今季大注目を浴びているドラフト1位指名のウェンバンヤマは、試合を重ねるごとに怪物としての片鱗を見せている。
マブス戦も序盤は無双していた。
しかし3QからマブスがPJワシントンをマッチアップさせて以降は、なかなか良いプレイが出来ずにまた大差で負けた。
今回は、どうすればスパーズが勝ち上がることができるかを個人的な意見を交えて書いていく。
ポポヴィッチの考えでは、ウェンビーに関してはルーキーシーズンはNBAで適応させるための慣れのシーズンだと個人的には思っている。
規格外の身長と身長に似合わないスキル、アウトサイドシュートが上手くて既にNBAを破壊しているディフェンス力。
ウェンビーの大先輩であるデビットロビンソンはルーキーシーズンに3回のトリプルダブルを達成している。
しかし、年々レベルが上がっているNBAにおいてはその成績を比べることはナンセンスである。
提督(ロビンソンのあだ名)が活躍していた頃はセンター全盛期であり、ブロックもしやすかったと思う。
ただ、フィジカルは30年前の方があるかもしれないため、比較することは非常に難しい。
ウェンビーは、その大先輩の提督の記録まであと1回まで迫っている。
ガード全盛期である今のNBAにおいて30分以内の出場で10ブロックしたウェンビーは規格外だと思う。
守備に関しては完全にNBAトップレベルだろう。
オフェンスに関しては日々成長しているのがわかる。
サマーリーグから開幕戦までの間に成長した姿を見せてくれただけではなく、色んなトッププレイヤー達との戦いで一皮も二皮も剥けた。
ライバル視しているチェットホルムグレンを意識したプレイもまた彼の成長に繋がっている。
チェットも10ブロックしたウェンビーを意識しているのか、翌日には5ブロックしてアピールした。
最近では、確率が悪かった3Pも決められるようになっており、また成長している。
だが、一つ問題がある。
今季のスパーズは勝つよりも成長を優先しているのだが、ゲームメイクできるPGがいないのだ。
ウェンビーがガラ空きなのにパスをしない、攻められないのにボールを持ちすぎて最後は決まらないシュートでターンオーバーするというシーンが多い。
これはウェンバンヤマに限ったことではなく、ウェンビー自身もフリーの選手を活かすようなプレイが出来ていないこともある。
オフェンスが手詰まり感ある中で、ヴァッセルやケルドンの強引なドライブが目立つシーンが多い。
最近だとトレジョーンズもガラ空きの選手にパスしないことがある。
これは、相手チームからしたら非常に守りやすいだろう。
何故なら、ウェンビーだけ抑えれば勝てるからである。
ヴァッセルやケルドンは、毎試合高得点を狙える選手ではなく波が激しい。
ソーハンはまだまだオフェンスクリエイト能力がないため、インサイドでのターンオーバーになってしまう。
みな自分が打開するという意識が高すぎてオフェンスが上手く作れていない。
スクリーンをかけたり、相手を騙すプレイが全く期待出来ない。
リバウンドを取っても連携がバラバラのため上手く回らない。
まだサブメンバーのプレイの方が終盤での期待値が高いくらいである。
ディフェンス力に関しても良くない。
ウェンビーのディフェンス力は素晴らしいが、ソーハンを除いた3年目以降の選手のほとんどが良くない。
シャンペニーやバーロウ、ウェスリーのような控え選手たちが良いプレイをしている中、高額契約している選手たちが良くない。
特にウェンビーが休んでいる時間帯に出場しているコリンズは最低と言わざるを得ない。
オフェンスではハッスルするものの、3Pは怪我離脱以降は全く決められない。
ディフェンスでは正に穴になっている。
これはつまり、コリンズだけではなくヴァッセルやケルドンの守備が悪いということを表している。
ウェンビーの守備貢献度が高すぎて、本来守らなければならないガードの選手たちが酷いということである。
今季のNBAは、格差が激しい。
下位チームは全く勝てないし、上位チームは上手く試合運びをしている。
スパーズはウェンバンヤマというスーパースター候補を獲得したため、後は周りの選手のグレードアップが必要である。
一番は今年のドラフトでPGを獲得することと、来年のドラフトで有望株を狙うことだろう。
今までスパーズを引っ張ってきたケルドンやヴァッセルについては、どちらかをトレードするなりして強化する必要があるだろう。
またコリンズがこのままだと使い物にならないため、放出もやむを得ないと思う。
攻守で存在感があるウェンバンヤマを中心としたチーム作りをするには、まだまだ時間がかかるだろう。