただければ幸いです。