同じ爪の湿潤状態と乾燥状態での第3層の状態変化の比較です。
湿潤時に比べて、乾燥時には、横幅方向で強い収縮が起こっています。
矯正を行う際に、お湯につけて行うので、その前後で画像を比較したものです。
極めて短時間に、お湯につけると膨張して亀裂は消失いたします。第3層のケラチンは、水分の増加により、膨張・軟化を起こし、乾燥により、収縮・硬化を起こします。
この性質こそが、巻き爪形成の原理であると考えています。
これを何回も繰り返すことによって、爪は徐々に一方向性に変形を強くしていきます。
また、爪の下側の新たに爪床から供給される異常なケラチンは、その性質をさらに補強します。
しかも、膨張と収縮を繰り返すうちに、そのケラチンは互いの位置を変化させます。膨張・軟化するときに横幅方向に入っていられないケラチンは、下側に移動することになります。そうすることで、収縮した時に、さらに横幅が短縮することになります。
この繰り返しをしているうちに、爪は円形まで変形を起こします。しかもその時、その内側では、移動した異常なケラチンが内部を埋め尽くすように移動して固くなって、鉛筆の芯のような形にまで変形いたします。
この時、第1,2層はほとんど構造的な変化はないのですが、第3層の変化によって、円形に変形いたします。
ですから、その形をもとの形に戻すのには、異常な構造に変化した第3層を除去して、構造をもとに戻して、本来の形に戻すことで、きれいな形に戻すことが可能です。巻き爪の変形が強いときに、その部分の外側を削って直そうとしている画像を見ることがありますが、それは誤りです。そのようなことをすべきではありません。第1,2層を削り取ってはいけません。元に戻した時、そこが欠損してしまいます。
巻き爪形成の原理を充分に理解することが重要です !