この人の成長を助けたい、もっとよくなって欲しいと思って、いろいろ手を貸したくなることがあると思います。
それによって、その人の成長の手助けになることもあります。
でも、それがその人にとっての負担になることもあります。
小さな芽が出たら、それを上手に育てていきたいですね。
なかなか芽が出てこないからといって、土を掘ってまで何とかしようとしても、うまくはいかないものです。無理に追わなくていい。
『いのちのことば』 佐藤初女
チューリップを早く咲かせたいからといって、土を掘り返してしてもチューリップは咲きません。
咲かせるためには、春までじっと待つ必要があります。
じっと待っている間が無駄なのではないです。
その間、土の中では花を咲かせる準備がちゃくちゃくと進んでいます。
人についても同じです。
芽が出るタイミングは人それぞれです。
ときには、じっと待たなければならないときもあります。
芽が出てこない間、それが無駄になっているのではなく、その人の内側では何かの働きが行われています。
それは、外からではわかりません。
その何かが、ある日突然芽となって現れきます。
たとえば、自分の子どもは正社員として働かず、アルバイトをしているとします。
そのことを親は心配しています。
早く正社員になって欲しいと、せっつきたくなることもあります。
こんなとき、いろいろうるさくいっても、子どもが変わらないことってありますよね。
子どもがぶらぶらしているように見えたとしても、その人の内部では何かの作用が働いているのかもしれません。
いろいろ考えているのかもしれないのです。
そして、あるとき芽を出すことがあるかもしれません。
周りの人ができることは、忍耐強く見守ってあげることです。
ときには、周りからの働きかけが必要なときもあるかもしれません。
それでも、その人にはその人のペースがあります。
早くできる人もいれば、時間がかかる人もいるでしょう。
早くできることが素晴らしいのではありません。
進むペースがゆっくりでもいいのですよ。
自分のペースを守って進んでいきたいですね。
そして、周りの人はその人のペースを尊重して見守ってあげたいですね。