死刑にいたる病(ネタバレ)~阿部サダヲ、ウワァ~ | 映画でもどうどす?

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映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

  ■あらすじ

 

自分になら、なんとかできるはず。

思い込み無惨。

 

 

●榛村大和…連続殺人鬼

●筧井雅也…挫折を感じてる元秀才

●筧井衿子…雅也の母

●加納灯里…雅也と同じ大学に通う

●根津かおる…榛村の最後の犠牲者

 

 

優しいパン屋さんの榛村は、24人を弄び拷問しKILLした稀代の殺人鬼でした。

 

 

昔は頭良かったのに、志望大学に落ち、今じゃすっかりやさぐれている雅也。

親戚にはまだ「かしこ」と思われてるようだけど、

行きたくもなかったレベルの低いFラン大学に通う雅也の心は鬱屈であふれかえっておりました。

 

 

そんな雅也に榛村から手紙が届きます。

 

 

「自分が殺人を犯したのは間違いない。

でも最後の一件は、自分がやったんじゃない。

死刑は免れないが、どうかこの冤罪を晴らしてはもらえないか。

雅也君になら出来ると思って手紙をしたためた」

 

 

雅也は子供のころ榛村のベーカリーに通い親しくしてもらっていたのです。

 

 

榛村に面会し、彼の冤罪を晴らすため個人で捜査を始めた雅也。

榛村の好みは、中高生で真面目な頭のよさそうな子。

最後の被害者・根津かおるは大人の女性。

タイプちゃうやん!

 

 

また、母・衿子と榛村の間に強い関連性があったことから、

「榛村さんが本当のパパ上なのでは?」

という疑惑も沸き上がり、榛村に問いますが、明確な答えはもらえません。

でも…榛村がパパ上に違いねぇ!

 

 

こうして捜査に夢中になっていく雅也からは、

「僕なんかダメ人間っすよ」

と言う感覚が抜けていき、狂暴な下地が見え始めてきました。

 


高校の同級生で同じ大学に行った加納灯里とも関係を深めていきます。

 

 

雅也は、かおる殺しの犯人は金山と言う青年ではないかと疑います。

金山は子供のころ、榛村と仲良くしていたし。

彼もまた、様々なことが原因で、決して幸せな人生を送ってはいないし。

 

 

雅也はママ上に「榛村さんが本当のパパ上なのでは?」と訊きますが、

「あほか、んなわけないわ、あなたの父親は今の父上」と断言。

ママ上がパパ上と結婚する前に妊娠してしまった子供は既にこの世には既に存在せず。

もちろんその子は雅也ではなく。

その「存在しない」ことに榛村が関与していたこともわかります。

 

 

かおるをKILLしたのも榛村でした。

幼い頃、金山に恐怖を植え付けた榛村は、金山がかおるを選ばざるを得ないような状況を設定し、かおるを拉致殺害。

金山はそのことで重い罪悪感を背負ってしまい、精神に変調をきたしたのです。

 

 

かおるも金山も、そして雅也も、もれなく榛村のターゲットでした。

眼をつけていた子供たちは、大人になってもまだターゲットのまま。

 

 

心を操り。

人の懐にするりと入り込み。

距離感を縮め。

最初は厳しかった刑務官がどんどん親しくなっていくことからも、榛村の人心掌握術の恐ろしさが伝わってきます。

 

 

榛村は、ターゲットにしていた雅也だけでなく、ほかにも手紙を送っていたようです。

鬱屈した思いを抱いていた雅也が上手く乗っかってきただけ。

もちろん、親しかった衿子の息子と言うアドバンテージもありましたが。

金山も、かおるも、み~~んな榛村の掌で転がってる駒の一つ。

 

 

雅也は、ようやく自分の立ち位置を理解します。

自分は特別ではない、普通の人間だと。

 

 

榛村の呪縛から逃れた雅也は、灯里と付き合っていこうと決心。

 

 

しかし、灯里のバッグの中から榛村から届いた手紙の束が…。

灯里もまた、榛村に呪いをかけられた子羊だったのです。

 

 

灯里が雅也に抱いていた気持ちは本当のものなのか。

洗脳の果ての感情なのか。

そしてなにより、

灯里がこれから雅也をどうするのか。

 

 

雅也は、ただ愕然と手紙の束を見つめることしかできませんでした。

 

 

■おしまい 

 

 

 

  ■感想

 

 

出典:(C)2022映画「死刑にいたる病」製作委員会

 

 

原作既読。

最初は『チェイン・ドッグ』と言う表題でしたが、タイトル変わったんだ。

原作も櫛木理宇(推し作家さん)さんなので、なかなかエグいっす。

 

 

原作では、超イケメソ設定の榛村が、阿部サダヲ。

えええ?と思いましたが、

阿部サダヲ怖いって!

阿部サダヲだからこそ、伝わってくるこわさ、不気味さ、人なんか誰も信用できるけぇ!感。

 

 

いいひとに見えて、時折、眼が怖くなる。

死んだ魚の眼になる。

 

 

冒頭の拷問シーンがダメって人もいるかも。

大丈夫、爪を剥ぐだけです!

 

 

ほかにも、そこそこウワァなシーンがあるので、気の弱い方は注意。

大したことないですけどね。

ほんと、大したことない。

PG12程度なので、大したことない。

 

 

それより、榛村のサイコパス心理が怖いです。

ちゃうな、榛村は「こいつサイコパスやしな」と心の中で補正かけてるので、多少不気味な顔をしても笑顔の裏の悪意満々が垣間見えても、想定の範囲内なのですが。

 

 

灯里よぅ~~~!

 

 

鳥肌が立ちましたよ。

ラストシーン。

 

 

榛村は死刑になるけど、もしかして灯里にも、榛村が何らかのアクションを起こした犠牲者たち(子供たち)にも「死刑に至る病」が伝達していくのかと思うと、

これはもホラーっすよね。

タイトルの妙よ。

 

 

あの榛村が、最後の一人だと思えない。

「榛村の子供たち」が、これからどんどんサイコに人をKILLしていくなんて、サイコーかよ。

 

 

世の中には「至るシリーズ」と読書好きが呼ぶ傑作がございまして。

『死に至る病』(これが本家)

『殺戮にいたる病』(エグすぎるしどんでん返しスゴスギ)

『恋に至る病』(斜線堂さん!)

そしてこの『死刑にいたる病』

 

 

至って病って、もうどう考えてもハッピーエンドになるわけないやん。

 

 

『死刑~』原作とは、ちょっと変更があるので、

その違いも楽しんでいただけたら。

 

 

この映画のテーマは。

花弁やと思ったら、

爪かい!

上矢印

これ!

 

 

『死刑にいたる病』『鵜頭川村事件』『ホーンテッド・キャンパス』と、映像化されてる櫛木さん。
『死刑』と『鵜頭川」は原作改変されてるので(『ホーンテッド』は知らん)
原作通りに映像化してほしい『依存症』シリーズ。
…出来るか!
映像化なんてできるか!!
いっちゃん原作通りにしたらあかん奴やんけ!
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