うんちは汚いもの
うんちは隠したいもの
そう思っている人は少なくありません。
トイレで排泄をしたら確認をせずにすぐに流す。
学校や職場でうんちをするのは恥ずかしい。
これらの行動や考えをするのは、うんちをできるだけ遠ざけたいからではないでしょうか。
そんな嫌われもののうんちですが、生物や環境にとって大切な役割を果たしています。
まず、生物にとってのうんちです。
うんちは食糧になります。
クチグロアナウサギという、チベット高原に生息するウサギがいます。
チベット高原では、冬になるとほとんどの植物が枯れてしまい、ウサギの食糧となるものがありません。
そんな環境でエサとするのがヤクのうんちです。
ウサギやネズミは自分のうんちを食べますが、クチグロアナウサギは他の動物のうんちです。
他者のうんちを食べるとは、どういった気持ちなのでしょう。
臭くないのでしょうか。
厳しい環境で生きのびるための戦略です。
なわばりを示すためにもうんちが使われています。
カバがうんちをするときには、しっぽを左右にふってうんちを飛ばします。
これは、うんちのにおいを広げてなわばりを示すためです。
うんちにはにおいがありますよね。
においは食べたものや腸内細菌の影響を受けてできるもので、動物の種類によって違います。
においの違いを利用して、動物は敵を避けたり、反対に近づいたりもします。
たとえば、草食動物の関係。
シカやレイヨウなどの草食動物は、オオカミやライオンなどの肉食動物のうんちには近づきません。
キツネの一種はオオヤマネコのうんちのにおいに気づいて近づきます。
オオヤマネコの食べ残しにありつこうとしての行動です。
生き残るためにうんちが重要な役割を果たしているのです。
人間もうんちを利用してきました。
ヤクのうんちは家の壁に利用されます。
草食動物は植物を食べ、その植物には食物繊維が含まれています。
反芻をしたり、腸内細菌の働きに依存をしたりして、食物繊維は消化されますが、それでも未消化物がうんちには含まれています。
未消化の食物繊維は壁の強化剤となります。
うんちを使った壁に囲まれていると思うと、ちょっと気持ち悪いです。
壁からにおいがしないのでしょうか。
ジャコウネココーヒーというものがあります。これは、ジャコウネコが食べたコーヒー豆が腸内を通るときに腸内細菌の影響を受けて発酵したものです。
コーヒー豆はうんちと一緒にでてきます。
それをコーヒーにして人間が飲みます。
うんちの中のものを取り出して口にするのは、私だったら抵抗があります。
そして、環境にとってのうんちです。
干潟には魚や鳥が集まり、うんちをします。
そのうんちを貝類やゴカイなどが食べて、うんちをします。
そして、干潟が浄化されていきます。
汚いと思われているうんちが浄化に役立っているのです。
生物がいて、うんちをして、それを食べるものがいる。
そうやって物質が循環をしています。
うんちは汚いものだと嫌われていますが、他の生物たちは食べたり、なわばりを示すために使ったりしていて、汚いなんて思っていません。
食糧になり、自身を守る道具にもなり、壁の材料にもなり、役立つ物質なのです。