あの富士登山競走から早一週間。
今日もちんたら走りながら
先週のいまごろは…などと
うっとりと思い出していたら
うっかり吐きそうになりました(´・_・`)
あの日駆け抜けた2時間ちょっと
距離も今朝より短いけど
なんて色濃い時間だったんでしょうね
富士山競走山頂コース
中の茶屋を過ぎて馬返しへ。
これまでの完全舗装路と異なり、道幅も狭く超絶走りにくい林道?山道?がつづきます。
走り出した直後、うしろからみそらさんに声を掛けられます。「頂上で!」「てっぺんで!」とお互い交わす言葉は一緒。もうその言葉以外なんもいらねー。
一年ぶりの馬返しへの道
あの場所の熱はすごいですね。
周りの息遣いしか聞こえず、全員の想いがてっぺんに向いている、あの圧倒的な信念に満ちた不思議な空間はなんなんでしょうね。ぽっかりとそこだけ現実から切り離されているような。
ここではとにかく足元しか見てませんでした。
転倒を防ぐ意味もありますが、上を見るのが怖かったのが本音。今年は試走を怠っていたので、馬返しまでの距離感や斜度の記憶がなく、もうここは脳をだますしかないという作戦。
「目の前の道を進むだけ」
「ただ足と手を動かし続けるだけ」
ここは明らかに日頃のちんたらジョグが生きた場面だと感じます。まいんちまいんち二時間半、くっそ面白くもないコースをちんたら。音楽を聴くでもペースを意識するでもなく、150分走るにはココロを無にしなければできまてんw
ここで最初に決めていたのは、最後の鬼斜面は歩くこと。昨年、あるってるくらい遅いペースながら意地で走りとおしたところ、そのあとあっさり足を攣ったので、ココは意固地になるとこではないと割り切って、
路駐している車が見えたあたりがおそらく最後のゲキ坂と踏んで、そっからパワーウォークに切り替え。ほどなくして見えてきた馬返し。ホントは本当に最後の坂かわからず賭けでもあったのでホッとしました。
ここで三回目の給水。
落ち着いて立ち止まって二杯ほどいただいて、おそるおそるその先の階段(?)を上ると、おお、足攣る兆候はなさそうだ!ワーイ
と思って進んでいた山道手前
YouTubeより
階段途中の計測マット脇の時計で、よーやくタイムを確認すると(小心者なので基本ラップもタイムも見ない)、1度間07分なにがし?それホント??(そればっか)
正直、中の茶屋から馬返しの区間は、無心で走りながらも「おっせぇぇぇぇ」と感じており、こりゃダメだとげんなりしていたので、まさかの完走ラインにいることを確認。しかもあんだけ練習していた昨年より2分も速いってどういうこと?
コレが過信につながったのだと今はわかります。
昨年までに何度も行った試走では、馬返し~五合目までは速くて1時間カット、遅くても1時間10分はかからずに行けていたので、「貯金がある」と勘違いしちゃったんですよね。
足攣りがなく、このまま順当にいけば絶対に五合目関門は突破できると、その先の景色が浮かぶほどに。
今年はぜったいにいってやる!!
そこでようやく山頂権ゲットからてっぺんとるぞ!の目標にチェンジ。そう、このくらいの時間で馬返しに到着できれば、むしろ熱意は逆にも変わる。
とはいえ、渋滞は免れない時間帯。
ちよっと進んでは止まるの繰り返し。
横の斜面をうまく使ってすり抜けていくランナーもいましたが、手でそれを阻止するような輩はいなかったかな。
わたしは、渋滞区間は補給区間と割り切って、足攣り対策にと携帯していたフラスクで給水、マグオンや塩熱サプリをポリポリ。ええ、まだまだ余裕はあると勝手におもってましたからねw
そして、よーやく渋滞区間を抜け、少しでも前に行こうと真ん中のおっきな階段みたいなところ(あんまし誰もとおらないとこ)を、ひとりガシガシ上っていたら、あっさり右腿裏攣りました(足攣り対策どこいったw)
それでも今回はぜってー負けられない闘い。
幸い、それ以上足攣りがひどくなることもなく、だましだまし進んでいくと二合五勺(だっけ)の給水所に。
ここでフラスクにお水を補充し、バナナをいただいて二杯ほど給水。こっからが本当の勝負だとわかっていたので、しっかり補給して山道へ。
ぜんぜん諦めてなんかいませんでした。
ここでもぜったいにいけるとおもってました。
その先だったな、うしろからかっきぃ嬢に声をかけられ、こんなとこで五合目クラッシャーズが集結。
「あれ?まだみやみさんがいるってことはまだワンチャンありますかね?」と言われ、あるよあるよ、あたしらまだまだイケルよ、こんなとこで終わらせねーよと、心の中でいいつつそれを自分にも言い聞かせつつ、
まだまだ元気なかっきぃ嬢の背中に「マイペースでいくから先行きな!」という言葉とともにその背中を見送り。いや、あんたは本当に速かったよ。あんだけ地味練を繰り返せるのは才能だよ。こんなとこで終わるオンナじゃねーよ。
ここでよーやく自分の立ち位置に気づき、ぜんぜん余裕なんかないことを自覚(おそいよ)
こっからはとにかく必死でした。
こんなに必死なのにてっぺんどこだよ?
のぼってものぼっても
つづら折りを曲がっても曲がっても
ぜんぜんその先の景色がみえてこない
あたしこんなに苦しいのに。
こんなに必死でつかみにいっているのに
四合目あたりにいつもいてくださる賑やかな応援部隊の方たちが、我々に掛ける言葉が微妙なことは気が付いていました。
それは100%無理じゃないけど
その可能性は1%ほどだというニュアンス
それでもまだ信じていたのです。
図々しさとしつこさとしぶとさだけでここまでのぼってきた。
こんなポンコツなわたしが「ギリギリ」という身に余るほどの位置にいるという奇跡。
だから、一瞬ロードに出て、そのアスファルトを必死で走り、また山道にはいるときに聞こえた声。
「あと1分半ー!!」
それはどんな時間_?
それはどんな距離?
わかんないけどわたしは走る。
緑に囲まれた最後の山道を。
そして、ふたたびロード部分へ。
歩いている人がいる?
なんであなたはあるってるの?
最後の最後までわからないじゃないか。
奇跡があるかもしれないじゃないか。
だからわたしはまだ走る。
だってどこにもたどり着いてないんだもん。
わたしの富士登山競走はおわってないもん。
見えてきた五合目マット横の時計。
「2時間16分〇秒」
そうかそうだよね。走ったってアウトなんだよね。
それでもあたしは最後まで
てっぺんに向かってはしるよ。
(つつづく)