サッカーワールドカップ、壮行試合、日本対韓国
前半6分、パクチソンの見事なゴール
その後後半終了間際カウンターからPKで2視点目で試合終了
乾杯。。。オイ!
完敗
たぶん、久しぶりに韓国に子ども扱いされて負けた試合ではないでしょうか?
韓国にとって日本など敵ではない
どこかそんな風に感じられたのはワタシだけだろうか
むむむ、これは、かなり、まずいです
日本、ここから立て直すことができるか?
岡田監督に期待していいのか?
監督が試合をするわけではない
やはり、選手一人一人がこの状況をなんとかしようとがんばってもらわなければね
まぁ、海外組みの本田、長谷部が奮起して、チームをまとめていてほしい
それにしても。。。結果的には長友の右は、ある程度生きていたが、はたしてこれでいいのだろうか?
前述したが、ワタシが考えるワールドカップの戦い方では、左の長友は絶対条件なんだけど。。。
そういう意味でも、今ひとつ腑に落ちない試合だたなぁ
人生の選択肢は実に多彩であり、それはたとえどんなに制約を受けた生涯であっても「なにも選択が許されない」という状況は限られている
たとえばあなたは目的地に行くのに無限の選択肢を選ぶ機会があることをご存知であろうか?
その選択肢のうち、ほとんどの道は予定通りの時間に目的地にたどり着くことができる。しかし、あなたが選択しなかった「別の選択肢」では、実は無事には目的地にたどり着けないような「選んではならない道」が1つある。
また、どんなに無数の選択肢があっても、そのひとつの選択肢しか選べないような、すべての世の中の事象が、そのような方角に「選択者」の視野を狭めることがある
あのときのボクらは、あの日、あの時に「扉を開けない選択肢」が無数にもあったにもかかわらず、あの日の4人には、避けることにできない「規定の道」ができあがっていたのだろう
あの日、いつもの公園に行ったことも、すでに逃れることのできない「無事にはすまない」選択肢の道筋だったに違いない
題:蟲 作者:めけめけ
第4章 ヤマンバ
ボクらは後ろめたい気持ちから逃れるように、安住の地、約束の地、いつもの公園へと急いでいた
曲がり角を越えるたびに、目的地へと近づいている喜びと、微妙にいつもとちがう表情を見せる町並みに、ボクの意識は、すっかりと興奮状態になっていた。。。普段は目に入らない町並みの闇。。。灰色の部分はすべてくすんで見え、新緑に萌えるような緑も、どこかまがまがしさを含んでいた
公園はいつになく静かで、今日に限っては、同じ学校の生徒や小さい子供ずれの親子が砂場で遊ぶ姿もなかった。。。子供の笑い声が聞こえない、静まり返った公園は、どこか無機質で、小さい子供が遊ぶためのコンクリートでできた動物たちが、まるで行きも物死骸のように散乱していた
この公園はちょうど学校の真裏の高台の上にあり、小さな子供が遊ぶための滑り台、ブランコ、砂場、ライオンやキリンの形をした3歳くらいの子供がまたがれるようなオブジェがある
高台の下には国鉄の線路があり、この公園からは鉄道の写真を撮るマニアもまれに見かけることがある
遊具のある、日当たりのいい遊び場と、学校裏手へと続く散策路は、銀杏や桜の木が植えてあり、夏であれば風通しもよく、涼むのにちょうどいい
ボクらは木が生い茂るところには行く気になれなかった
当然である
あれだけの毛虫を先ほどまで、躍起になって「退治」してきたのである。。。ボクらはSが持っていたカラーボールでキャッチボールをはじめたが、いつしかボールのぶつけ合いになり、そのボールを使った鬼ごっこにやがてそれは発展した
ボールを投げる、よける、ぶつけられたら、鬼は交代。。。シンプルだが、公園には適度な障害物があるので、実にスリリングだ、そして何よりボクらは抜群に運動神経が発達していた。。。誰も上れそうもない、壁や、木、飛び越えられないような幅の段差、潜り抜けられなそうなわずかな隙間もお手の物だった
野球やドッチボールでは活躍できないけど、こういうことならクラスの誰にも負けない自信があった
だからこの公園も隅々まで知り尽くしている
木の上から眺められる風景、どこの木にどの季節にどんな花が咲き、実がなるのか、どんな昆虫がどこにいるのか、トイレの屋根の上はどうなっているのか、公園のフェンスのどこに隙間があるのか。。。
このゲームの。。。ボール鬼ごっこの結末は大体決まっている
ボールが間単にはとれないところに転がってしまい、今度はそれはとることに遊びの主体が変わっていくのである
このときはUが鬼のときにそれは起きた
あれー、ボールがないなぁ
Uの投げた渾身の一級はSの肩口から首筋をかすめって散策路の木々の中に入り込んでしまった
あー、あー、なくすなよー、さがしてよー
Sは口を尖らせて。。。こんなとき、Sはいつも口を尖らせる。。。こっちのほうに投げるなよなぁー
みんなでボールを捜しに散策路へと入っていく
散策路の地面にはほとんど日が当たらない。。。それだけ木々の葉は太陽の光を独占しようと懸命に空に向かって伸びており、コンクリートで舗装されていない部分の土は、いつも湿った状態である
夕方も4時を回ってだいぶ空気がひんやりとしてきている
散策路にはいって、みんなあることに気づいた。。。だれもいないと思っていた公園。。。しかし、そうではなかった。。。ヤマンバがいたのである
ヤマンバ。。。いつからか、それは、ボクらがこの公園で遊ぶようになってからなのか、その前からなのか。。。ボクらの小学校に通う子供ならたいがい、誰でも。。。少なくとも男の子は。。。知っている存在。。。これといってなにかするわけではないのだが、子供にとって、怖い目をした老婆は、どこか畏怖の存在であり、まして浮浪者のごとく、清潔感のかけらもないいでたちに、何かを公園で拾いあさる姿は、子供のころ、旅人を泊めては殺して食べていたというヤマンバのイメージとすっかり重なってしまうのであった
やばい、ヤマンバがいるじゃん
Oが最初に口を開いた
ガビーン、やばいのだ
Uはいつも、こんな調子である
早くボール捜してよ
Sはボールのことしか頭にないようだ
ヤマンバは何をしているのか、落ち葉をスコップのようなもので掻き分けて、何かを探しているようだった。。。聴いた話では、食べられるきのこが、ここに自生しているらしいが、学校では、ここにはどききのこがあるから、むやみに触らないようにと、理科室の先生に注意された上級生がいるらしいと、Kがいっていたのを思い出した
毒キノコでもとっているのかなぁ
Oは、もはやボールを探そうとはしておらず、ヤマンバが何をしているのかが、気になってしょうがない様子だ
たぶん、ヤマンバにはこちらのことは気づかれているだろう
公園で大声で遊んでいたのはボクらしかいないのだから、こちらに来たのも気づいているだろうけど、まったく意に介さない様子で、黙々と落ち葉を払っては何かを探しているようだった
あった
Uがボールをみつけたようだ
なにー、ギョギョギョー
Uの漫画のキャラクターの物まねは、ほぼ完璧であり、あのキャラクターにモデルがいるとすれば、きっとUに似たやつに違いないとSもOも言うほどに、Uの演技は完璧だった
なんじゃ、このきのこは
青いSのカラーボールはオシロイバナの枝の下にあり、そこにはなんとも毒々しい黄色いきのこが生えていた
これ、ドクキノコじゃねーか、そのボールやばいんじゃないの
いつの間にかOも寄ってきていた
だって、どーすんのさ、平気だよ、洗えば
Sは口を尖らせながら小枝を拾いボールを書き出した
手、洗えよなー
うわー、えんがちょー
Uは時と場所をわきまえることをもう少し学ぶべきだった
Sはすっかりへそを曲げ、さらに口を尖らせた
お前が投げたからいけないんだろー
Sの目は少しなみだ目になっている。。。あまり、ここまで興奮しているSを見たことはない、よほどこのボールがお気に入りだったのか、あるいは毒キノコが怖かったのか
触るんじゃないよ!
4人とも一瞬凍りついた。。。雷にでも打たれたかのように全身に緊張感が走り、髪の毛が逆立つ感覚。。。ヤマンバが僕らのすぐそばにきて、スコップを片手にボクラをにらんでいた
つづく
はじめから読む
第5章
たとえばあなたは目的地に行くのに無限の選択肢を選ぶ機会があることをご存知であろうか?
その選択肢のうち、ほとんどの道は予定通りの時間に目的地にたどり着くことができる。しかし、あなたが選択しなかった「別の選択肢」では、実は無事には目的地にたどり着けないような「選んではならない道」が1つある。
また、どんなに無数の選択肢があっても、そのひとつの選択肢しか選べないような、すべての世の中の事象が、そのような方角に「選択者」の視野を狭めることがある
あのときのボクらは、あの日、あの時に「扉を開けない選択肢」が無数にもあったにもかかわらず、あの日の4人には、避けることにできない「規定の道」ができあがっていたのだろう
あの日、いつもの公園に行ったことも、すでに逃れることのできない「無事にはすまない」選択肢の道筋だったに違いない
題:蟲 作者:めけめけ
第4章 ヤマンバ
ボクらは後ろめたい気持ちから逃れるように、安住の地、約束の地、いつもの公園へと急いでいた
曲がり角を越えるたびに、目的地へと近づいている喜びと、微妙にいつもとちがう表情を見せる町並みに、ボクの意識は、すっかりと興奮状態になっていた。。。普段は目に入らない町並みの闇。。。灰色の部分はすべてくすんで見え、新緑に萌えるような緑も、どこかまがまがしさを含んでいた
公園はいつになく静かで、今日に限っては、同じ学校の生徒や小さい子供ずれの親子が砂場で遊ぶ姿もなかった。。。子供の笑い声が聞こえない、静まり返った公園は、どこか無機質で、小さい子供が遊ぶためのコンクリートでできた動物たちが、まるで行きも物死骸のように散乱していた
この公園はちょうど学校の真裏の高台の上にあり、小さな子供が遊ぶための滑り台、ブランコ、砂場、ライオンやキリンの形をした3歳くらいの子供がまたがれるようなオブジェがある
高台の下には国鉄の線路があり、この公園からは鉄道の写真を撮るマニアもまれに見かけることがある
遊具のある、日当たりのいい遊び場と、学校裏手へと続く散策路は、銀杏や桜の木が植えてあり、夏であれば風通しもよく、涼むのにちょうどいい
ボクらは木が生い茂るところには行く気になれなかった
当然である
あれだけの毛虫を先ほどまで、躍起になって「退治」してきたのである。。。ボクらはSが持っていたカラーボールでキャッチボールをはじめたが、いつしかボールのぶつけ合いになり、そのボールを使った鬼ごっこにやがてそれは発展した
ボールを投げる、よける、ぶつけられたら、鬼は交代。。。シンプルだが、公園には適度な障害物があるので、実にスリリングだ、そして何よりボクらは抜群に運動神経が発達していた。。。誰も上れそうもない、壁や、木、飛び越えられないような幅の段差、潜り抜けられなそうなわずかな隙間もお手の物だった
野球やドッチボールでは活躍できないけど、こういうことならクラスの誰にも負けない自信があった
だからこの公園も隅々まで知り尽くしている
木の上から眺められる風景、どこの木にどの季節にどんな花が咲き、実がなるのか、どんな昆虫がどこにいるのか、トイレの屋根の上はどうなっているのか、公園のフェンスのどこに隙間があるのか。。。
このゲームの。。。ボール鬼ごっこの結末は大体決まっている
ボールが間単にはとれないところに転がってしまい、今度はそれはとることに遊びの主体が変わっていくのである
このときはUが鬼のときにそれは起きた
あれー、ボールがないなぁ
Uの投げた渾身の一級はSの肩口から首筋をかすめって散策路の木々の中に入り込んでしまった
あー、あー、なくすなよー、さがしてよー
Sは口を尖らせて。。。こんなとき、Sはいつも口を尖らせる。。。こっちのほうに投げるなよなぁー
みんなでボールを捜しに散策路へと入っていく
散策路の地面にはほとんど日が当たらない。。。それだけ木々の葉は太陽の光を独占しようと懸命に空に向かって伸びており、コンクリートで舗装されていない部分の土は、いつも湿った状態である
夕方も4時を回ってだいぶ空気がひんやりとしてきている
散策路にはいって、みんなあることに気づいた。。。だれもいないと思っていた公園。。。しかし、そうではなかった。。。ヤマンバがいたのである
ヤマンバ。。。いつからか、それは、ボクらがこの公園で遊ぶようになってからなのか、その前からなのか。。。ボクらの小学校に通う子供ならたいがい、誰でも。。。少なくとも男の子は。。。知っている存在。。。これといってなにかするわけではないのだが、子供にとって、怖い目をした老婆は、どこか畏怖の存在であり、まして浮浪者のごとく、清潔感のかけらもないいでたちに、何かを公園で拾いあさる姿は、子供のころ、旅人を泊めては殺して食べていたというヤマンバのイメージとすっかり重なってしまうのであった
やばい、ヤマンバがいるじゃん
Oが最初に口を開いた
ガビーン、やばいのだ
Uはいつも、こんな調子である
早くボール捜してよ
Sはボールのことしか頭にないようだ
ヤマンバは何をしているのか、落ち葉をスコップのようなもので掻き分けて、何かを探しているようだった。。。聴いた話では、食べられるきのこが、ここに自生しているらしいが、学校では、ここにはどききのこがあるから、むやみに触らないようにと、理科室の先生に注意された上級生がいるらしいと、Kがいっていたのを思い出した
毒キノコでもとっているのかなぁ
Oは、もはやボールを探そうとはしておらず、ヤマンバが何をしているのかが、気になってしょうがない様子だ
たぶん、ヤマンバにはこちらのことは気づかれているだろう
公園で大声で遊んでいたのはボクらしかいないのだから、こちらに来たのも気づいているだろうけど、まったく意に介さない様子で、黙々と落ち葉を払っては何かを探しているようだった
あった
Uがボールをみつけたようだ
なにー、ギョギョギョー
Uの漫画のキャラクターの物まねは、ほぼ完璧であり、あのキャラクターにモデルがいるとすれば、きっとUに似たやつに違いないとSもOも言うほどに、Uの演技は完璧だった
なんじゃ、このきのこは
青いSのカラーボールはオシロイバナの枝の下にあり、そこにはなんとも毒々しい黄色いきのこが生えていた
これ、ドクキノコじゃねーか、そのボールやばいんじゃないの
いつの間にかOも寄ってきていた
だって、どーすんのさ、平気だよ、洗えば
Sは口を尖らせながら小枝を拾いボールを書き出した
手、洗えよなー
うわー、えんがちょー
Uは時と場所をわきまえることをもう少し学ぶべきだった
Sはすっかりへそを曲げ、さらに口を尖らせた
お前が投げたからいけないんだろー
Sの目は少しなみだ目になっている。。。あまり、ここまで興奮しているSを見たことはない、よほどこのボールがお気に入りだったのか、あるいは毒キノコが怖かったのか
触るんじゃないよ!
4人とも一瞬凍りついた。。。雷にでも打たれたかのように全身に緊張感が走り、髪の毛が逆立つ感覚。。。ヤマンバが僕らのすぐそばにきて、スコップを片手にボクラをにらんでいた
つづく
はじめから読む
第5章
ワタシが子供のころ、まぁ、今と比べれば物質的には恵まれてはいなかったかもしれないけど、それは社会に流通している商品の絶対数及び種類の違いでしかなく、テレビゲームがソフトビニール人形や面子やミニカーだっただけで、決して貧しくはなかった
貧しくはなかったが、おもちゃを頼りに遊んでいたわけではない
子供は遊びの天才なんていうけど、これ、本当にそう思う
ワタシも子供の頃は、おもちゃだけじゃなくて、いろんな遊びを作り出していた
中にはいまでは考えられないわるいいたずらもこれに含まれる
ワタシはやったことがないがカエルのおしりにストローをつっこんで膨らませるなんていうのもそうかもしれないし、昆虫を捕まえてばらばらにしてみたり、アリの巣を見つけては爆竹で吹っ飛ばしてみたり
子供はそもそも残虐な生き物なのかもしれない
純粋なまでの残虐さは、今となっては思い出すだけでも怖気がする
みなさんもそんな遊びしたことないですかね?
ワタシが一番驚いたのは近所の神社にアリが大量に更新しているのをみつけて、友達を集めて爆竹でふっ飛ばしていたら、わりと大きめな地震がきましてね。。。たたりじゃぁぁぁ、OO神社のたたりじゃぁぁぁあ。。。なんて言って逃げたことがあります
ボクもあのときは純粋なまでに残虐で、しかもいいことをしていると思ってたんですよ
最初のうちはね。。。
題:蟲 作:めけめけ
第3章 扉の向こう側の世界
盗み出したガムテープをなにに使うか?
そもそもガムテープが必要な小学生はいない
セロテープならいろいろと使い勝手はあるし、当時発売されて話題になった貼ると透明なセロテープであれば尚のことだ。。。この商品は表面につや消しの加工がなされており、紙に貼るとテカテカですぐに見分けられるセロハン製のテープとちがい、張ったときに見えにくい
しかも盗んだガムテープであればなおさらである。。。持って帰って親に見つかれば、悪事の全てがばれてしまう。。。下手をすれば学校を挙げた問題にもなりかねないし、あの老夫婦にもわかってしまう。。。あの店で買い物ができなくなる
みんなから忌み嫌われている毛虫を退治するのにガムテープは実に有効的な手段に思えた
毛はテープに張り付いて飛ばないし、小枝に引っ掛けて使えば、距離を置いての「攻撃」が可能である
しかもつぶしてしまったときのあの体液。。。おぞましい液体を見ないですむ
ボクらはやっきになって毛虫を探し出し、次々に攻撃をした
やつら、植物の葉っぱを食べる悪いやつらだ、みんなから忌み嫌われてる。。。ボクらはいいことをしているんだ、そう、学校のみんなのために。。。だから、このガムテープはすごく、みんなの役に立つんだ。。。きっとあの老夫婦も毛虫を退治するために「持ち出した」というなら、許してはくれないまでも、少しはわかってくれる。。。そう、きっとわかってくれる
ゲームは始まった
やつらはのろまで間抜けだ。。。用は触らなければいいのだ。。。弾薬はたっぷりある
ボクら3人力をあわせれば、こんなヤツらいちころだ
もし、毛虫がつぶれて屍骸になる様をみていたら、ここまでのことはできなかたに違いない
ガムテープに貼り付けて毛虫を見えないようにして、落ち葉の中に埋めて捨てる。。。毛虫の死の瞬間はみないですむ。。。そのことが、ボクらが大量殺戮をしているという事実から目を背けさせることになり、1時間もしないうちに30匹以上の毛虫を退治した
毛虫は黒いもさもさの大きなヤツと長さ2センチから3センチくらいの毛が少ないが地肌がグロテスクな模様をしているもの。。。あまり毛虫に詳しくはないが、これがチャドクガという種類で、この毛虫の毒がかなりやっかいなものだと、大人になってから知ることになる
大きいヤツはだいたい単独で行動しているようで、それほど数は見つからなかったが、チャドクガは一つの樹木に大量に発生していることがある。。。大量の毛虫の群がる姿はなんとおぞましく、まがまがしいことか。。。ボクらは自分たちの正義を疑う余地はまったくなかった
これだけやれば、もういいだろう
Sはすっかり英雄気取り。。。Uはこのゲームに飽きたらしく、いつもの公園に行こうと言い出した
かくして毛虫狩りは終わった
ボクらは入念に犯行現場をかくし、いらなくなったテープを焼却炉に放り込んだ。。。これですべて終わり。。。なにもなかった。。。これはプラスマイナスゼロになる行為だ
まだ、家路につくには早い時間、いつもの公園に行こう
ボクも含めて他の3人も後ろめたい気持ちは微塵もなかった。。。校門を出るまでは
公園に行くには、校門を出て左に曲がり学校の敷地をぐるっと外回りして高台に上らなければならない。。。当然に桜堂の前を通らないとならない。。。誰も口には出さなかったけど、心のどこかで、後悔のようなものが、ざわざわとこみ上げてくる
そんなはずはないのだ、そんなはずは。。。だってボクらは「悪いことをしたわけじゃない」いや、すごい悪いことを、こんなに後ろめたい思いをするような、そんなことはしていない、そう思っていたのに。
きっと、これから学校に通うたびに、こんなにこころの奥で何がが騒ぐようになるのか
そのざわざわとするものに耳をかたむければ、ボクは聴きたくない声を聴くような気がして、だから、ボクは、そしてきっとボクらは、その声を無視するしかなかった
桜堂の前を頭を下げてボクらは小走りで公園へと急いだ。。。横目で店内を覗くと、そこにはいつもと変わらない店のたたずまいの中に、なにか文房具を買っている女子が、ちょうど店の人におつりをもらうところのようだった。髪の毛はほとんど真っ白で、黒目や白目がほとんどわからないような細く垂れ下がった目は、いつもニコニコと笑っているように見える。。。ここの店主はいったい、何人の生徒を知っているんだろうか?100年を越す、歴史を持った小学校の横で、どれだけの生徒とこのようなやり取りをしてきたのか。。。そのシワシワの顔はすべて笑顔によってできたシワであることは、小学生にも用意に想像ができた。。。でも、ボクにはその細い目が、ボクらいは違う表情に。。。どこか疲れて、物悲しい表情に見えていた
ボクはボクの世界が変わってしまたことに気づいてしまった
ボクは、ボクらは扉の向こう側の世界に足を踏み入れてしまったのだった
つづく
はじめから読む
第4章
貧しくはなかったが、おもちゃを頼りに遊んでいたわけではない
子供は遊びの天才なんていうけど、これ、本当にそう思う
ワタシも子供の頃は、おもちゃだけじゃなくて、いろんな遊びを作り出していた
中にはいまでは考えられないわるいいたずらもこれに含まれる
ワタシはやったことがないがカエルのおしりにストローをつっこんで膨らませるなんていうのもそうかもしれないし、昆虫を捕まえてばらばらにしてみたり、アリの巣を見つけては爆竹で吹っ飛ばしてみたり
子供はそもそも残虐な生き物なのかもしれない
純粋なまでの残虐さは、今となっては思い出すだけでも怖気がする
みなさんもそんな遊びしたことないですかね?
ワタシが一番驚いたのは近所の神社にアリが大量に更新しているのをみつけて、友達を集めて爆竹でふっ飛ばしていたら、わりと大きめな地震がきましてね。。。たたりじゃぁぁぁ、OO神社のたたりじゃぁぁぁあ。。。なんて言って逃げたことがあります
ボクもあのときは純粋なまでに残虐で、しかもいいことをしていると思ってたんですよ
最初のうちはね。。。
題:蟲 作:めけめけ
第3章 扉の向こう側の世界
盗み出したガムテープをなにに使うか?
そもそもガムテープが必要な小学生はいない
セロテープならいろいろと使い勝手はあるし、当時発売されて話題になった貼ると透明なセロテープであれば尚のことだ。。。この商品は表面につや消しの加工がなされており、紙に貼るとテカテカですぐに見分けられるセロハン製のテープとちがい、張ったときに見えにくい
しかも盗んだガムテープであればなおさらである。。。持って帰って親に見つかれば、悪事の全てがばれてしまう。。。下手をすれば学校を挙げた問題にもなりかねないし、あの老夫婦にもわかってしまう。。。あの店で買い物ができなくなる
みんなから忌み嫌われている毛虫を退治するのにガムテープは実に有効的な手段に思えた
毛はテープに張り付いて飛ばないし、小枝に引っ掛けて使えば、距離を置いての「攻撃」が可能である
しかもつぶしてしまったときのあの体液。。。おぞましい液体を見ないですむ
ボクらはやっきになって毛虫を探し出し、次々に攻撃をした
やつら、植物の葉っぱを食べる悪いやつらだ、みんなから忌み嫌われてる。。。ボクらはいいことをしているんだ、そう、学校のみんなのために。。。だから、このガムテープはすごく、みんなの役に立つんだ。。。きっとあの老夫婦も毛虫を退治するために「持ち出した」というなら、許してはくれないまでも、少しはわかってくれる。。。そう、きっとわかってくれる
ゲームは始まった
やつらはのろまで間抜けだ。。。用は触らなければいいのだ。。。弾薬はたっぷりある
ボクら3人力をあわせれば、こんなヤツらいちころだ
もし、毛虫がつぶれて屍骸になる様をみていたら、ここまでのことはできなかたに違いない
ガムテープに貼り付けて毛虫を見えないようにして、落ち葉の中に埋めて捨てる。。。毛虫の死の瞬間はみないですむ。。。そのことが、ボクらが大量殺戮をしているという事実から目を背けさせることになり、1時間もしないうちに30匹以上の毛虫を退治した
毛虫は黒いもさもさの大きなヤツと長さ2センチから3センチくらいの毛が少ないが地肌がグロテスクな模様をしているもの。。。あまり毛虫に詳しくはないが、これがチャドクガという種類で、この毛虫の毒がかなりやっかいなものだと、大人になってから知ることになる
大きいヤツはだいたい単独で行動しているようで、それほど数は見つからなかったが、チャドクガは一つの樹木に大量に発生していることがある。。。大量の毛虫の群がる姿はなんとおぞましく、まがまがしいことか。。。ボクらは自分たちの正義を疑う余地はまったくなかった
これだけやれば、もういいだろう
Sはすっかり英雄気取り。。。Uはこのゲームに飽きたらしく、いつもの公園に行こうと言い出した
かくして毛虫狩りは終わった
ボクらは入念に犯行現場をかくし、いらなくなったテープを焼却炉に放り込んだ。。。これですべて終わり。。。なにもなかった。。。これはプラスマイナスゼロになる行為だ
まだ、家路につくには早い時間、いつもの公園に行こう
ボクも含めて他の3人も後ろめたい気持ちは微塵もなかった。。。校門を出るまでは
公園に行くには、校門を出て左に曲がり学校の敷地をぐるっと外回りして高台に上らなければならない。。。当然に桜堂の前を通らないとならない。。。誰も口には出さなかったけど、心のどこかで、後悔のようなものが、ざわざわとこみ上げてくる
そんなはずはないのだ、そんなはずは。。。だってボクらは「悪いことをしたわけじゃない」いや、すごい悪いことを、こんなに後ろめたい思いをするような、そんなことはしていない、そう思っていたのに。
きっと、これから学校に通うたびに、こんなにこころの奥で何がが騒ぐようになるのか
そのざわざわとするものに耳をかたむければ、ボクは聴きたくない声を聴くような気がして、だから、ボクは、そしてきっとボクらは、その声を無視するしかなかった
桜堂の前を頭を下げてボクらは小走りで公園へと急いだ。。。横目で店内を覗くと、そこにはいつもと変わらない店のたたずまいの中に、なにか文房具を買っている女子が、ちょうど店の人におつりをもらうところのようだった。髪の毛はほとんど真っ白で、黒目や白目がほとんどわからないような細く垂れ下がった目は、いつもニコニコと笑っているように見える。。。ここの店主はいったい、何人の生徒を知っているんだろうか?100年を越す、歴史を持った小学校の横で、どれだけの生徒とこのようなやり取りをしてきたのか。。。そのシワシワの顔はすべて笑顔によってできたシワであることは、小学生にも用意に想像ができた。。。でも、ボクにはその細い目が、ボクらいは違う表情に。。。どこか疲れて、物悲しい表情に見えていた
ボクはボクの世界が変わってしまたことに気づいてしまった
ボクは、ボクらは扉の向こう側の世界に足を踏み入れてしまったのだった
つづく
はじめから読む
第4章
みなさんはどんな小学校時代を過ごされましたか
ワタシの小学生の頃はいたずら的なことに満ち溢れていましたw
「行ってはいけない」、「やってはいけない」はすなわち、「行かねばならない、やらねばならない、ただし、慎重に」である
ルールは破るためにあるもの。。。それは間違いである
ルールは破ってはじめて、そのルールの必要性がわかるものである
破っても必要性のないルールなどは、ルールとしての必要性ではなく、別の理由で存在しているのである
そして、世の中を律するものとして道徳というものがある
これもまた、道徳を犯してはじめてわかるものがある
ルールを破ったものには罰則=ペナルティが与えられる
では、道徳を犯したものには何が起きるのか。。。それは
報復
ではないだろうか?
題:「蟲」 作:めけめけ
第2章 手に入れたもの
それはなんなく、あっけなく、そして期待していたようなものは何もなかった
小学校の校門から続く桜並木。。。その並木にそって苔むしたコンクリートしっかりした壁が並び立つ
学校の校門の横の桜堂は、学校御用達の文房具店で、学校の校章をはじめとして、書初めに使われる半紙や絵の具、クレヨン、画用紙、工作用紙など、様々な商品を扱ってる。。。およそこの学校に通う生徒はここで買い物がしたことがあり、気のいい老夫婦の営むこの店をみんなとても大事にしていた
そんな老夫婦を困らせるためにやったわけではない。。。決してそんことはないのだ
ボクらはただ、そこに普段は開けることにできない扉があり、今だけそれが開けられる。。。明日には空かなくなるかもしれない、その好奇心がその行動をさせたし、好奇心の証として、何かそこから持って帰らなければならなかった
それはこの話を耳にしたときから「決まったこと」なのだ
もし、この行為が「いけないこと」であれば、行為の途中で、誰かに見つかるに違いない、怒られて未遂でおわる。。。世の中はそんな風に成り立っているのであって、成功したからといって、ボクらがもう一度それをやることはない
これはいたずらの数々をこなしてきたボクらの経験から学んだ法則であり、ルールだ
やってはいけないことは、やってみないとわからない
ただし慎重に、そして、一度だけ
ボクらはこの法則とルールにしたがい、見事に目的を果たした
「やばいと思ったから、これしかもってこなかった」
OとSとUがもってきたものはガムテープだった
ビニールテープに対抗して、少しだけそれを上回るもの。。。実にシンプルだ
中はどうなってた?
ボクはOに聞いた
「べつに空き地みたいになっててなんかいろいろ物が置いてあったけど、倉庫の扉のカギが壊れてるんだけど、開けようとすると音がするから。。。ちょっとだけ開けて手が届いたのがこれなんだ」
なるほど
「あとなんかよくわからない工具とかあったけど、あればやばいじゃん、なんか高そうだったし」
「いたずらの域」を超えないこと。。。これも大事なルールである
ボクらは戦利品を山分けするのに、人気のない校舎の裏に集まった
ランドセルをあけてガムテープを中に隠す。。。これで終わり。。。すべてうまくいった
「ゲゲッ!」
Uがいつもの口調で驚きの表現をする
Uが見つけたのは毛虫だ
しかもそれは一匹ではなく5~6匹が群れているのである
「ギョエー!」
Uのテンションがあがる
「大群、大群、毛虫の襲来だぁぁぁ」
Oも調子に乗る
ボクは怖くなった。。。一度にこんなにたくさん見るのは始めてだった
そして嫌悪感。。。この世に存在してはいけないものなのではないか?
「退治しないと学校がやられる」
いったいぜんたい、なにを言うのか。。。しかし、小学生の発想はそういうものである
ゲームはスタートした
一つのミッションをなんなくクリアした達成感が更なる難易度の高いミッションへと使命感を燃え上がらせる。。。もはやボクらの目には、毛虫は悪の権化であり、ボクらは「悪いことしたかわりに、何かいいことがしたい」という気持ちもあって、悪い虫を退治することで、どこか道徳的な後ろめたさから逃れられるのではないかと、そういう思いに駆られた部分も少なからず、あったのだと思う
そうだ!いいこと考えた!これを使おう!
Sはガムテープをランドセルから取り出した
ボクらが手に入れたもの。。。老夫婦の営む、みんなに愛される文房具店の倉庫から盗み出した戦利品。。。小さな虫が張り付いたらまず生きてははがれられない強力な粘着力。。。ガムテープと道徳を犯した罪への意識。。。そのまま持ち帰るはずの二つを使うことによって、ボクらは罪の意識をおいていけるのだと考えたのかもしれない。。。少なくともワタシはそう確信してる
かくして絶対の正義を信じて疑わない小学生による小さな生き物の大量虐殺が始まった
つづく
序章~第1章
第3章
ワタシの小学生の頃はいたずら的なことに満ち溢れていましたw
「行ってはいけない」、「やってはいけない」はすなわち、「行かねばならない、やらねばならない、ただし、慎重に」である
ルールは破るためにあるもの。。。それは間違いである
ルールは破ってはじめて、そのルールの必要性がわかるものである
破っても必要性のないルールなどは、ルールとしての必要性ではなく、別の理由で存在しているのである
そして、世の中を律するものとして道徳というものがある
これもまた、道徳を犯してはじめてわかるものがある
ルールを破ったものには罰則=ペナルティが与えられる
では、道徳を犯したものには何が起きるのか。。。それは
報復
ではないだろうか?
題:「蟲」 作:めけめけ
第2章 手に入れたもの
それはなんなく、あっけなく、そして期待していたようなものは何もなかった
小学校の校門から続く桜並木。。。その並木にそって苔むしたコンクリートしっかりした壁が並び立つ
学校の校門の横の桜堂は、学校御用達の文房具店で、学校の校章をはじめとして、書初めに使われる半紙や絵の具、クレヨン、画用紙、工作用紙など、様々な商品を扱ってる。。。およそこの学校に通う生徒はここで買い物がしたことがあり、気のいい老夫婦の営むこの店をみんなとても大事にしていた
そんな老夫婦を困らせるためにやったわけではない。。。決してそんことはないのだ
ボクらはただ、そこに普段は開けることにできない扉があり、今だけそれが開けられる。。。明日には空かなくなるかもしれない、その好奇心がその行動をさせたし、好奇心の証として、何かそこから持って帰らなければならなかった
それはこの話を耳にしたときから「決まったこと」なのだ
もし、この行為が「いけないこと」であれば、行為の途中で、誰かに見つかるに違いない、怒られて未遂でおわる。。。世の中はそんな風に成り立っているのであって、成功したからといって、ボクらがもう一度それをやることはない
これはいたずらの数々をこなしてきたボクらの経験から学んだ法則であり、ルールだ
やってはいけないことは、やってみないとわからない
ただし慎重に、そして、一度だけ
ボクらはこの法則とルールにしたがい、見事に目的を果たした
「やばいと思ったから、これしかもってこなかった」
OとSとUがもってきたものはガムテープだった
ビニールテープに対抗して、少しだけそれを上回るもの。。。実にシンプルだ
中はどうなってた?
ボクはOに聞いた
「べつに空き地みたいになっててなんかいろいろ物が置いてあったけど、倉庫の扉のカギが壊れてるんだけど、開けようとすると音がするから。。。ちょっとだけ開けて手が届いたのがこれなんだ」
なるほど
「あとなんかよくわからない工具とかあったけど、あればやばいじゃん、なんか高そうだったし」
「いたずらの域」を超えないこと。。。これも大事なルールである
ボクらは戦利品を山分けするのに、人気のない校舎の裏に集まった
ランドセルをあけてガムテープを中に隠す。。。これで終わり。。。すべてうまくいった
「ゲゲッ!」
Uがいつもの口調で驚きの表現をする
Uが見つけたのは毛虫だ
しかもそれは一匹ではなく5~6匹が群れているのである
「ギョエー!」
Uのテンションがあがる
「大群、大群、毛虫の襲来だぁぁぁ」
Oも調子に乗る
ボクは怖くなった。。。一度にこんなにたくさん見るのは始めてだった
そして嫌悪感。。。この世に存在してはいけないものなのではないか?
「退治しないと学校がやられる」
いったいぜんたい、なにを言うのか。。。しかし、小学生の発想はそういうものである
ゲームはスタートした
一つのミッションをなんなくクリアした達成感が更なる難易度の高いミッションへと使命感を燃え上がらせる。。。もはやボクらの目には、毛虫は悪の権化であり、ボクらは「悪いことしたかわりに、何かいいことがしたい」という気持ちもあって、悪い虫を退治することで、どこか道徳的な後ろめたさから逃れられるのではないかと、そういう思いに駆られた部分も少なからず、あったのだと思う
そうだ!いいこと考えた!これを使おう!
Sはガムテープをランドセルから取り出した
ボクらが手に入れたもの。。。老夫婦の営む、みんなに愛される文房具店の倉庫から盗み出した戦利品。。。小さな虫が張り付いたらまず生きてははがれられない強力な粘着力。。。ガムテープと道徳を犯した罪への意識。。。そのまま持ち帰るはずの二つを使うことによって、ボクらは罪の意識をおいていけるのだと考えたのかもしれない。。。少なくともワタシはそう確信してる
かくして絶対の正義を信じて疑わない小学生による小さな生き物の大量虐殺が始まった
つづく
序章~第1章
第3章
スティーブン・キングと夢枕獏。。。ワタシが好きでたまらない作家さん
小説を読む習慣はないのだけれど、彼らの作品はワタシにとっては単に好きな小説家というよりかは、まるでワタシの内面を構成する一部のような存在と勝手に思っている
だからといって、全ての作品を読んだわけではないし、正直あまり好きじゃない作品もあります
大事なことは、小説の中身。。。着想と展開、そしてオチ
予想外の展開なんてものはないです。。。どちらかといえば「ほら、みたことか」とかいわゆる因果応酬です。。。原因と結果の筋道。。。特別な状況での特別な出来事、起こるべきして起きてしまった出来事の避けられない結末。。。説教くさく感じるあらすじも、どこか身近な失敗。。。あー、ひとはこうやって失敗を繰り返すんだという、マイナスの性(サガ)を見せられてしまう
夢枕獏はそこにヒーローを登場させ、事態の解決にあたらせるのだけど、決してめでたしめでたしでは終わらない。。。報いは必ずあり、すべてをチャラになんて間単にはできないんだよと教えてくれる
さて、さて、ちょっと怖い話
人間の恐怖っていろいろあるよね
自然現象を超越した存在、神と悪魔、幽霊、呪詛、怨霊、超能力、地球外生物、未確認生物
あるいは自然の驚異 地震、落雷、ハリケーン、竜巻などなど
また、殺人ウイルスや突然変異した動植物なんていうサイエンスホラーなんかもあるよね
もっと内側に目を向ければ、精神異常、不治の病、理由なき暴力なんていうのもあるよね
うん、うん、こうしてみると、世の中は実に多くの恐怖に満ちている
ワタシがこれからお話しする恐怖は、全くの創作物であり、そしてそれは、ワタシの感じる恐怖のほんの一部です。。。アナタにとっての恐怖ではありません。しかし、ワタシと同じものに「恐怖」を感じる人にとっては、ワタシの恐怖でもあり、アナタの恐怖でもある
子供の頃から好きになれない生き物。。。一般に蛾の幼虫。。。毛虫にまつわる話
それは「ワタシ」が寝ているとき、不意に足元がむずむずして、はっと飛び起き、まるで「キモチがわるい」あの「蟲」が「ボク」の足を這ったような感覚。。。しかし、それは「タダの勘違い」錯覚に過ぎなかったことはすぐに確認できる
これは「ボク」が体験した。。。あの夜の妄想、或いは夢なのか、それとも「ボク」の頭の中に、何者かが働きかけてそのような「恐怖」を植えつけたのか。。。ワタシがボクであったことを結びつける一つの因果
「ボク」はただ、身を震わす思いで、それに耐えなければならなかった
題名「蟲」 作:めけめけ
序章 ボクは5年生
ボクは小学5年生。。。やんちゃな盛りの都会の小学生は、街中の神社や普段誰も訪れない空家、日曜日の町工場なんかに忍び込んでは、ささやかな悪事を繰り返していた
小学5年生とは、今にして思えば、人生における出発点みたいなものかもしれない
少なくともボクにとってはそうだったに違いない
まじめに働く両親を持ち、2歳下には気の会う弟と7つ下の妹がいる
兄としての自覚、共働きの親に対して、ある程度の長男としての責任感みたいなもの
学校では成績は普通であり、特に担任の教師の期待を裏切るようなことはなく、また、ささやかな期待、学級委員長の下の副委員長をしっかりとこなしていた
周りの信頼できる大人たちの期待に表向きは答えながら、いたずら好き、冒険好きの子供の部分も持ち合わせ、学校内で頭が上がらないのは6年生だけで、「最上級生である」という責任感もないことから、6年間で最高に自由な時間であり、そのときにはじめて「自分が何がしたい」ということと「何ができて、何ができない」と「何が許され、何が許されない」かを毎日、そして毎時間迷い、選択し、成功或いは失敗する。。。そんなのが小学5年生だろう
第1章 壊れた扉
ボクの通っていた小学校は、学区内では最古参で、100年以上の歴史を持っていた。
幹線道路に面した校門から校舎までの間には見事な桜並木になっていて、4月は桜の花びらが舞い散る中、学校に通うことになる。
学校の校舎の裏手は高台になっており、栗の木などが自生している。ここには毎年毛虫が発生し、
これに刺されると大きくはれ上がりひどい時には熱を出したりするので、そこには入らないようにと毎年、朝礼で注意が促される。
ボクは毛虫に刺されたことはないけれど、あのグロテスクな姿から、できる限り近寄りたくないと考えた。。。それはほとんどの生徒も同じで、誰も進んで校舎の裏には行かなかった。。そこは校舎と高台にはさまれた、日中でもほとんど陽が射さない場所。。。もし、夜中になくしたボールを取りに行けといわれたら、誰も「うん」とは言わないだろう。。。たぶん大人も。
毛虫は時に、校舎の壁を伝って、窓から見えるところに張り付いていることもある
校舎の裏の窓は、虫がはいてくるので、開けることはほとんどないので学校内に侵入することはまずないが、たまにいたずら坊主が校舎の裏から小枝に毛虫を乗せて女の子を追い掛け回したりしているが
たいていは先生に見つかって裏に捨てさせるか、或いはそんな遊びの中、毛虫はちょん切られるか、踏み潰されるか。。。子供がおもちゃに飽きたときはたいがいそういうことになる。
ボクはそれに参加することもなければ、とがめる気などはさらさらない
ちょん切られた毛虫は、すぐには死なない。死んだ毛虫の毛には毒があるから近寄らない
そしてつぶした毛虫の体液は、見るものになんともいえない嫌悪感を与える。。。できることなら見たくない。
ボクのクラスには、男子女子あわせて30人~33人くらいいて、その中にはやんちゃないたずら好きグループ、少し幼いグループに分けられ、前者は野球、後者は鬼ごっこをして休み時間を過ごす
普段は一緒に遊ぶことのないグループではあるが、いくつかの遊びでは行動を共にする
いたずら、冒険、宝物
初夏のある日のこと、地元の少年野球チームで上級生との付き合いのあるKは、こんな情報を聞きつけた
「桜堂あるじゃん、桜の木を上って塀を乗り越えていくと、倉庫になっている小屋があって、そこにはいろんな文房具が入っているんだって。で、そこの扉のカギが壊れてて、倉庫の中に入れるらしいぜ」
みんな話に夢中になった
小学生にとって文房具家の倉庫というのはまさしく宝の山であり、普段入ってみたことのない塀の向こう側がどんな風になっているのか、どんな宝物が眠っているのか。。。それが不法侵入及び窃盗という法律に触れるということに、誰も気付いていないのか、気付いていても口に出さないのか。。。そして何よりもその情報の証拠としてKがみせたもの
「これが戦利品。。。他にもいろいろあったけど、お前らぜったいにあそこには行くなよって」
黄色いビニールテープ。。。上級生からのおすそ分けだと言うのだ
今となっては、それほど入手が困難なアイテムではないビニールテープ。。。しかし、昭和50年のあの頃、小学生が小遣いで買うには目的も含めて高価で不要なものであり、しかしそれがタダで手に入るのであれば、持っていたいと思うもの。。。そして上級生が持ち出したものには、石膏があったという
石膏。。。図工に時間になんどか使ったことがある、水で溶かしてぬらしたトイレットペーパーで方を作った創作物に水で溶かした石膏を塗り、乾かす。。。ちょっとした置物が出来上がるわけだ
欲しい、石膏、それから、他にも何か普段は買えないような文房具がいっぱいある、取り放題?
しかし。。。果たしてそんなことをして大丈夫なのだろうか?
さて、どうするか?
予想通り、まじめで臆病なメンバーは「ヤバイよ」と席をたち、その話をしたKも上級生にばれたらヤバイから「オレはいけないけど、オレの情報だからわきまえはくれよ」とそそくさと行ってしまった
当然だ、こんなこと6年生にバレたらそれこそタダではすまないだろうな
ボクもヤバイと思う。。。興味はあるけど、それはできない
結局その話は一旦そこで終わったが、クラスの何人かはどうしても中に入りたいと思っているらしい
どうやら冒険好きのOとS、それにいつもこいつらにつるんでいるUがその日、そこに行くことにしたらしい
あー、もー、危なっかしいったらありゃしない
わかった、ボクが見張っているから、あんまりむちゃするなよ
ボクらは空けてはならない扉に手をかけたことにまだ気付いてはいなかった
それは些細ないたずら、好奇心からなる子供の冒険。。。他人のものを奪おうとか、そうじゃなくて、まだ見たことなのない場所が、こんな学校のすぐそばにあって、そこには宝物がある。。。扉が修理されたりしたら二度とこんなチャンスはない。。。そう、ボクらには選択の余地は最初からなかったのである
つづく
第2章
小説を読む習慣はないのだけれど、彼らの作品はワタシにとっては単に好きな小説家というよりかは、まるでワタシの内面を構成する一部のような存在と勝手に思っている
だからといって、全ての作品を読んだわけではないし、正直あまり好きじゃない作品もあります
大事なことは、小説の中身。。。着想と展開、そしてオチ
予想外の展開なんてものはないです。。。どちらかといえば「ほら、みたことか」とかいわゆる因果応酬です。。。原因と結果の筋道。。。特別な状況での特別な出来事、起こるべきして起きてしまった出来事の避けられない結末。。。説教くさく感じるあらすじも、どこか身近な失敗。。。あー、ひとはこうやって失敗を繰り返すんだという、マイナスの性(サガ)を見せられてしまう
夢枕獏はそこにヒーローを登場させ、事態の解決にあたらせるのだけど、決してめでたしめでたしでは終わらない。。。報いは必ずあり、すべてをチャラになんて間単にはできないんだよと教えてくれる
さて、さて、ちょっと怖い話
人間の恐怖っていろいろあるよね
自然現象を超越した存在、神と悪魔、幽霊、呪詛、怨霊、超能力、地球外生物、未確認生物
あるいは自然の驚異 地震、落雷、ハリケーン、竜巻などなど
また、殺人ウイルスや突然変異した動植物なんていうサイエンスホラーなんかもあるよね
もっと内側に目を向ければ、精神異常、不治の病、理由なき暴力なんていうのもあるよね
うん、うん、こうしてみると、世の中は実に多くの恐怖に満ちている
ワタシがこれからお話しする恐怖は、全くの創作物であり、そしてそれは、ワタシの感じる恐怖のほんの一部です。。。アナタにとっての恐怖ではありません。しかし、ワタシと同じものに「恐怖」を感じる人にとっては、ワタシの恐怖でもあり、アナタの恐怖でもある
子供の頃から好きになれない生き物。。。一般に蛾の幼虫。。。毛虫にまつわる話
それは「ワタシ」が寝ているとき、不意に足元がむずむずして、はっと飛び起き、まるで「キモチがわるい」あの「蟲」が「ボク」の足を這ったような感覚。。。しかし、それは「タダの勘違い」錯覚に過ぎなかったことはすぐに確認できる
これは「ボク」が体験した。。。あの夜の妄想、或いは夢なのか、それとも「ボク」の頭の中に、何者かが働きかけてそのような「恐怖」を植えつけたのか。。。ワタシがボクであったことを結びつける一つの因果
「ボク」はただ、身を震わす思いで、それに耐えなければならなかった
題名「蟲」 作:めけめけ
序章 ボクは5年生
ボクは小学5年生。。。やんちゃな盛りの都会の小学生は、街中の神社や普段誰も訪れない空家、日曜日の町工場なんかに忍び込んでは、ささやかな悪事を繰り返していた
小学5年生とは、今にして思えば、人生における出発点みたいなものかもしれない
少なくともボクにとってはそうだったに違いない
まじめに働く両親を持ち、2歳下には気の会う弟と7つ下の妹がいる
兄としての自覚、共働きの親に対して、ある程度の長男としての責任感みたいなもの
学校では成績は普通であり、特に担任の教師の期待を裏切るようなことはなく、また、ささやかな期待、学級委員長の下の副委員長をしっかりとこなしていた
周りの信頼できる大人たちの期待に表向きは答えながら、いたずら好き、冒険好きの子供の部分も持ち合わせ、学校内で頭が上がらないのは6年生だけで、「最上級生である」という責任感もないことから、6年間で最高に自由な時間であり、そのときにはじめて「自分が何がしたい」ということと「何ができて、何ができない」と「何が許され、何が許されない」かを毎日、そして毎時間迷い、選択し、成功或いは失敗する。。。そんなのが小学5年生だろう
第1章 壊れた扉
ボクの通っていた小学校は、学区内では最古参で、100年以上の歴史を持っていた。
幹線道路に面した校門から校舎までの間には見事な桜並木になっていて、4月は桜の花びらが舞い散る中、学校に通うことになる。
学校の校舎の裏手は高台になっており、栗の木などが自生している。ここには毎年毛虫が発生し、
これに刺されると大きくはれ上がりひどい時には熱を出したりするので、そこには入らないようにと毎年、朝礼で注意が促される。
ボクは毛虫に刺されたことはないけれど、あのグロテスクな姿から、できる限り近寄りたくないと考えた。。。それはほとんどの生徒も同じで、誰も進んで校舎の裏には行かなかった。。そこは校舎と高台にはさまれた、日中でもほとんど陽が射さない場所。。。もし、夜中になくしたボールを取りに行けといわれたら、誰も「うん」とは言わないだろう。。。たぶん大人も。
毛虫は時に、校舎の壁を伝って、窓から見えるところに張り付いていることもある
校舎の裏の窓は、虫がはいてくるので、開けることはほとんどないので学校内に侵入することはまずないが、たまにいたずら坊主が校舎の裏から小枝に毛虫を乗せて女の子を追い掛け回したりしているが
たいていは先生に見つかって裏に捨てさせるか、或いはそんな遊びの中、毛虫はちょん切られるか、踏み潰されるか。。。子供がおもちゃに飽きたときはたいがいそういうことになる。
ボクはそれに参加することもなければ、とがめる気などはさらさらない
ちょん切られた毛虫は、すぐには死なない。死んだ毛虫の毛には毒があるから近寄らない
そしてつぶした毛虫の体液は、見るものになんともいえない嫌悪感を与える。。。できることなら見たくない。
ボクのクラスには、男子女子あわせて30人~33人くらいいて、その中にはやんちゃないたずら好きグループ、少し幼いグループに分けられ、前者は野球、後者は鬼ごっこをして休み時間を過ごす
普段は一緒に遊ぶことのないグループではあるが、いくつかの遊びでは行動を共にする
いたずら、冒険、宝物
初夏のある日のこと、地元の少年野球チームで上級生との付き合いのあるKは、こんな情報を聞きつけた
「桜堂あるじゃん、桜の木を上って塀を乗り越えていくと、倉庫になっている小屋があって、そこにはいろんな文房具が入っているんだって。で、そこの扉のカギが壊れてて、倉庫の中に入れるらしいぜ」
みんな話に夢中になった
小学生にとって文房具家の倉庫というのはまさしく宝の山であり、普段入ってみたことのない塀の向こう側がどんな風になっているのか、どんな宝物が眠っているのか。。。それが不法侵入及び窃盗という法律に触れるということに、誰も気付いていないのか、気付いていても口に出さないのか。。。そして何よりもその情報の証拠としてKがみせたもの
「これが戦利品。。。他にもいろいろあったけど、お前らぜったいにあそこには行くなよって」
黄色いビニールテープ。。。上級生からのおすそ分けだと言うのだ
今となっては、それほど入手が困難なアイテムではないビニールテープ。。。しかし、昭和50年のあの頃、小学生が小遣いで買うには目的も含めて高価で不要なものであり、しかしそれがタダで手に入るのであれば、持っていたいと思うもの。。。そして上級生が持ち出したものには、石膏があったという
石膏。。。図工に時間になんどか使ったことがある、水で溶かしてぬらしたトイレットペーパーで方を作った創作物に水で溶かした石膏を塗り、乾かす。。。ちょっとした置物が出来上がるわけだ
欲しい、石膏、それから、他にも何か普段は買えないような文房具がいっぱいある、取り放題?
しかし。。。果たしてそんなことをして大丈夫なのだろうか?
さて、どうするか?
予想通り、まじめで臆病なメンバーは「ヤバイよ」と席をたち、その話をしたKも上級生にばれたらヤバイから「オレはいけないけど、オレの情報だからわきまえはくれよ」とそそくさと行ってしまった
当然だ、こんなこと6年生にバレたらそれこそタダではすまないだろうな
ボクもヤバイと思う。。。興味はあるけど、それはできない
結局その話は一旦そこで終わったが、クラスの何人かはどうしても中に入りたいと思っているらしい
どうやら冒険好きのOとS、それにいつもこいつらにつるんでいるUがその日、そこに行くことにしたらしい
あー、もー、危なっかしいったらありゃしない
わかった、ボクが見張っているから、あんまりむちゃするなよ
ボクらは空けてはならない扉に手をかけたことにまだ気付いてはいなかった
それは些細ないたずら、好奇心からなる子供の冒険。。。他人のものを奪おうとか、そうじゃなくて、まだ見たことなのない場所が、こんな学校のすぐそばにあって、そこには宝物がある。。。扉が修理されたりしたら二度とこんなチャンスはない。。。そう、ボクらには選択の余地は最初からなかったのである
つづく
第2章