脳の働きがよくなる食べものがあったらいいと思いませんか。

損な食べものがあったら、毎日仕事がスムーズになり、試験勉強の内容が頭にスラスラと入ってきそうです。

 

脳は主にグルコース(ブドウ糖)をエネルギー源にしていて、1日の代謝エネルギーの約20%を使っています。

グルコースを代謝するためには酸素が必要です。

その酸素を運んでいるのが血液中の赤血球です。

 

赤血球は鉄を含むヘムとグロビンというタンパク質でできています。

ヘムは酸素と結びつく力が強く、結びついた酸素を全身に運んでくれています。

 

ところが、鉄分の摂取量が少ないと貧血になってしまい、酸素が体の隅々に行き渡りにくくなります。

 

脳が酸素不足でグルコースをうまく代謝できなければ、脳の働きに影響が出ても不思議ではありません。

 

鉄分摂取と認知機能に関するペンシルベニア州立大学のベアードの調査によると、血液中の鉄濃度が精神機能や認知課題の成績に影響する可能性が示唆されています。

 

この調査では、149人の成人女性を対象にしています。

女性は毎月生理があり鉄分を失っているので貧血傾向の方が少なくありません。

調査に参加した149人中、血液中の鉄濃度が十分だったのはわずか42人でした。

 

これらの女性は鉄不足の女性よりも認知課題を上手にこなすことができました。

 

血液中の鉄濃度が低かった女性でも、鉄補助剤を16週間摂取してもらったところ、認知成績が5~7倍高まったと報告しています。

これは鉄濃度が十分な女性とほぼ同じ成績です。

 

鉄分は認知機能以外にも体のさまざまな面で重要な働きをしています。

 

鉄分不足は貧血を招き、十分な酸素が脳に届かないため頭痛を起こすことがあります。

 

酸素は脳以外の体の部位にも必要で、酸素が足りなければ代謝がスムーズに行えず、疲れやすさを感じます。

ちょっと動くだけですぐに息切れするようなら、鉄分不足の疑いがあります。

 

血流の悪化によって目の下にクマができてしまいます。

 

鉄には活性酸素の一種である過酸化水素を分解する酵素の成分になり、抗酸化に欠かせません。

活性酸素をうまく処理できないと、細胞や組織が傷つけられて老化が進行をします。

シミ、シワ、たるみなどは活性酸素の影響です。

 

セロトニンやノルアドレナリンを作るためにも必要です。

セロトニンの場合だと、さまざまな栄養素の働きを受けながら、トリプトファンから5-HTP、セロトニンの順で代謝されていきます。

不足をすればセロトニンまで代謝が進まず、心の不調につながる心配があります。

 

このように鉄分は体のさまざまな部位で働いています。

 

しかし、1日の鉄摂取推奨量を十分に満たしている日本人は多くありません。

218年の国民健康・栄養調査では、1日の平均鉄摂取量が男性は7.9mg、女性は7.2mgでした。

1日の鉄摂取推奨量は成人男性で7.9mg、成人女性で10.5mgなので、女性は3.3mg足りていません。

 

特に妊娠中、授乳中の女性には鉄分摂取を意識して欲しいです。

乳児はお母さんの母乳から栄養をもらっていて、お母さんが鉄分不足だと乳児に与えられる鉄分が少なくなってしまいます。

母乳は血液からできていて、血中の鉄分濃度が低ければ母乳に含まれる鉄分も少なくなってしまうと考えられます。

これによって乳児の鉄分不足になり、免疫力や認知機能に影響を与えることが心配されます。

 

・爪の色が白い

・立ちくらみをよく起こす

・頭痛がする

・爪が割れやすい

・やる気が出ない

・冷え性である

 

こういったことに複数当てはまるようなら鉄分が不足している可能性があります。

 

心・脳・体の健康にとって重要な鉄分ですが、日本人女性は不足しがちです。

自分自身の健康や美容のために、そして妊娠を考えている方はこれから生まれてくる赤ちゃんのために、鉄分はしっかり摂っておきたい栄養素です。

 

では、どんな食品に多く含まれているのでしょうか。

それは次回に紹介します。

 

 

参考文献

食の未来 地中海食からゲノム編集まで (別冊日経サイエンス222)

 

 

オーソモレ栄養医学研究所 https://www.orthomolecular.jp/nutrition/fe/

「健康食品」の安全性・有効性情報 https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail675.html

大塚製薬 https://brand.taisho.co.jp/alfe/hb/iron_check.html