ワックス(フィルム)メンテナンスの本質・ポイント⑤ | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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「仕事でお掃除をする方の作業を楽にする事」が使命(ミッション)だと考えています。

 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

 

 

ワックス(フィルム)メンテナンスの本質やポイントをまとめると以下の様になります。

1.すぐに結果が出ない

2.完全に乾燥させる

3.アルカリ分を残さない

4.細かなキズを付けない

5.目に見えない細かい土砂を除去する

6.目に見えないファインミストを除去する

7.リストレーションを活用する

8.問題点:多すぎる定期清掃⇒本来時間をかけるべき⇒完全なフィルムの作成

 

1.           の「すぐに結果が出ない」はメンテナンスではよくあります。カーペットバキュームがいい例です。今日バキュームを掛けなくても、あまり変化はないでしょう。しかし、明日も明後日も掛けずに過ごしていれば、靴の裏から運ばれる土砂がヤスリになり、カーペットを傷めてしまいます。長年持つはずのカーペットが直ぐに寿命が来てしまいます。同じく、今回の定期清掃(ワックス再塗布)で時間が足りない事から、水拭き(リンス拭き)を軽く済ませると、今週は大した変化はないでしょうが、1月も経てば光沢が怪しくなり、2度と輝きを取り戻すことはありません(アルカリ残留の為)。同じく日常清掃では本来はノンリンスタイプの中性洗剤での拭き作業でファインミスト(細かな汚れ)の除去が必要なのですが、水拭きで済ませても、今日の結果は見て分からないでしょう。しかし、1月もすれば、結果は明らかです。「すぐに結果が出ない」はメンテナンスでは始終現れます。肝に銘じましょう。

2.           完全乾燥は正しいフィルム創りには欠かせません。扇風機を直接掛けない事を先ず頭に叩き込みます。また、可塑剤が抜けるのに1月掛かる事も留意しましょう。

3.           今の樹脂ワックスはアルカリに作用するように最初から作られています。アルカリ残留は厳禁です。定期清掃(ワックス再塗布)をする際には絶対に中性にする(アルカリ残留を起こさない)決意が必要です。場合によってはpH試験紙で試す事です。

4.           ワックスはアクリル樹脂です。プラスチックなのです。ガラス程硬い訳ではありません。土砂で簡単に傷がついてしまいます。弊社の動画をご覧ください(一寸探すかもしれません。見つからなければHPからお尋ね下さい)。土砂で直ぐに傷がつくさまが分かります。土砂の除去(ダスティング)が重要です。マット管理も同様です。

5.           同上です。

6.           土砂以外の細かな汚れ(ファインミスト)の除去も欠かせません。ノンリンスの洗剤(一度拭きで済みますので)を活用しましょう。

7.           「リストレーション(光沢復元)の活用」。安易な定期清掃であれば、リストレーションの活用を考えましょう。リストレーション(光沢復元)は簡単に言えば、程度の良い中性洗剤で洗浄し、ワックスの代わりに光沢復元剤(リストレーター)を塗る手法です。リンス拭きが簡単(場合によっては不要)なのと、ワックスではないので、万能洗剤で簡単に元に戻る事とビルドアップしないので剥離の必要性を起こさない事です。

8.           問題点:「多すぎる定期清掃⇒本来時間をかけるべき⇒完全なフィルムの作成」

       ここでも何回も強調していますが、「日常清掃→毎月定期清楚→剥離清掃」と言うパターンは昔のものです。今のワックスの特性を捉え、合理化すべきです。フィルムメンテナンスに切り替え、フィルムの特性を生かしましょう。「削っては塗り」でアルカリ残留を起こす事は賢い方法とは言えません。