午前十時の映画祭『地球防衛軍』 | 牧内直哉の「フリートークは人生の切り売り」Part2

午前十時の映画祭『地球防衛軍』

『地球防衛軍』

「午前十時の映画祭13」解説サイト:地球防衛軍

 

富士山麓で奇怪な山火事と山崩れが発生。

調査に向かった渥美の前にロボット怪獣モゲラが姿を現しました。

渥美と安達博士はモゲラ出現が異星人の仕業と推測し・・・。

ゴジラ』『空の大怪獣ラドンに続いて製作された東宝特撮映画です。

午前十時の映画祭の上映作品を観るのは去年の『ラドン』以来ですから、

まぁ結局、私はこの手の映画が大好きなんですよ。

といいつつ、これも8月下旬に観たのに今ごろブログに書いてます(^_^;)

4Kストレア版ってよく分かりませんが、当時より綺麗な映像でした。

 

本作品内ではミステリアンと呼ばれていた異星人は、

5千年前に母星のミステロイドを核戦争による原子兵器で失い、

宇宙を放浪した末に地球にやってきたと説明し、

最初は地球の一部、半径3kmの土地と5人の女性の引渡しを要求します。

が、これを拒否した防衛隊の攻撃を全滅させると、

半径120kmとより多くの女性を渡すよう要求がエスカレートしていきます。

それに対して、日本が米・ソら世界に呼び掛けて地球防衛軍が結成され・・・。

というほど世界は巻き込まれてないんですけどね。

 

いろいろ突っ込みだしたらキリがないですよ。

ミステリアンの科学力は地球のそれをはるかに上回るようですが、

モゲラは意外にあっけないというか、最後なんかかなりどんくさかったし、

ミステリアンが要塞を組んだ地域住民が避難してないやん!とか。

そもそも、ミステリアンは暑さに弱いので日本に住むのは無理なのでは?

世論が全く描かれておらず、「3km」ぐらいなら・・・という意見もない。

演出面でも最後の攻撃が単調すぎて間延びした感があります。

 

でもね、なんだかんだで面白いんですよ。

最大の要因としては、やはり伊福部昭さんの音楽に心が躍るのです。

あと、東宝特撮チーム的にも、そうでなくても豪華キャスト。

佐原健二さん、平田明彦さん、志村喬さんは言うまでもないですが、

藤田進さんは日本映画で一番「攻撃開始」って言ってるかも。

『ゴジラ』でもヒロインだった河内桃子さん、同世代なら推しになってたかも。

とか、まぁそんなことも感じながら鑑賞しておりました。

マスクで顔が分からないミステリアン統領役は土屋嘉男さんだったんですね。

 

冷戦や核実験への問題提起などテーマ性はあります。

現在の世も、地球はミステリアンに、本作に学べているでしょうか。

人類って、特に為政者って思った以上に学習能力ないのかも。

なんて、これは以前から感じていることですけどね。