■あらすじ
●更紗…子供のころ誘拐されたことになってる
●文…更紗を誘拐した犯人ってことになってる
●亮…更紗のDV彼氏
更紗は小学校のころ誘拐された。
…と世間は思ってるけど、本当は親に捨てられ引き取られた家で性的虐待に会い、家に帰りたくない更紗を文が受け入れてくれただけ。
当然、文と更紗には性的な関係はない。
更紗と文は被害者と加害者という形で引き離される。
それぞれの道を歩んでいた更紗と文は、ある日運命的な再会を果たした。
だが文にはどうやら親しい女性がいるみたい。
更紗は彼氏の亮と暮らしているが結婚とかあんま考えてない。
なのに亮はどんどん進めていく。
反論すればDV
ある日手ひどいDVを受けた更紗は血まみれになりながら亮のもとから逃げ出す。
行先は文のところ。
文の隣の部屋を借りて一人暮らしを始める更紗。
更紗と文の優しい日々が再び始まった。
更紗の同僚の娘ちゃんを預かることになり、3人は適度な距離感を持ちつつ居心地のいい場所を作っていこうとしている。
だが、ある日。
更紗と文のことが世間にばれ、剰え預かっている娘ちゃんと文が親しげにしているところまで世間に公表されてしまった。
文は誹謗中傷を受け世間の好奇と嫌悪の眼に晒される。
更紗もまた同じく。
文は再び警察のご厄介に
何も悪いことしてへんのに。
世間の目が怖いよね~。
あの時。
文が逮捕された時。
自分がはっきりと「従弟から性的虐待を受けていました」と言わなかったから文は人生をめちゃくちゃにされた。
私が悪い。
私が文の人生を壊した。
そうじゃないよ更紗。
誰も悪くない。
(マダム、心の声)
文は誰にも知られたくなかった秘密を更紗に打ち明ける。
ロリコン呼ばわりされても、変態呼ばわりされても、隠しておきたかった秘密を。
それはあまりにも辛く、悲しい。
安住の地はないかもしれないけど。
それなら流れていけばいい…。
心に溶けない塊を抱えたまま、
更紗と文は二人で生きて行く。
■おしまい
■感想
(C)2022「流浪の月」製作委員会
原作既読。
と言うか。
これは原作を読まないと、文と更紗の心の機微が分かりにくい。
映画だけだと文ってやっぱただのロリコンじゃん…と思う人が出てくるんちゃうやろか。
特に最後のケチャップのシーンは、
そう思わせるような撮り方だし。
文は病気で大人になれないの。
誰とも性的な関係を結「べ」ない。
原作はかなりぼかしてる。
映画はラストで文が更紗に自分の身体を見せるんやけど、
「もうええから、そんなん見せんでええから(気の毒すぎて)」という気持ちになってしまった。
文と小学生の更紗が引き離されるシーンでは落涙。
文と大人になった更紗の何気ない日々にはほっこり。
映像はとてもきれい。
そこそこエロッティな描写があるのでお子様と観るときは注意してくださいね。
観ないか。
つか地上波で放送できるんか?
カットするんやろうなぁ。
誰かを傷つけたくて生きている訳ではないのに。
生きていることが、存在が、誰かを傷つけてしまう。
そんな文の辛さを松坂桃李君がすごく上手く表現。
文のお母さん、内田也哉子さんなんですが、お母様にそっくりでびっくりした。
更紗は自分が文に縋っていると思ってるけど、
文もまた更紗に縋ってはるんやなーが、原作ではとてもよくわかる。
「更紗」という名前がキーになってるねん。
![飛び出すハート](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/610.png)
この映画のテーマは。
原作読んでください。
ミステリ&ホラー至上主義のマダムがおススメするんやから、マジでいい作品やねんて!
これ!
愛を力でしか表現できない亮と。
文を俎上に載せて嘲る人々に怒りを覚える。
文に文句言っていいのは、文の仮初の彼女だったあゆみさんだけ。
更紗の勤務先の店長さん、いい人で泣ける。
後、キッチンのシンクで土付き野菜洗ってたのは、
「あんた、排水管詰まるで?」
とちょっと思った。
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