前回の続きです。
上手なコミュニケーションとは、自分も相手も大切にするものです。
攻撃的でもなく、自分の意見を抑えるものでもありません。
では、具体的にどうすればよいのでしょうか。
ポイントは「あなた」ではなく「私」を主語にすることです。
「あなた」を主語にすると、攻撃している、決めつけていると受け取られてしまいます。
攻撃していると受け取られてしまうと、反撃されます。
これでは会話がうまく成り立ちません。自分が伝えたい事柄を聞いてもらえないです。
「私」を主語にした場合は、攻撃しているのでもなく、決めつけているのでもありません。
私について話しているのであって、あなたについて話しているのではないからです。
攻撃されていないとわかると、安心して話を聞くことができます。
自分の伝えたいことを聞いてもらうためには、まず聞く姿勢を整えてもらう必要があります。
攻撃してないと伝わり、安心してもらうことで、聞く姿勢が整います。
具体的には、次の4つのことを伝えるようにします。
・客観的に見た現在の状態
・自分の気持ち
・自分がこうして欲しいということ
・こうして欲しいを受け入れてもらえなかったときの代替案
たとえば、靴下を脱いだら洗濯カゴの中に入れておいて欲しいとします。
でも、家族は廊下に脱ぎっぱなしにしてしまいます。
このときの伝え方です。
「靴下が廊下に置きっぱなしになっていると(現状)、私が拾って洗濯カゴに入れなければならなくて大変なんだ(自分の気持ち)。脱いだら洗濯カゴに入れておいてくれると(こうして欲しい)うれしいな。せめて、あちこち散らばらせないで、まとめておいてもらえるかな(代替案)」
これを攻撃的ないい方にすると、「なんであなたはいつも靴下を脱ぎっぱなしにするの!洗濯カゴに入れてって、いつもいっているでしょう」といった感じになります。
いわれた方はどう思うでしょうか。
勘違いしないで欲しいのは、相手をコントロールしよう、自分の言い分を通そうとするものではないことです。
自分のこうして欲しいを、相手は受け入れてくれないこともあります。
それでも、「私」を主語にすることで穏やかに会話ができて、自分のいいたいことがいえる利点があります。
そして、相手を嫌な気持ちにさせにくいです。
自分も相手も大切にするコミュニケーションです。