「1日350g以上の野菜」は世間に浸透してきているように思います。
厚生労働省が提唱をしているものですが、なぜ350gなのでしょうか?
これよりも少なくても、多くてもいけないのでしょうか?
350gの理由を考えてみます。

 


食べものの健康効果を考えるとき、欧米では「フルーツ&ベジタブル」と果物と野菜を一緒に考えています。

野菜と果物の摂取量と健康の関係を調べた研究では、1日5サービングていどの野菜や果物を摂取していると、死亡率が低くなるという結果になっています。
1サービングは78.5gほどなので、5サービングは385~400gになります。
欧米では「5servings a day」というメッセージがよく使われています。

 

厚生労働省によると、350gといわれてもどれくらい摂取したらよいのか難しいので、野菜1皿を70gと計算して、70g×5皿で350gとしているようです。

1つの料理として考えると、どれくらい食べたらよいのかわかりやすくなります。

 

 

では、実際どれくらいの量を食べているのでしょうか。


日本人の1日の野菜摂取量は、平成23年度の調査では20~29歳の人たちは233.4g、70歳以上の人たちは293.6gとなっています。
果物の摂取量は、平成23年度の調査では20~29歳の人たちは71.8g、70歳以上の人たちは155.0gとなっています。

野菜と果物をあわせて385g近く摂取できているようです。

 

 

食事と健康の関係に関する研究では、野菜と果物を一緒に考えています。
それなのに、なぜ日本は野菜を強調するのでしょうか。

 

西ヨーロッパの調査によると、ヨーロッパでは野菜よりも果物摂取量が多いという結果が出ています。
それに対し、日本の国民健康・栄養調査報告によると、果物よりも野菜の摂取量が多いという結果になっています。

日本人は果物をおやつや食後のちょっとしたデザートとして食べることが多く、西ヨーロッパよりも果物摂取量が低いのでしょう。
また、果物よりも野菜の方が安くて手に入れやすいので毎日食べやすいです。

世界では野菜と果物の合計の摂取量で考えていますが、日本人は野菜の方が摂取しやすいことを考えて、「1日350g以上の野菜」と特に野菜を強調していると考えられます。

 

 

参考書籍

『佐々木敏のデータ栄養学のすすめ』