完全乾燥に1カ月/毎月のワックス再塗布を再考しよう!
前回の続きです。前回はアルカリ分を完全除去する事とフィルム作成時に直接扇風機を当てない事を強調しました。完全乾燥が必要なのです。
さて、それではワックスが完全に乾燥するにはどの位かかるのでしょうか。触って見て乾燥を確かめる触手乾燥は通常のワックスであれば15~30分と言った所でしょう(特殊な例や状況はこの際除きます)。触手乾燥後はワックス塗り足しも可能です。しかし、前回述べたワックスを形成する可塑剤(実際にはアルコール)がフィルムから完全に抜けるには1カ月掛かります。言い方を変えればワックスは1カ月経って初めて完全硬化することになります。ワックスの主成分はアクリル樹脂で、アクリルの特性は透明度が高い事と硬い事なのですが、その特徴である硬さが最大発揮さえるのは1月後と言う理屈になります。
これを前提に毎月の定期清掃(ワックス再塗布)を考えると
フィルム作成→段々固くなる→完全硬化・ワックス再塗布
と言う事になり、せっかく固まったワックスを直ぐにまた塗りなおす事になり、大変不合理です。これからがワックスの特性が生きるという時点で、また最初から・・・と言う事ですから。
上記の特性をしっかり掴みましょう。その上でメンテナンススケジュールを立てるべきです。毎月行うのをワックス再塗布でなく、リストレーション(光沢復元)にすれば、上記のような問題を起こさずに済みます。特性をしっかりつかんでこそのメンテナンスなのです。