病気は、早期発見・早期治療が大切だといわれています。
病気が大きくなる前にみつければ、大きな治療をせずにすみます。
それによって、治療を受ける側の体の負担は減るし、治療費は抑えることができます。
一見、患者さんのためのようですが、ほんとうにそうでしょうか。
一見、患者に寄り添った考え方に思えますが、「医療費が安くなる」という名目で、病気の人を増やせば、病院に人が集まってきます。お得さま候補のご来店です。いくら早期発見・早期治療をしても、生きていれば、また新たな病名・症状は出てくるので、トータルで医療費が安くなるのかは疑わしいところでしょう。
『家で死のう!』 萬田緑平
医療機関は慈善団体ではないので、利益を得なければなりません。
一般の企業は、収益がすくなければ社員を養うことができません。
利益がでなければ、企業を存続させることは難しいです。
医療機関だって同じです。
一般の企業ならば、ものを売る、サービスを提供するといったことで利益をえます。
医療機関の場合は、診察をする、治療をするといったことで利益をえます。
利益をえるためには、患者さんを獲得する必要があります。
そのための手段が、早期発見・早期治療であり、人間ドッグなのです。
早期発見・早期治療のために検査をうけても、寿命がのびたり、治療の負担が減ったりするかは疑問です。
タレントの北斗さんは、毎年かかさず乳がんと子宮がん検診を受けていたのだそうです。
それでも、乳がんで乳房全摘手術をしなければなりませんでした。
逆に、検診を受けたために病気のリスクを高めることもあります。
レントゲン検査では、放射線をあびることになります。
放射線はがんのリスクを高めます。
バリウム検査によって腸閉塞を起こすリスクがあります。
検診を受けないほうがよいというのではありません。
しかし、その検診はほんとうに必要なものでしょうか。
「早期発見・早期治療をしましょう」には、利益を得たい医療を提供する側の考えが隠されています。
いわれたから受けるではなく、検診を受けるのか自分で考えることが大切です。
いわれたから受けるようでは、自分の体を他人に任せていることになります。
命をあずけてしまってよいのでしょうか。
自分の体は自分で守らなければなりません。