先日、重いものを持ったら腰を痛めてしまいました。
ストレッチをしてもよくなりません。
むしろ、体をひねったり、前屈・後屈をしたりすると痛くなるような気がします。
腰痛の原因ははっきりしていないそうです。
椎間板ヘルニアだとか、骨格がゆがんでいるからだとかいわれていますが、椎間板ヘルニアがあっても、骨格が本来の正しい形でなくても、腰痛にならない人はいます。
作家の夏樹静子さんは、3年もの間、激しい腰痛と倦怠感に悩んでいたそうです。
椅子に5分座っていることすらつらく、電車や飛行機では、座席に横になっていないとつらい状態だったそうです。
いくつもの病院にいってレントゲンやMRIをとったけれど、異常は認められませんでした。
筋肉が少ないことが原因なのではないかといわれて、水中ウォーキングを行っていた時期もあります。
しかし、筋肉がある程度ついても腰痛は改善しませんでした。
気功や鍼灸なども行いましたが、それでも改善しませんでした。
肉体に対して何かをしても改善しなかった腰痛ですが、あることで痛みがなくなりました。
夏樹さんが行ったあることとは、絶食療法です。
入院をすすめられて、絶食療法をすることになりました。
夏樹さんの腰痛の原因は心因性だと思われます。
しかし、夏樹さんはそのことを認めたがりませんでした。
絶食療法には、考え方を柔軟にする働きがあるそうです。
絶食療法をして思考を柔軟にし、心因性であることに気づかせようと、医師は考えたのです。
やせること(肥満は腰への負担が増える)や、絶食をして宿便を出すことが目的で絶食療法を行ったのではありません。
目的は、考えを柔軟にすることです。
考え方が変わったことで、夏樹さんは腰痛を改善しました(絶食療法を自己判断で行わないでください)。
マインドフルネスで痛みが軽減したという報告もあります。
20歳から70歳の慢性腰痛の成人342人を対象とした試験です。
対象者を無作為に、マインドフルネス群、認知行動療法群、通常のケア群にわけます。
26週間後の時点で、マインドフルネス群は60.5%、認知行動療法群で57.7%、通常ケア群で44.1%の改善がみられました。このことから、マインドフルネスが腰痛の改善に役立つのではと考えられます。
マインドフルネスには、ストレスや不安を取り除き、心を落ち着かせる働きがあります。
気持ちの面に働きかけるのです。
マインドフルネスで腰痛が改善するのは、腰痛が気持ちの面と関係しているからではないでしょうか。
心と体はつながっています。
気持ちが体に影響を与えることもあれば、体が気持ちに影響を与えることもあります。
腰の痛みに気持ちが関係することもあるのです。