うつ状態にはインターバル速歩走る人がよいという報告があります。

 

松本市の700人あまりの中高年を対象にした試験です。

参加した方たちには、うつ自己評価尺度を使ってうつ状態の程度を判定しました。

点数で評価するのですが、16点以上はうつ傾向です。

そもうち20%あまりが15点以上でした。

 

この人たちにインターバル速歩きを5か月間実施してもらったところ、うつ尺度がほぼ正常レベルにまでなりました。

 

 

インターバル速歩きとは、最高酸素消費量の70%の運動強度の早歩きと、最高酸素消費量が40%以下の普通歩きを交互に3分間ずつ行う歩き方のことです。

3分間以上早歩きを続けているときついので3分としていますが、それ以上継続できるのであれば3分以上でも構いません。

試験では、早歩きを1日15分以上、週に4回以上行ってもらっています。

普通歩きはどの程度の長さ行っても構いません。

重要なことは早歩きで、週に合計で60分の早歩きをすることがポイントです。

 

 

では、なぜうつ傾向が回復したのでしょうか。

それには、ミトコンドリア機能の改善による慢性炎症反応の抑制が考えられます。

 

車のエンジンの性能が落ちると排ガスを多量に排出するようになります。

ミトコンドリアはエネルギーを作る器官で、車でいうとエンジンのようなものです。

ミトコンドリアの機能が低下をすると、活性酸素という排ガスを多量に排出するようになります。

活性酸素は細胞や組織を傷つけて炎症を引き起こします。

 

捻挫など炎症を起こすと、腫れ、痛み、赤み、熱などの症状がみられますが、慢性炎症ではこのような症状はみられません。

 

うつ病はセロトニンの不足が原因だとする説があります。

炎症が起こっていると炎症を鎮めるためにトリプトファンが消費されます。

トリプトファンはセロトニンの原料にもなるので、炎症を鎮めるためにトリプトファンが使われてしまうと、セロトニンを作るためのトリプトファンが少なくなってしまいます。

その結果、セロトニンの分泌量が減少することに。

 

インターバル速歩きを継続すると、筋肉量が増え、最高酸素消費量が上がり、ミトコンドリアの機能が改善します。

ミトコンドリア機能が改善をすると活性酸素の発生が抑えられ、それによって慢性炎症が抑制されれば、セロトニンを作る方にトリプトファンが回される可能性があります。

こういったことがうつ状態の改善に役立つのではないかと考えられます。

 

 

 

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