動画「洗剤使用の基礎知識 3つの原則 1.洗剤の役割 | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

3つの原則の内の最初の動画が洗剤の役割です。
洗剤の主成分は界面活性剤と言い、図のような形をしています。片方が水に馴染みやすい親水基でもう片方が油に馴染みやすい親油基です。写真のビーカー内の様に、水に油が入っても、油は水に馴染むことはありません。「水と油」と言う通り、仲が良くないので分かれてしまいます。油汚れは水では落しにくいのです。しかし、ここに洗剤を投入すると、親水基と親油基が作用し、油の粒子を水の中に溶かし込みます。この作用によって、簡単に油(有機物と言います)の汚れを取る事が出来るのです。


 

もう一つの働きは表面張力を落とすという役割です。分かり易い例は手に一杯泥を付ける実験です。泥の一杯ついた手を水で洗ってもスッキリと奇麗にはなりません。しかし、石鹸を付けて擦り洗いするとアッと言う間に綺麗になります。泥(無機物です)は細かな粒子がくっ付いたもので、虫メガネで見れば、小さな割れ目が沢山あるのですが、水は表面張力が強い物質ですので、中に入っていけません。界面活性剤は水の表面張力を落としますので、石鹼液は小さな割れ目から侵入し、泥を洗い流してくれるのです。湿潤することで無機物の汚れを除去します。


 

私達の身の回りの全ての汚れの80%は親水性ですので、水で落とせます。残りの20%の汚れ(有機物と無機物)は疎水性ですので、水では落とせません。しかし、洗剤を使う事で100%落とす事が出来るわけです。毎日の作業でいつも80%の除去と100%の完全除去では時と共に、大きな差が出てしまいます。従って、(世界的にみると)プロは必ず洗剤を使用するのです。