ダイエットをしているある人(Aさんとします)が、通っているサロンの店員さんから
「お餅はダイエット中にいいんだよ」といわれたのだそうです。
その言葉を信じて、Aさんはごはんやパンの代わりにお餅を食べるようになりました。
やせるためには、摂取カロリーだけでなく、何を食べるかその中身も重要です。
では、お餅はダイエット中の食品としてよいのでしょうか。
結論からいうと、Aさんはやせませんでした。
お餅やお米にはでんぷんが含まれています。
でんぷんには、アミロースとアミロペクチンがあります。
アミロペクチンが多いと、もちもちとした食感になります。
お餅はアミロペクチンがほぼ100%です。
そのため、もちもちとした食感があります。
消化の早さは、アミロースとアミロペクチンでは、アミロペクチンのほうが早いです。
早く消化されるものを食べると、血糖値が急激にあがりやすくなります。
血糖値があがると、それを下げるためのホルモンのインスリンが分泌されます。
血糖値の上昇が早いほど、インスリンは急激に大量に分泌されます。
インスリンには脂肪合成の働きもあります。
つまり、インスリンが急激に大量に分泌されてしまうと、脂肪がつきやすくなる可能性があるということです。
アミロペクチンがほぼ100%のお餅は、ダイエットに向いているとはいえません。
Aさんは、サロンの店員さんがいっていることだから正しいと信じて、いわれたことを実践しました。
サロンの人ならば、ダイエットに詳しい気がします。
そのため、なにも疑わずに信じてしまったのでしょう。
でも、サロンの店員さんだからと、知識が豊富なわけではありません。
その人は、どこで何を勉強したのでしょうか。
提供される情報は、どこから得たのでしょうか。
そういったことを考えないと、信じてよい情報なのかわかりません。
医者だって知らないことがあります。
糖尿病の改善のためには、運動や食事の管理をして、体重をコントロールすることが大切です。
でも、医者はどういった運動をしたらいいのか、何を食べたらいいのか具体的なことは知りません。
医学部では主に薬を使った治療を学び、運動や栄養学などはほとんど学ばないからです。
そのため、「どういった運動をしたらいいですか」
「どんな食事をしたらいいですか」
と尋ねても具体的な答えは期待できません。
知識が豊富そうな人でも、実は詳しく知っていない場合もあるので、自分で考えることが大切です。
肩書にだまされてはいけません。
その情報が正しいのか、信じてよいのか自分で考えることで、よりよい情報を手に入れることができます。
そしてそれが、自分を守ることや、よりよい人生を作ることにつながります。