傷は悪いものではありません。
傷があるから生まれる美があります。
金継ぎは傷があったからこそ生まれる美です。
金継ぎとは、割れや欠けなどのある陶磁器や漆器を漆を使ってつなぎ合わせる、日本の伝統工芸の一つです。
漆でつなぎ合わせた部分は、金粉など使って装飾します。
傷がなければこのような美は生まれません。
傷があるからこそ、傷がないものには生まれない美が誕生するのです。
人間にも傷があるからこそ生まれる美があります。
傷があるから他人の痛みがわかります。
傷があるからこそ他人に優しくなれます。
心の美しさ、内面の美しさです。
自分が傷ついた、悪いことだ、と考えてしまうかもしれません。
でも、その経験は決して無駄ではありません。
その経験があったからこそ、見えてくるものがあります。
そして、その経験があったからこそ、生まれる美もあります。
陶磁器や漆器は壊れたからもうお終いなのではありません。
金継ぎなどして修理をすれば、また使えるようになります。
人も傷ついたら終わりなのではありません。
そこからまた一歩を踏み出すことができます。
傷は悪いものではありません。
傷ついている自分を否定する必要はないです。
その傷があったからこそ輝くものが生まれます。
