自分の考えを押しつけて他人を変えようとすると、たいていうまくいきません。
たとえば、こんなふうに。
母「(ソファーに寝転がっている娘に向かって)何度いったらわかるの!カバンをソファーに置きっぱなしにしないでっていっているでしょ」
娘「(スマホをいじりながら)わかったよ。あとで片づけるから」
母「今片づけて。あとでなんていって、結局片づけないんだから」
娘「うるさいなー」
母「何よ、親に向かってうるさいなんて。だいたい、あなたはいつもだらしないんだから」
(この後も言い争いが続く)
自分の考えを押しつけて他人を変えようとすると、言い争いになってしまうことが珍しくありません。
何かを伝える人も、伝えられる人も、言い争いなんてしたくないはずです。
人は押しつけられたり、命令されたりすると、反発したくなります。
そのため、命令をしたりするとうまくいかないのです。
さっきの母と娘のやり取りは、母が自分の考えを娘に押しつけています。そのため、娘は反発をしています。
では、どうしたらうまくコミュニケーションできるのでしょうか。
コミュニケーションの方法には、非主張的なもの、攻撃的なもの、自分も相手も大切にするものの3つがあります。
非主張的なコミュニケーションは、自分の考えを伝えず、相手の言いなりになってしまいがちです。
相手のことを考えているのでしょうが、自分を大切にしていません。
攻撃的なコミュニケーションは、自分のいいたいことだけをいって、相手の気持ちを考えていない伝え方です。
さっきの母と娘のやり取りでは、お互いがいいたいことだけをいって、相手の考えに耳を向けていません。
これは攻撃的なコミュニケーションです。
自分も他人も大切にするコミュニケーションとは、自分の考えを伝えて、そして相手の考えにも耳を傾けるものです。
自分の考えを伝えることは、自分を大切にしているといえます。
相手の考えに耳を傾けるのは、相手を尊重していることになります。
うまくいくコミュニケーションは、自分も相手も大切にする方法です。
では、具体的にどのようにすればいいのでしょうか。
次回に続きます。