前回はインスペクター補講で、血液由来感染症について書きました。今回は引き続き、もう一つ増やした方が良いと思われる事を書いていきます。
補講の中では消毒薬を使用して、微生物が全て死ぬわけではなく、数が大きく減る(99.9%)だけだと説明していました。Sanitize(サニタイズ)の事で、これは確かにその通りなのです。しかし、前回も書きましたが、世界にキャッチアップするという観点からするともう一歩進む必要があります。大手の病院清掃ではもう少し厳格性が求められることがあります。よく大学病院や大手の医療機関が「EPA登録の洗剤を使っていますか?」と言う質問が出る事がありますが、何故このような話が出るかと言うと、様々な感染症が問題になった場合、医療機関がその対策に注視するのは(厚労省はもちろんですが)、WHOとCDCになります。WHOは皆様ご存じの世界保健機構です。指針も非常に幅広く先進国も後進国も対象にしたものなります。もう一つはCDC(Center for Disease Control and Prevision=米国疾病管理センター)のガイドラインです。世界最先端の感染症対策をここがハッキリと打ち出す為、米国内だけでなく、世界がフォローしようとします。そのCDCがガイドラインで使用するよう勧めているのが、EPA登録感染防止洗剤になります。EPA(Environmental Protection Agency=米国環境保護局)は感染防止洗剤の認定をする際に、対象微生物の完全不活性化(Disinfection)を求めています。簡単に言えば、微生物を完全に無力にする事です。
病院清掃で特に清潔度が必要な場所や、深刻な感染症が問題になった場合には上記のSanitize(サニタイズ)では心もとなく、この場合にはDisinfectant(ディスインフェクタント)が必要になります。対象微生物をはっきりさせ、それが完全に不活性化するテストを経たものがDisinfectant Cleaner(ディスインフェクタント クリーナー 感染防止洗剤)です。
対象となる表面は硬質(Hard Surface=固い表面)で非孔性(Non porous)のものです。ここで対象微生物を完全不活性化し、その証明を持っている(エビデンスのある)ものが求められるのです。
技術を上げるには厳格性が必要で、ここの部分はそれに当てはまります。面倒くさがらずに、理解し覚える必要があると考えます。
参考の為に、弊社の感染防止洗剤のプロフェクト・HDQニュートラルの対象微生物を載せておきます。使用者はここに書いてある微生物ならば(使用通りに使えば)完全不活性化ができるのです。