水分の変化による変形 | makidumedeskのブログ

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ケラチンの水分の変化による爪の変形は、木の変形を参考にして、考えました。

気が変形する場合、板状の木では、木の外側の水分が内側よりも多いということが原因で、乾燥した時には、板の木の外側部分のほうが内側部分よりも収縮が大きくなるために、外側部分が内側に巻くように変形するものです。

最近では、そのような変形を見ることが非常に少なくなりました。それは、そのような変形を起こすことが十分にわかってきているために、そのような変形を起こさないように、前もって対策をを施してあるからです。

ですから、爪でも、収縮を防ぐような対策を施しておけば、巻き爪は起こりにくくなるはずです。

そこで、爪の乾燥防止ということが重要になります。

老人になると、爪の乾燥が強くなり、入院しているときなど、爪がカラカラに乾燥している患者を見かけます。

これを見て、老人が、入院して歩かなくなったので、下からの爪を広げる力がなくなって、爪が巻いてきたという理論を発展させて、そのような論文を出した大学もありますし、それをそのまま信じ込んでいる医師も多数います。

しかしそれは、この現象を理解していないための誤りです。なぜならば、その理論の基では、爪はもともとまく性質があるということを大前提にしています。重要なことは、その点で、もともとまく性質とは、いったいどこから出てきて、個人差があるのかないのかという点が重要です。その個人差の大きさを、歩くときに発生する元の形に戻す力と比較しなければなりません。

実は、そのもともとまく性質というほうがはるかに大きな作用をしているのです。その性質が、爪の湿潤の変化によって、変形を強くしていくケラチンの性質で、そこに大きな個人差があるのです。つまり、ケラチンのその性質が強い人が巻いてくるのです。

遺伝的な巻き爪といわれている人では、親から子にその性質が遺伝します。そのような人では、その性質が強いときには、足の趾がすべてで巻き爪を起こしてきます。時には、手の指でも巻いてくる爪があります。また、きれいに円形に巻く現象も見られますし、鉛筆の芯のように先端が詰まって閉鎖してくる場合もあります。第3層の性質によって、そのような変形を起こしてきます。

巻き爪を起こしている爪を多数画像にとって調べているうちにそのような考えが生まれました。多くの異なった巻き爪を、その似た者同士を集めて、程度の順に並べていくと、巻き爪が徐々に変形していく様子を見ることができます。

外力で巻くという考え方は、一見いかにもまともな考え方に思われますが、実は、見えないところで働いている力を考慮しなければなりません。物理的に力が見える形で働いている以外に、水素結合の変化で、爪の下側で膨張・軟化と収縮・硬化wwwっを繰り返しているなどということは、力の加わっていることを実際見ているわけではないので、想定できなかったのでしょう。物理的に、外側から加わる力は、目で見えるので、わかりやすいので、それを想定して今うのでしょう。しかし実際には、目に見えない形で力が作用しているということを考慮しなければなりません。

この目に見えないところで発生している力こそが、ケラチンの水の変化による収縮と膨張による力なのです。

諏訪湖の御神渡りは、氷の膨張によっておこります。決して神様が起こしたものではありません。ただそのように信じて、そこに働く力を想像することができなかっただけです。

松本市にいたときに、春先にプールの氷が厚く凍っているところを歩いていたら、いきなり6角柱の氷の柱が多数できてそのまま下に落ちてしまったことがありました。どうしてそのようなことが起こったのか、とても不思議でした。きれいな6角柱の30cmくらいの氷の柱が多数結合してそこで厚い氷の層を作っていたのですが、それが、ばらばらになって、体重を支えることができずに、下に落ちてしまったのです。この氷の6角形の構造物をその後見ることはなかったのですが、阿寒湖の氷割をしているときに、ザクザクと同じ氷の構造物が出てきて驚きました。

なんと、厚く凍った氷が、温度の上昇で、その体積を減少させて、縦方向にきれいに割れて、6角形に割れて、特異的な6角柱の特異的構造物を作り、きれいに並んで、あたかも厚い氷が張っているように見えていたのです。きわめて厚い氷が張る寒冷地の湖で起こる現象で、それが、昔の松本の冬の間に水を張っていたプールで起こっていたのです。

この原理は、岩石が柱状節理を作るときと全く同じです。一定の距離のあるところで、内側にある物質が内側で収縮を起こすと、収縮によって割れて節理ができます。収縮する力で自らが割れるのです。外側にある物質が固くその距離が短くならなければ、自らが収縮して割れて、その距離の中で、割れ目と物質でその距離を埋めることになります。きれいな割れ目を作ります。その現象が爪の下側で起こっているとは、それまで、想像もしていませんでした。そのような目で、巻き爪にできる下側の割れ目を詳しく見ていくと、厚く硬くなった部分で、余計に強く大きな割れ目ができることがわかってきます。この割れ目こそが、そこに横幅方向で収縮している証拠となります。爪の下側にできている割れ目が、そこに、横幅方向で収縮を起こしている証拠なのです。実際にそこに力が働いていることを目で確認することはできないのですが、その結果として起きている爪の下側の割れ目が、そこで収縮する力が働いていたことを証明しているのです。

この力こそが、巻き爪変形を起こしている力なのです。

 

ケラチンの分子間の水素結合部分に水が出たり入ったりして、結合の手を変化させて、そこで発生する長さの違いが、膨張と収縮という現象を起こし、その分子間で発生する力が、爪の下側で、収縮力を発生し、爪の下側を短縮させようする力が、爪の巻き爪変形を起こしているということになります。