三姉妹(ネタバレ)~三姉妹の過去と今~ | 映画でもどうどす?

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映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

  ■あらすじ

 

 

●ミヨン…一見、完璧で恵まれた生活

●ヒスク…ミヨンの姉、長女、花屋

●ミオク…ミヨンの妹、次女、アル中

うちら陽気なかしまし娘~♪

 

教会の合唱団で指揮をしているミヨン。

夫は大学教授。

美しい妻と優しい夫、可愛い子供たち。

裕福で何不自由ない暮らしをしており、世間の人が羨むような生活。

 

 

長女のヒスクは小さな花屋を営んでいる。

生活は苦しく、金銭的に苦労しまくり。

何故なら別れた夫の借金を返しているから。

娘は反抗期で、顔を合わすたびに憎たらしいことを言うて来やがる。

 

 

三女のミオクは食品卸業オーナーの後妻に入り込むが、思春期の義理の息子との間は良好ではない。

おまけに作家活動がスランプで、

アルコールに逃げるだけのミオクは、

いつ何時でもミヨンに電話をしてかまってもらいたい。

 

 

表向きは優雅に見えるミヨンだが、実は心の中に鬱屈を抱えており、子供につらく当たっていた。

そんな中、夫が浮気していたことが発覚。

浮気相手の女の子にこっそり暴行を働くミヨン滝汗タラー

 

 

ヒスクは体調不良が続き、病院に行くとがんと診断される。

娘の将来を案じて打った手が悪手で、娘はより一層ヒスクを憎むようにショボーン

 

 

ミオクのアル中はますますひどくなり、情緒不安定にもほどがある。

息子の懇談にもハイパー酔っ払い状態で乗り込んでひと悶着無気力

 

 

父の誕生日に招待された三姉妹は、実家に帰省することに。

 

 

誕生会の席に一人の若者が乗り込んできた。

実は彼、三姉妹の弟・ジンソプ。

弟はパーティーのごちそうが並んだテーブルにチッコカケル~ノ。

 

 

大騒ぎのパーチ―会場ポーン!!

 

 

ここで三姉妹と弟の過去が明らかになる。

長女と弟は異母姉弟。

次女と三女が正妻の子。

美人な次女、明るくてテンション高い三女に比較して長女は控えめでおとなしい。

 

 

まだ子供だったある夜。

ミヨンとミオクはパジャマで家を出て近所のお店に駆け込んだ。

「お姉ちゃんと弟が…」

 

 

訴えても近所の人は「ありがち~」みたいな感じでスルー。

 

 

とぼとぼと家に帰る姉妹の目に飛び込んできたのは、

父親から暴力を受け痣と傷だらけになった姉と弟。

 

 

父親は虐待者。

母親も近所の人も知らんぷり。

だって「父親は一番偉いんだもん」

 

 

招待した教会関係者に謝罪する父にミヨンは

「そっちより私たちに謝りなさい」

と詰め寄るが、父は知らんぷり。

ヒスクはオドオドハラハラ不安

 

 

謝罪をしないオトンに対し、ジスクの娘が。

あの反抗を繰り返し親を親とも思っていなかったような娘が。

「謝んなよ、オカン、がんやねんで?」と言い放つ。

 

 

三姉妹はそれぞれの悩みを抱えているし、抱えたままだし。

それでも、昔みたいになんとなく距離を近づけて、

三姉妹としてまた歩みだしていくのかな~という希望の持てるラストで。

 

 

■おしまい 

 

 

 

  ■感想

 

 

出典: (C)2020 Studio Up. All rights reserved.

 

 

あらすじを読んでいただいて。

「どないな映画やねん?」と思われたことでしょう。

 

 

前半、情緒不安定?と思われる「常に怒っているミオク」にイライラしながら。

ミヨンの陰湿さにゾワゾワしながら。

ヒスクの卑屈さに「なんでそこまで」と思いながら。

三姉妹の群像劇かと思ってたら。

 

 

後半。

姉妹が前半でぽつぽつと言っていた謎のワードたちが回収されていきます。

 

 

そして浮かんでくる、三姉妹の過去。

前半だけ観て「つまらんわ」と観るのをやめないで~。

 

 

ヒスクとジンソプが抱き合って震えているシーンで、ついに涙が。

アカンねん、子供がこういうのアカンねん、おばちゃん。

 

 

韓国の父権主義は、ええ加減にしたりぃやってなるで、ほんまに。

 

 

ヒスクの強く出られない態度が招く宗教勧誘騒動や、

娘のためを思って売れないバンドマンに「娘をお願いします」と懇願に行って、よけい娘に嫌われるところとか。

この、全部アカン方を引いてしまう引きの悪さが、

常に人の顔色を窺い、頭を下げ続ける人生で培われた経験値なんかと思うと…。

ヒスクさん、気の毒すぎる悲しい

 

 

クソオヤジ、

出てきやがれ!って思いますって。

 

 

だからこそ、ヒスクの娘の一言に「よう言うてくれたわ」って気になるんですよ。

 

 

なにより、

チッコカケルーノなシーンは、

うわばばばばばばば驚きびっくりマークですし、

ヒスクが「ま…まだここは食べられるよ」と必死で料理をかき込み、場を鎮静化させようと奮闘させるのも空回り感があって痛々しくて。

 

 

こんな食事会は嫌だ。

 

 

旦那の浮気で壊れた家庭(離婚はしない、意地でも)は、元には戻らない。

借金がスコーンと消えるわけでもないし、がんの恐怖は付きまとう。

義理の息子とはまだ和解してないし、金目当てに結婚したという世間の噂もなくなるわけじゃない。

それでも、

今まではひとりで対処してたものが、

姉妹に相談できるようになったらちょっとだけ心の荷物が軽くなる、

かもしれへん。

 

 

前半のミオクご乱心がきつくて、

「無理かも」と思いましたが、

観て良かった。

終盤の「おおおおお!」をぜひ味わってください。

 

 

男の人には敷居の高い映画。

ミヨンの外面菩薩、内面夜叉っぷりがたまらんわ。

浮気女への仕返しの後、平然と心配してるふりしてはるるる~。

 

 

この映画のテーマは。

虐待、ダメ、絶対。

上矢印

これ!

 


チッコカケル~ノ。

アタイ、頻尿だから、あんなテーブルいっぱいにかけ放題出来るほどチッコ溜まらんわ…と、

変なところで感心。

そこ感心ポイントちゃうから!

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