ジョゼと虎と魚たち‐2003‐(ネタバレ) | 映画でもどうどす?

映画でもどうどす?

映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

  ■あらすじ

 

 

・ジョゼ…足の不自由な女性、読書好き

・恒夫…大学4回生、優しいけど下半身が緩い

・香苗…恒夫と同じ大学の彼女

・ばあさん…ジョゼの祖母、昔気質

 

麻雀店でバイトする恒夫は、

優しいけど下半身が緩い男。

セフレの女性と快楽を楽しんでる一方で香苗に好意を抱いてる。

 

 

ある日坂道を落下してくる乳母車を身を挺して止めたところ、

中にはかわいらしい女性が乗っていた。

これがジョゼと恒夫の出会い。

ジョゼはもちろん本名ではなく、自分で名乗ってるだけ。

 

 

料理が巧く読書好きのジョゼ。

毒舌でサガンが好きなジョゼ。

祖母が拾ってくる本で世間を学んでいたジョゼ。

 

 

彼女に興味を持った(同情半分、ジョゼがかわいらしい半分やと思う)恒夫は、それから足蹴く彼女の家に通うようになる。

 

 

ジョゼを世間から隠したい祖母。

福祉のことも知らない祖母。

 

 

ジョゼと祖母は世間から隠れ

ひっそりと息をひそめて暮らしていたのだ。

祖母はジョゼを「こわれもの」だと言う。

 

 

恒夫は同じ大学で福祉を学んでいる香苗から行政が手助けしてくれることを教えられ、

ジョゼの家をリフォーム。

 

 

ジョゼと恒夫は惹かれあう。

それと同時に恒夫は香苗とも関係を持っていく。

 

 

祖母が亡くなり、

ジョゼと恒夫は一緒に暮らし始めた。

 

 

海を見に行ったジョゼと恒夫。

お目当ての水族館は閉まっていたが、

途中で水族館を模したラブホに泊まる二人。

 

 

実はこの旅行、

恒夫の実家の法事にジョゼを連れていき親に紹介するはずだったのに恒夫はそれを取りやめたのだ。

弟の隆司に、

「兄ちゃん、怯んだか」と言われドキリ驚きとする恒夫。

 

 

香苗がジョゼの前に現れ、

「恒夫君を手に入れられるあんたのハンデが羨ましい」

みたいなことを言い、

「ほなあんたも足切り落としたらどや」

と言い返すジョゼ。

 

 

ジョゼと恒夫の蜜月は続かなかった。

泥沼の修羅場も無いままに、

恒夫はジョゼの元から去っていく。

 

 

彼を待っていた香苗。

 

 

別れた後も友達みたいに付き合っていける彼女もいるけれど、ジョゼは違う。

もう二度と会うことはない。

恒夫は喪失感と、わずかな解放感で泣き崩れるのだった。

 

 

そしてジョゼは。

「買い物にもいけへんがな」と言われていたあのころとは違い、

電動車いすを颯爽と走らせ、

自立して生きている。

 

 

■おしまい 

 

 

 

 

  ■感想

 

 

 

 

原作既読。

あの短い短編を、よくここまで話膨らませたなぁと感心。

 

 

さすがに「アタイ」とは言わなかったけど。

時代や。

時代を感じる真顔びっくりマーク

どいつもこいつもタバコ吸い過ぎ。

すっぱータバコ

 

 

おばあちゃんの思考が昔で、

ついでにファッションも昔で、

意固地ながらも矜持を持ってはるん。

障害年金とか視野にも入ってへんタイプ。

 

 

ジョゼの昔馴染みのアンちゃんが、

「あほか、何言うてんじゃ、イテまうど、コラ物申す

みたいな口調ながら結局ジョゼの尻に敷かれてるのが善きふんわり風船ハート

 

 

でも一番良かったのは、

ジョゼと香苗の修羅場に居合わせた(ジョゼの車いすを押してきてくれた)同じ長屋の女の子。

小学校くらいの子の前で痴話げんか…不安ガーン

 

 

この子の演技が抜群にヨロシ!

 

 

安っぽいラブホの照明。

ジョゼはあの部屋を一生胸の中に秘めて生きていくんやろうなぁ。

 

 

池脇千鶴さんのジョゼが本当にうまい。

毒舌で傲慢な殻をかぶりながら、内面は傷つきやすいジョゼ。

「トカレフ手に入れたい」なんて言い出したり。

 

 

原作では、全編にわたって、

いつかこの関係は壊れる、

そんな諦念すら漂わせていたジョゼ。

 

 

ブッキーの優しいのに芯の強さが無い恒夫も良かった。

セクスィーが溢れてる。

 

 

好き、だけでは人生の伴侶として生きていくことはできない。

そこには「生活」が待っているから。

 

 

惜しむらくは。

惜しむらくはロケ地が埼玉やねん泣

いや、大阪までロケにこれへんのはわかるねん。

でも、

もうちょっと大阪を…タラー

 

 

この映画、

おこちゃまが見ても多分意味不明になると思うんやけど、

皆さん、どう思われますか?

 

 

親に紹介しなかったところでもうアウトやってんやろな。

 

 

ジョゼのわがままに、

「勘弁してくださいよ驚き

「いつか自分も年老いてくんだからさぁ無気力

と言う恒夫。

(いつまでもジョゼを背負ってあちこちつれていけねぇよ?)

 

 

笑いを込めながらも、

それが本音。

悪いとかではなく、

日常はそういうちょっとした不便の積み重ねで瓦解するもんよな。

 

 

 そこそこエロッティなシーンもあるので注意。

 

 

この映画のテーマは。

愛で何とかなるとか無いから。

結局自分で何とかするしかないんよ。

上矢印

これ

 

 

アニメは続けて観ます。

韓国でも映画化されたそうで。

これも観たい。

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