在来種の野菜の種を採取している農家さんがいます。
この方は40年ほど、種の採取を続けています。
種の採取は、よい作物を選んで、花が咲いて種ができるまで育てて行われます。
よい作物を選んで種を実らせると、種を蒔いてつぎに育てる作物がよりよいものになっていきます。
では、つねに見た目が美しく最高のものを選んで育てて、種を採取すれば、ものすごく素晴らしい作物になるかというと、そうではないようです。
そうやって、自分の判断で厳しく選抜をしていくと、たしかに10年目くらいまでは毎年少しずつ見栄えのいいニンジンが採れるようになっていきました。
でも、厳しくやればやるほど、だんだんと毎年、種の採れる量が減ってきてしまったのです。
『種をあやす』 岩埼政利
種を採るための作物の姿に幅をもたせるようにしたら、種の採れる量が増えていったそうです。
そして、作物は元気になっていきました。
自然界のことは人間にもあてはまります。
髪の色、目の色、体型、性別、年齢など、さまざまな人間が地球には暮らしています。
そうやっていろいろな人がいるからこそ、人間の世界はうまく回っているのだと思います。
もしもみんな同じだったら、環境の変化に耐えられないとか、問題に直面したときにみんな同じ考えで解決策が見つからなかったりして、人間は絶滅してしまうかもしれません。
多様性があるからこそ、うまくいくのです。
髪の色や目の色が違うから、考え方が違うからといった理由で、他人を攻撃したり、排除しようとしたりする人がいます。
人は自分が受け入れられないものを排除しようとします。
受け入れられないもの、わからないものは怖いのでしょう。
違うからといって何が悪いのでしょうか。
ひとりひとりが違うからこそ、人間は生きていけるのです。
人と違うからと、劣等感を覚えたり、引きこもりになったりしている人もいると思います。
でも、人それぞれ違ってよいのです。
違うからこそ素晴らしいのですよ。
