■あらすじ
●ルミ子…娘であり母である存在
●清佳…ルミ子の娘
●ルミ子の母…ルミ子と清佳を愛しぬいた人
●田所…ルミ子の夫
●田所の母…ルミ子たちを厭うている
ルミ子視点
お嬢様のルミ子は母から愛されて育った。
そしてルミ子も母を愛している。
母の喜ぶことをしたい。
母に喜んでもらいたい。
母の言うとおりに生きたい。
今の夫と結婚を決めたのも母がそれを望んでいたようだったから。
母の教え通り、料理を作り家を整えルミ子は母のような善き主婦であろうとする。
ルミ子が妊娠した。
戸惑うルミ子を母は祝福してくれる。
母は娘の清佳が生まれてからもちょくちょく訪れてくれた。
ルミ子は清佳もまた「母に好かれるようないい子」に育てたいと思う。
清佳が褒められる=自分が褒められることだもの。
だが、ある日、家が火事になり全焼。
清佳と就寝していた母は清佳を庇い、箪笥の下敷きになり焼死してしまう。
娘より母を助けようとするルミ子の手を振り払い、母は清佳を救うように命じて亡くなったのだ。
夫・田所の実家に居候するようになったルミ子たち。
田所の母=姑はルミ子を毛嫌いし、自分の実の娘ばかり可愛がる。
ありがち。
清佳視点
母に愛されたい。
それが清佳の願い。
だから祖母(姑)に対して文句も言う。
余計なことすんなと母に叱られるが、正義感の強い清佳には、どうしても母に対する待遇が許せないのだ。
母はずっとおばあさまにべったりの人だった。
おばあさまの気に入るような言葉やしぐさを清佳にも求め、意に沿わないと不機嫌になる。
ある日父が母の友人と不倫をしていたことを知ってしまった清佳。
同時に、過去の火事で、自分を助けるためにおばあさまが自殺をしていた真実を教えられてしまう。
錯乱する清佳。
家に帰り母に真実を問い詰めるが、母は清佳の首を絞めるのだ。
母の記憶の中では抱きしめたことになってるのが…。
清佳はその後自殺を図るが、祖母に発見され一命をとりとめる。
年月が流れてから
清佳は教師になっている。
高校時代の同級生と結婚して、妊娠中。
母は清佳を励まし応援してくれている。
そしてあれほど嫁を忌み嫌っていた姑は、
今はボケボケ寝たきりで、すっかりルミ子の世話になっていた。
「いつもすまないねぇ~」
あ、旦那は当然なんもしてませんよ?
逃げてばっか
母から娘へ。
無償の愛は続いていくのだ。
ハイハイ、無償の愛ね。
はははは。
■おしまい
■感想
(C)2022映画「母性」製作委員会
あれれ?
原作とちょっと変わってへん?
いや、読んだのかなり昔だから、おぼろげな記憶しかないねんけど。
もっとミステリだったような気が。
ルミ子の母親に対する愛情が異常すぎてコワイ
そしてルミ子が認識してる「現実」と、清佳が認識してる「現実」に差がありすぎて、認知不全&歪みのねじれ時空発生じゃぜ
ルミ子の現実では手の込んだ料理ばかりなのに、
清佳の現実では二色丼(三色丼やったっけか?)ばかり←ウッ…胸に突き刺さるのぅ。
フルオート自分認識補正と言いましょうか。
母と娘って難儀やなァって思ったり思わなかったり。
愛を注ぎ続けてもルミ子みたいな娘が出来上がるし。
ほな捨て置けばいいのか言うても、あのママ上はそんなことできるお方やないやろうし。
愛を注ぎ続けても、姑さんの実の娘(ルミ子にとっては義妹)は、家出して男と駆け落ちするし。
どっちになるかは愛情やらなんやらより、資質ちゃうん?
で!
この映画の肝は、
高畑淳子さんですよ!
狂気の姑!
大地真央さん演じるルミ子の母とは正反対。
火事で家を焼失した息子夫婦を住まわせたってる!意識が強くて。
嫁を家政婦みたいに思ってて。
ヒステリックで自己中でおこりんぼさん。
うわぁ、こいつ、嫌な奴と思わせてからの。
清佳が自殺しかけたときに真っ先に助けに駆け寄ったのは姑さんなんだよね。
ルミ子はなんも出来んかった。
(何も出来んかった?見過ごしてあわよくばと思ってた?)
見返りを求めない愛を惜しみなく注いでいたルミ子母。
そういう風にしてたから、ルミ子は火事の時、まず母親を助けようとするんちゃうん。
意識がもうろうとしてる我が子より母。
「子供なんてまた産める」的な発言、マジカって思っちゃった。
観ていてずっとゾワゾワしっぱなし。
母性って、恐ろしい愛なのに、何奇麗にまとめようとしてはるんやろう?と。
監督さんの名前を見て、
アッ、オ…オウ…ってなっちゃった。
この映画のテーマは。
女性には二種類いるんですよ。
「母」になる女と、「娘」になる女。
う~~ん、
マダムはオカンかな。
あ、母娘以前に
金の亡者(ぼうもん)。
これ!
演技のうまい人達がそろい踏みで、
戸田恵梨香さんの母の前で見せる顔と娘の前で見せる顔の違いにぞくっとしますで。
理想の母のような大地真央さんも、
わしゃー、鬱陶しいとしか思わんかったなー。
ほぼ毎日娘の家に入り浸り、て!
うざくないですか?
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