読んだ本の数:19
読んだページ数:5667
ナイス数:1203(皆さま、おおきにやで)
一度きりの大泉の話の感想
語るには竹宮恵子さんの本を読んでからの方がいいのかもしれない。物事には人それぞれの見方があるから。漫画界と言うある種特殊な環境、狭い世界、しかも同業なら「知らんわ、あんな人」思いながらも目についちゃうから苦しかったろうなー。なんか萩尾さんは記憶を鮮明に残していくタイプのようだし。
読了日:07月31日 著者:萩尾望都
氷の致死量の感想
バブちゃんはアカンやつ。十和子が最後にちょっとだけ強靭になりはって良かった。ラストのお前か、と思ったらお前か、ちゃうがなお前やんか!な展開よ…。待って、ええ人っぽい持って行き方やけど、こいつアカンやつちゃうん?が気になってしまった。櫛木さんには精神的なエグみを加味したグロを期待しちゃうから、社会派になるとちょっとその辺弱くなるかな。とりあえず、オカンの呪縛はあかんわーってこと。
読了日:07月30日 著者:櫛木 理宇
1日10分のぜいたく NHK国際放送が選んだ日本の名作 (双葉文庫)の感想
短編なのでパパーっと読めちゃった。もっと丁寧に読むべきなのかも。果物屋のおばあちゃまの話と「ムシヤシナイ」が良かった。くいしんぼうか!山内さんのは攻めすぎてて、ちょっとどう受け取っていいのかわからんかった。
読了日:07月27日 著者:あさの あつこ,いしい しんじ,小川 糸,小池 真理子,沢木 耕太郎,重松 清,髙田 郁,山内 マリコ
能楽師 比良坂紅苑は異界に舞う (マイナビ出版ファン文庫)の感想
霊が視え話せる昴。霊を浄化させることが出来る比良坂。奈良を舞台に描かれる、ホラーよりも文芸寄りの作品。とても丁寧な作風でこれで終わりだとしたら勿体ない。続編を希望。舞台になった女子大、うちの父が勤務してたので懐かしい。猿沢からならまち、佐保川も、私がいたころとはすっかり変わってるんだろうなぁ。
読了日:07月25日 著者:木犀あこ,斎賀時人
初めて会う人の感想
何なの、この人おかしい、ヤダ、次に出てくる人もおかしい、登場人物全員おかしい!怖いよ、この人たち。お付き合いしたくないのは秘書の女だけど、それ以外のはどいつもこいつもそばに来て同じ空気を吸わないでほしいくらいキモイ!と言うサイコホラー。ニンゲンコワイ。「なんでそんな好き&尊敬から興味なくなるに瞬間で変われるん?グラデ―ションがないのか、お前たちには」と驚愕。大変面白うございました。この世に生を受けて初めて会う人は…そうだよね。読書メーター献本プレゼントでいただいた一冊。
読了日:07月24日 著者:くわがき あゆ
レスト・イン・ピース 6番目の殺人鬼 (角川ホラー文庫)の感想
デスゲームだと思ったら違ってた。アメリカまで行っててそれ?ちょっと大掛かりすぎませんこと?黒幕もなんとなく予想ついちゃうし。みんな見かけや年齢に騙されたらあかんで!と言うオチ。ホラーなんだけど、そこまでホラホラしくないおとなしめのホラー。全体的に「もうひと踏ん張りほしいかな」って感じなんだけど、ただ、タイトルの意味がぴったり来ててそこは拍手。
読了日:07月21日 著者:雪富 千晶紀
絶対に出る 世界の幽霊屋敷の感想
写真がめっちゃ奇麗!今流行の?彩度を思いっきり上げたやつじゃなくトーンを下げて不気味さマシマシ。お城は歴史がありますもんね。ソチミルコはゴンドラで回る観光名所なのに人形島ばかりが有名になってて気の毒、あれ?有名になるからそれはそれでいいのか?
読了日:07月19日 著者:ロバート・グレンビル
空を切り裂いたの感想
飴村さんの作品は、ほぼ読了なんだけど、これはちょっと合わなかったかな。「人魚の涙」は、どうしても「魔法のマコちゃん」を思い出してしまう年頃なんですもの、わかって。一番やっちゃいけないこと…最近なら『哭悲』?
読了日:07月19日 著者:飴村 行
タイムスリップしたら、また就職氷河期でした (双葉文庫)の感想
人生に詰まったアラフォー非正規。就職氷河期が全部アカンの原因。もう一度人生やり直せたら…。やり直せましたが結局就職氷河期のあの頃に戻っちゃった。ここから始まる流転の人生。就職難の時代は周期的にやって来て、その年に当たった人はマジで外れ籤なんよね。でも日本の経済はもう衰退期やん?24時間働けますよ!みたいな世相があの頃の経済を支えてたんだもの。あ、私は過去に戻るのはまっぴらごめんです。生きなおしとか勘弁してくれ。
読了日:07月18日 著者:南 綾子
入れ子細工の夜の感想
ミステリが好きやねん!があちこちに満ち溢れていて楽しい。『二〇二一年度入試~』は、こんなん入試にされたらマジ疲れる…な作品で面白かった。そっちに行かれるのか?チミィ!『六人の激昂する~』が一番好き。うりゃおい!の感動(?)再び。あああ、むっちゃ怒ってはる…!
読了日:07月15日 著者:阿津川 辰海
園児の血 (実業之日本社文庫)の感想
カンチョーを主軸に思春期手前の子供たちの心の移ろいを描いた『道徳の時間』。ハードボイルド園児たちの園内抗争に恐怖の対象ブチューマンを絡めて描いた『園児の血』。これは何を読まされておるんじゃろう?と脳内で「?」が飛びまくる。頭痛の原因が何なのか知りたくて最後まで読んだのに、結局消しゴムなめすぎのせいってことでOKなん?関西人、オチがないと落ち着かん。
読了日:07月14日 著者:前田 司郎
鎮魂の感想
今まで外れなしの染井さんの新作。先が気になって一気読みのパターン。こいつらに鉄槌を。一丁前に保身に走ってんじゃねーよ。一市民が暴力と悪賢さでのし上がってきた奴らに対して何ができるのか。せいぜいネットで憂さを晴らすくらい?復讐、正義、諦念、鎮魂。正義ってなんやろ。正義って難しい。ラスト近くで「そうやったんか」となって全てがカチカチっとはまっていく快感ったら。
読了日:07月13日 著者:染井 為人
全国怪談 オトリヨセ 恐怖大物産展 (角川ホラー文庫)の感想
ジャパニーズアチコチの怪談を寄せあつ…じゃないオトリヨセ。前作読まずにこっちを手にしちゃったよ。オオオ!と思う怖いものから「あんたなぁ」と思うものまで。うわぁと思ったのは香川県。何が起こったんや、何が!って気になる。その家を建てた建設会社(工務店とか)に障りはなかったんかいな。私この手の実話怪談は好きじゃないのだが、これは面白かった。
読了日:07月11日 著者:黒木 あるじ
スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのかの感想
いまだにこんな昭和のスポコン丸出しの制度が残ってんのかー、とちょっと驚いた。でも成功した選手と親御さんと指導者の汗と涙と感動の物語を求めてる人が一定層いる以上、こういうのはなかなかなくならないんじゃないの?あんまりスポーツに興味ないので、こういう感想しか持てないよ、ごめんね。あとライターさんの構成力が少々アレ。
読了日:07月10日 著者:島沢 優子
看守の流儀の感想
初読み作家さん。こちらでも話題になっていたものをようやく。人間ドラマが前に出ていて読み応えあり。そうなんか!な、どんでん返しもあって面白く読めました。若干中だるみの部分もあったものの、火石マジック、お見事でございます。
読了日:07月09日 著者:城山 真一
好きなひとができましたの感想
見てくれのいい孤高系男子・神崎と、彼に振られて追いかける女のコ・萌…怖いよ。「好き」ってなんじゃろ?神崎みたいな男は誰とも深いつながりを持たずにひっそり生きていくべき。粘着気質の萌ちゃんはうざいけど、ラストの章で「お…おま…」となっちゃう。好きがねじくれてる方々が多く登場。
読了日:07月06日 著者:加藤 元
エンドロールの感想
自殺してもいいじゃん派と自殺アカン派の論争。この作家さんの本は全部読んでいる。どれも面白いんだけど浅い感。これはその中でも特に浅い感。自殺がダメとは言わないし、若い人は気の毒やなぁと思うけど、30億もあるんなら生きて世の中に貢献せぇや!とおばちゃんは思うの。そんなに生き急ぐんならみんな『オールド』の渓谷に行けばいい、天寿を全うできますで、すぐに。
読了日:07月05日 著者:潮谷 験
致死量の友だちの感想
クラス全員からいじめにあっている夕実とひじりは憎きクラスメイトを毒殺しようと考える。が、夕実が死亡しクラスメイトもみんな死んでいきはる~。毒の説明とかもうええから!どうでもいい解説に尺をとられて肝心の心の機微が巧く描かれてなかった気が…。上滑り感がすごかった。田辺青蛙さん、好きなのになー。これはいまいち。
読了日:07月02日 著者:田辺 青蛙
彼女の背中を押したのはの感想
妹がビルから転落。まさか自殺なんじゃ?と思った姉が妹の人間関係を調べていくお話。美しいけどいまいちおつむのよろしくない(勉強できるとかだだけじゃなく)妹に降りかかる人間関係の罠。その罠は姉の身にも姉の夫の身にも、そして妹の同僚の身にも起きていて…。身につまされる。生きづらさを抱えながらもラストは希望の持てる終わり方。母親にかなりイラついたことを記しておこう。
読了日:07月01日 著者:宮西 真冬
読書メーター
おすすめ
●看守の流儀
●鎮魂
●入れ子細工の夜
●初めて会う人
●一度きりの大泉の話
『看守の流儀』
読メで、むっちゃ評判が良かったので読みました。
面白かった。
設定がまず善き。
人間模様も善き。
安定のミステリも善き。
「火石マジック」やったね!
続編も出ているそうなので読まねばですわよ。
『鎮魂』
染井さん、どんどんシッチャカメッチャカから骨太の人間ドラマを描く作家さんになっていってはる。
『正義の申し子』から『正体』を経ての本作。
正義とは?の問いかけに、出せる答を我は持たぬ。
とりま、因果応報やねんから、こいつらみんなKILLっちゃってもええ?
『入れ子細工の夜』
大好きな推し作家、阿津川さんの短編集。
ミステリが入試問題に出た。
犯人当ての。
今まで出たことのない入試に、受験生と予備校講師はどないしたらええねん!な「二〇二二~」とコロナ禍真っただ中に会合を持った学生アマチュア覆面レスラーたち。
だが来るはずの一人が既に殺されていた。
犯人誰やねん!な「六人の~」が超面白かった。
『初めて会う人』
読メの献本で当たって…もうええわ!
それがなくても文句なしにイヤミス。
うわわわわわ、となるよ。
どいつもこいつも、どうしようもない奴らばっかりやな。
とりま、こいつらみんなKILL…あかんて!
『一度きりの大泉の話』
モーサマの苦悩。
20才そこそこで起きた出来事を70過ぎてまで抱えてうじうじ悩んでる方がおかしいという意見もございますが。
何度も何度も映像記憶が蘇って傷口をえぐられる痛みを抱えているなんてもう封印するしかないですやん。
決してうまいとは言えない文章で訥々と語られる内容が痛々しいですぞ。
(山岸涼子先生がつきぬけてはる)
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