海音寺潮五郎『悪人列伝 近世篇』 | たまには跳ばずに観るFOOTBALL

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ブログタイトルは遠い昔よくサッカーを飛び跳ねながら
観ていた名残り。

悪人列伝 近世篇 (文春文庫)/文藝春秋
¥価格不明
Amazon.co.jp
これまた図書館本。

本にだけは金を惜しむな、という先生の教えを極貧時代の大学生活も頑張って守ってきたのだが…
金というより置き場所が。
電子書籍は雑誌なら良いのだけど、なかなかタブで単行本は読む気にならんでのぅ。

さて、前回の古代篇に続き近世篇を読了。
今回は日野富子、松永久秀、陶晴賢、宇喜田直家、松平忠直、徳川綱吉

「悪人」といっても、現代の道徳に合わせたらというだけで、時代環境が違うからなぁ。
著者も「室町は歴代屈指の無道徳時代」「戦国の下克上は当然」という前提で描いている。

今作のインパクト最強は、真田幸村を討った男・松平忠直
一つ間違えば将軍となっていた男だが、これがほとんど“江戸のエリザベート・バートリ”状態。

もっとも、バートリは自らの美貌維持、若返りという目的が明確だった。
それに比べて忠直は
お気に入りの異常性格女を喜ばすためだから、何とも非生産的。
これでは大河にはできないわw

著者の凄いところは、野史も読み込んでこの史伝を書いているところ。
もちろん、信憑性についてはきちんと割引も行っている。
下手な歴史学者よりよほど勉強しているのではないかなぁ。