不登校、うつ状態、ひきこもりなど、思春期にはさまざまな問題がでてきます。
そんな思春期の子どもに対して親は何ができるのか。
それを解説している本が『思春期に心が折れた時 親がすべきこと』です。
思春期の子どもの問題には、家庭の問題が隠れていることが珍しくありません。
(本書では14人の例が紹介されています)
「14人は親子関係のねじれや両親の夫婦関係の問題を解消することにより、改善に向かったケースである」(引用)
本書の症例のひとつ、身体的な症状がないにもかかわらず、頭痛、しびれ、吐き気などの身体症状が現れてしまう身体症状症に悩む中学1年生の女の子のケースです。
この子を仮にA子さんとします。
母親は離婚をしています。
そんな母親のことをA子さんは「かわいそう」「私が守ってあげなければ」と思っています。
そして、母親は娘が一番話しやすく、相談相手になってもらっています。
A子さんの問題の背後には母親との関係があります。
母親が娘を頼っている、そして娘が母親の世話役になっている。
それが、思春期の成長のさまたげになったり、心に負担をかけたりしてしまっているのです。
このケースでは、母親が娘以外の相談相手をみつけ、物理的にも精神的にも距離をとることで、吐き気などの症状が徐々におさまっていきました。
思春期は親離れ、子離れする時期です。
親の対応によっては、親離れがさまたげられてしまうこともあります。
これが思春期の問題の原因のひとつになるのです。
親は、子どものためと思って、あれこれ助言をしたり、手を出したりしてしまいがちです。
でも、それは本当に子どものためになっているのでしょうか。
子どもがつらい思いをしているところをみたくない、苦労をさせたくないなど、親の気持ちでやっていませんか。
本当に子どものことを思うなら、多少の苦労を自分で経験する必要があります。
そうして、実際に自分で体験するからこそ、どうしたらよいのか対処できる力がついてきます。
それが成長につながり、自信をつけることにもつながります。
そして、本当に子どものためを思うなら、家庭のあり方や夫婦関係に目を向ける必要があります。
子どもが不登校になると学校に問題があるのではないかと思うかもしれません。
たしかに、そういった場合もあります。
でも、実は母親・父親の問題であることも少なくありません。
家庭の問題を子どもが症状として代弁しているのです。
家庭のことに目を向けるのはつらいかもしれません。
それでも、子どものことを思うなら、目を向けなければなりません。
子どもが安心できる環境を整えること、そして親離れできるような対応をすることが、思春期の問題を乗り越えるために親ができることなのです。