澤田瞳子『龍華記』 | たまには跳ばずに観るFOOTBALL

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ブログタイトルは遠い昔よくサッカーを飛び跳ねながら
観ていた名残り。

 

図書館本。

 

悪左府こと藤原頼長の末子、範長が主人公。

名門出身ながら興福寺の悪僧として描かれている。

平氏による南都焼討のきっかけを作り、復讐の連鎖を生んだ範長は…という物語。

 

ちょっと説教臭さも感じないわけではないが、結末含め読後感は悪くない。

ラストの山田寺のくだりは史実とは離れているという指摘もあるが、フィクションなので。

 

ところどころで範長と絡む運慶の役割が意外と少なくて残念。

あのキャラをもう少し生かして描いてくれれば、さらに話に深みが出たのではと思う。