Pearl パール(ネタバレ)~夢と希望と自信と挫折~ | 映画でもどうどす?

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映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

  ■あらすじ

 

 

●パール…大スタァにウチはなる!

●ママ上…厳格でパールに厳しい

●パパ上…体が不自由で介護が必要

●映写技師…自由に生きるやで?

●ハワード…パールの夫、今は戦地に

●ミッツィー…ハワードの妹、ブロンド美人

 

テキサスのクソ田舎。

パールは今日も母親にこき使われている。

 

 

パールは「いつかここを出て、スタァになってやるお願いキラキラ」と言う野望を抱いていた。

そんな夢をママ上は鼻で笑い軽蔑し、

「そんなことよりオトンの世話せぇやプンプン

身体が不自由なオトンの世話もアタイの仕事なんかぇ!

 

 

結婚したばかりのハワードは、戦地に赴いてしまい、

パールは鬱屈した気持ちを持て余している。

だって、ええとこのボンボンと結婚して「ここから出て行ける」って思てたのに、ハワードは農業やりたいって言うしおまけにさっさと戦地に行くし。

 

 

いろんなもやもやを抱えたパールは、イラつく気持ちを抑えるために鳥をKILLしたり、

家畜を観客に見立ててダンスしたり、

町に買い物に出たときに映画を観たりして鬱憤を晴らしていた。

 

 

そんなパールの前に現れたのが映写技師の男性。

ちょっとパールにコナかけて来よる。

この男にポルノ映画を観せられたパールは「こんなものが世の中にあるなんてびっくりびっくりマーク」とビックリ!

映写技師は、パールにこういう映画にデタラドデスカ?ってそそのかしてはるんやろか。

このポルノ映画も『X』に繋がってるわけだ。

 

 

一方でパールは義理の妹ミッツィーから今度ダンサーのオーディションがあると聞き及ぶ。

「町を出るチャンス、千載一遇!」

 

 

ママ上に言うと「お前が落ちてがっかりする姿が目に浮かぶわ、あんたの本性は隠せないんだからね」的なことを言われ、ムキームキームカムカ

 

 

これが原因でママ上とパールは大げんか。

ママ上は暖炉の火が服に燃え移り「きゃー」ってなってはるやん。

パールはとっさに、ぐつぐつに煮えたスープをかけてしまった。

消火しようと思うてんけど、アツアツやってん。

過失よ過失。

 

 

ママ上はひどいやけどで虫の息。

そんなママ上をパールは地下室に放り込みはった。

 

 

映写技師の男が家にやってきたが、様子がおかしいことに感づいてしまう。

逃げ腰になる男をパールはKILL。

車ごと湖に落としワニの餌にしちゃったわ。

 

 

パパのこともKILL。

だってあたしはスターになるんだもん。

家も家族も、邪魔でしょ?
 
 
そうして受けたオーディションなのに、
興行主が欲しがってたのは
ダンスが上手い子ではなく
「いかにもアメリカ的な金髪の美人ちゃん」
やった。
 
 
ショックを受けるパールガーンガーン
 
 
パールの愚痴を聞いていたミッツィーは、
パールの嘆きを聞いてるうちに
「なんかこの子おかしいんちゃう?怖いんちゃう?
誰かKILLしてるんちゃう?」
と気づいてしまう。
 
 
同じくパールもまた気づいてしまうのだ。
「あんた…合格したわね凝視魂
ミッツィーは身の危険を感じ逃げ出すが、パールに無惨にもKILLされてしまう。
 
 
ミッツィーの遺体をチョンパチョンパと切断しワニに与えるパール。
 
 
パールは死んでしまったママ上とKILLしたパパ上。
そして腐った豚のローストをテーブルに並べ、
晩餐を始めようとする。
 
 
そこへハワードが「ただいま~~」と陽気に帰って来はった。
 
 
死体と死体と腐った豚。
愕然とするハワード。
そんなハワードにひたすら笑顔を見せるパール。
笑顔は引きつって、哀しみなのか喜びなのか諦めなのか。
様々な感情の入り混じった硬直した笑顔で、
パールは愛しい夫を迎えるのだった。
 
 

■おしまい 

  ■感想

 

 

出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CH89KMW2

 

 
『X』の前日譚。
前日譚なので、
ワニ、お前そんな時分からいるんか~って感慨もひとしお。
 
『X』ほどグログロはしていないけれど、それなりにグロはあるので注意です。
 
 
パールは、
「ここではないどこか」
に行って
「今の自分とは違う輝いてる自分」
になりたい女の子(人妻)。
 
 
時代は戦中で、ドイツ系のパールのママ上は周囲から冷たい視線を浴びてるから頑なになってはる。
ハワードの実家(金持ち)からの差し入れも「施し」だと思うほどには、神経捻じれてはる。
しかもスペイン風邪流行中。
身体が不自由なパパ上に感染させたらあかんからママ上はピリピリ。
 
 
男手が無いからパールにバリバリ肉体労働してもらわな!
 
 
だからパールを閉じ込めてるんや
…と思って観てたら。
 
 
パール…この子、闇を抱えてるで。
パールに関わった他人が言うように「コワイ」ところがある。
 
 
パールは、『X』の時に若い子たちを見てムッシュムラムラァしておかしくなったんじゃなく。
もとからおかしかったんか。
ママ上がパールを外に出さなかったのも、それを知ってたからなんか?
 
 
後半の怒涛の殺人は、さすがに『X」の前振りでございます。
 
 
ワニが処理してくれるから安心してKILLできるよね!

 

 

 

闇を抱えて、夢と希望を持って、誰かに愛されたくて、でも挫折を味わって。
 
 
普通の女子なら皆が通る道。
悲嘆にくれ明日の光を見失っても、

それでも何とか乗り越えていく道。

 
 
だけどパールは、
「それもまたしゃーなし」と思いきることも出来ず、
何故自分が怖がられるのかもいまいちよくわからず、
気持ちが高ぶると止められないKILL衝動を心の内側に孕んでいて。
 
 
正常と異常のキワキワを危なっかし気に歩いてたら異常側に堕ちちゃいましたー。
そんな感じがする。
境界線のこっちとあっち。
己の意志以外にも境界線を越えてしまう外的因子はあるよな。
毒親とか家庭環境とかいろいろ様々。
 
怖いのは。
KILLしたママ上とパパ上と腐った豚の晩餐シーンに帰宅したハワードに向ける笑顔。
ひきつった笑顔。
あの時のパールの心情は如何ばかりか。

 
そして、ハワードは、そんなパールを受け入れたってことやん?
ハワード、アンタもおかしいんか?
 
 
テキサスの農場にハワードとともに引きこもっていたパール。
宗教施設に閉じ込められていたけど男の手引きで逃げ出したマキシーン。
そして、第三部(完結?)でマキシーンがどうなるのか。
 
 
 
ものすごい気になります。
 
 
この映画のテーマは。
それにつけても、
テキサスこぇぇなー!
(間違った概念)
上矢印
これ!
 
 
そんなことよりハワードよ。
ハワードはどういうつもりでパールを受け入れたのかが知りたい。
ハワードも「そっちのライン」をまたいでる人やったんやろか。
やろなー。
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