人に親切にしなさいと、子どものころにいわれませんでしたか。
なぜ、人に親切にしなければならないのでしょうか。
自分にとって利益にならないなら、親切にするのは損な気がします。
何かメリットがあるのでしょうか。
人に親切にする人は、自分も他人から親切にしてもらえます。
親切をすれば、親切が返ってくるのです。
親切が返ってくると思えない人もいるかもしれません。
他人に親切にしたのに「ありがとう」といってもらえないこともあります。
そういったことを考えると、親切をすれば親切が返ってくるとは思えないでしょう。
こんな実験があります。
被験者たちを、前もって文房具が無料で配られる群と、配られない群にわけます。
実験者は、被験者に公衆電話から電話をかけます。
この電話では
「番号を間違えました。もう小銭がないので、私の代わりに修理工場に電話をして、車の修理を依頼してもらえますか」
という内容を伝えます。
そして、実際に修理工場に電話をかけるかを調べます。
その結果、あらかじめ文房具を配られていた人たちの方が、そうでない人たちよりも頼みを聞き入れる傾向がありました。
文房具を無料でもらうという親切を受けた人たちが、代わりに修理工場に電話をかけるという親切をしているのです。
文房具を与える人をA、文房具を受け取る人をB、電話をかけるように依頼する人をCとします。
この実験では、まずAからBに親切がされています。
そして、親切を受けたBからCに対して親切をしています。
A→B→Cという親切の流れができているのです。
最初に親切をしたAには、直接親切が返ってきていません。
それでも、親切は連鎖をして、Aにはいずれ親切が返ってくるでしょう。
何かをした相手から直接親切が返ってくるとは限らないけれど、いずれ親切は返ってくるのです。
「なさけは人のためならず」という言葉があります。
これは、「情けをかけることは人のため人ならない」という意味ではありません。
本来は、「人に情けをかけるのは他人のためだけでなく、巡り巡って結局は自分のためになる」という意味です。
親切を誰かにすれば、その人はまた別の人に親切をします。
そうやって親切の輪が広がれば、世界はもっと平和になるはずです。
