映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』 | 牧内直哉の「フリートークは人生の切り売り」Part2

映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』

『モリコーネ 映画が恋した音楽家』

(上映中~2/9:J-MAXシアターとやま)

公式サイト:https://gaga.ne.jp/ennio/

 

1961年のデビュー以来、500作品以上もの映画やテレビの音楽を手がけ、

2020年7月に惜しまれながらこの世を去ったエンニオ・モリコーネ。

彼が音楽を手掛けた映画の名場面や、ワールドコンサートツアーの演奏、

クエンティン・タランティーノ、クリント・イーストウッド、

ハンス・ジマー、ジョン・ウィリアムズ、ブルース・スプリングスティーン、他、

錚々たる顔ぶれの監督・プロデューサー・音楽家へのインタビューを通して、

モリコーネがいかにして偉業を成し遂げたのかが解き明かされています。

 

ジュゼッペ・トルナトーレ監督作品だからかどうかは分かりませんが、

ニュー・シネマ・パラダイス海の上のピアニストの顛末は少なめ。

でも、上映時間157分、モリコーネの曲が映像とともにたっぷり聴けて大満足。

名シーンが1回流れて、関係者がエピソードなどを語って、また同じ映像。

コメントしてる関係者が何度登場しても、その都度名前のテロップが入ってる。

丁寧な作りで、記録映画としてDVDなどで手元に置いておきたい作品です。

 

誰のコメントかは忘れましたが、

「映画音楽は20世紀最高の音楽ジャンルである」と。

異論噴出しそうですが、私は概ね賛同します。

1980年代、エアチェック全盛期に中・高校生だった私が、

最初にラジオからカセットテープに録音しまくったのは映画音楽でした。

メインテーマを聴けば、その作品の名シーンが頭に蘇ってくる、

観ていない作品で観たような気になる。それが映画音楽。

 

中には音楽を一切省いてインパクトを残す作品もありますが、

基本、名作映画には名スコアがセットになっているものです。

作曲家でいえば、二ーノ・ロータ、ヘンリー・マンシーニ、

ジョン・ウィリアムズ、ダニー・エルフマンも好きですし、

日本でも、ゴジラはじめ東宝特撮映画の伊福部昭さん、

シリーズが続くにつれて物語が破綻していっても

音楽はずっと素晴らしかった宇宙戦艦ヤマトの宮川泰さん、

ジブリ作品や北野作品でおなじみの久石譲さん、

映画以外でもウルトラセブン帰ってきたウルトラマンの冬木透さん、

・・・キリがないのでもうやめます。

 

その中でも、エンニオ・モリコーネは特別な存在の一人です。

他の多くの作曲家と同様に、モリコーネもスタートはクラシックでした。

映画音楽は最初はあまりやりたくなかったようです。

しかし、彼がやめたくても、映画が彼を手放さなかった。

新しい手法、作品への理解度、既成の曲の使用を許さない姿勢、

とはいえ、クラシックが土台になっている作曲もあったりして、

とにかく、興味深い点が多々ありました。

 

会社員時代、映画音楽のラジオ番組も幾つか制作しましたが、

いや~、あれはどの番組も本当に楽しかった♪

また機会があったら、出演もできれば一番嬉しいですが、

制作だけでも良いので、映画音楽の番組に携わりたい思いがあります。

そしたら、モリコーネの曲もいっぱいかけちゃいますよ。