続いて、今年の箱根駅伝復路を振り返ります。
6区
駒澤が順調に差を詰めて追撃態勢に入るも、東洋は逆に離されてしまう。
帝京も区間19位と2分以上差を付けられる大ブレーキで、シード争いへ後退。
何かアクシデントがあったのだろう。
山下りは58分台なら相当に速いと思うのだが、59分ちょうどの国士館曽根でも9位。
ここも最近インフレが凄まじい区間やのぅ。
7区
駒大は1年生花尾を起用し見事区間4位と好走するも、創価・原富がそれ以上の走り。
6区で詰まった差がまたもや戻り、創価がいよいよ番狂わせの気配を強くし始める。
東洋はエース西山が満を持して登場するも、ペース配分を誤り失速。
ここで一気に差を詰めておくどころか、東海にも離されてしまった。
もはや10位以内が危うい明治も、実力者手島が区間11位に沈みいまだ圏外。
区間賞を獲ったのは、東国大の佐伯。
1万のベストが29分30秒弱の選手が、28分台ランナーたちに完勝。これがロード。
8区
創価・永井は区間8位でまとめ、2位以下のチームは大きく詰められず。
東海・濵地が区間15位に沈んで、創価とは約6分開いて優勝は絶望的に。
創価をとらえるチャンスがあるのは、実質駒澤と東洋の2校に絞られた。
大保が区間賞を獲り、ようやく明治にもエンジンがかかるが、まだ12位。
青学が6区以降は盛り返し、駒澤と復路優勝を争う。
9区
復路のエース区間。ここで決着か大手町決戦かが決まる。
大八木監督が自信をもって送り出した山野が、トップとの差を詰めるかと思われた。
しかし、1万のベストで彼に1分劣るはずの石津が区間賞の快走。
なんと歴代でも4位の好タイムというおまけつき。これが首位マジックか。
逆に駒澤、東洋に対しこの区間だけで2分近く差を広げ、最終区へ。
これで優勝争いは完全決着。視聴者的に残る楽しみはシード権争いに。
10区
大崩れさえしなければ、ウイニングランとなる23キロ。
ところがその大崩れが起こり、いつの間にやら駒澤の石川が創価に迫った。
終わってみれば区間1位と20位で、駒澤が歴史的な逆転優勝。
山区間以外でこれほどの差が詰まるとは、想像もしていなかった。
東洋、青学、東海と実力校は最後はきちんとまとめてきた。
青学は駒澤に僅か2秒差で勝って、意地の復路優勝を決めた。
個人的に注目の順大も7位に入り、予選会組としては唯一シード権をゲット。
総評
ミスのない駅伝を見せ、最後は惜しくも力尽きた創価。
が、これだけの短期間で2位に入ったというのは、亜細亜初優勝以来の衝撃。
11時間を切ってのこの成績、誇ってよいかと思う。
箱根本のラン芸人3人の予想では、10位以内にすら一人も入れていなかった。
駅伝が持ちタイムの競技ではないというのは、十分分かっていたことではあるが…。
28分台を過去最高レベルで揃えた明治が一度もシード圏内に入らなかったのとは真逆。
田澤、三浦、吉居、中谷、西山ら学生界の大物たちが今一歩だったのが残念。
駒澤は準エース小林以外の9人が3年生以下での優勝。
田澤が新3年生にして主将となるらしいが、再びの黄金時代を築けるか。
来年は多くの観衆の前で選手たちが気持ちよく走れるよう、祈るばかりです。