パス(人の歩く道)とシンク(ゴミ溜め)を意識せよ!④ | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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パス(人の歩く道)とシンク(ゴミ溜め)を意識せよ!④

 カーペット床で特徴的な事はこの床だけが他と違い3次元の世界だと言う事です。他の床は2次元(平面)ですので、汚れが空気の流れで移動します。カーペットは基布にパイル(毛)が縫い付けられていると言う立体的な構造の為、汚れがパイル内に入り込み、移動することがありません。

 さて、カーペットの汚れで最も重要な除去対象は土砂です。土砂はヤスリと一緒でパイルをすぐに傷めてしまいますし、衛生上も問題です。何度も強調していますが、土砂の除去の為にバキュームが必要なのです。

 室内に運び込まれる土砂の90%は靴の裏からと言うデータがあります。その為、靴の裏の土砂に注目することが重要です。

 靴の裏の土砂はマットを敷いた場合、2歩歩く(あるく)事で、土砂は85%カットされるというデータがあるのです。同じ足が必ず2回接触すると言う距離で米国では12フィート~15フィート(3.6~4.5m)とされています。体の大きな人の居る米国の基準ですので我が日本では3.6mを目安にすればいいでしょう。最初の1歩で35%、2歩目で50%落ちるので、2歩目が大切です。ここに殆どの土砂が溜まる事になります。一方、カーペットのもう一つの渾名がシンク(ゴミ溜め)です。ごみ溜めは一杯になれば、どんどん広がります。バキュームが良くないと、出入り口から内側に段々広がっていくことになります。逆に言えば、出入り口3.6mまでをいつもゴミ(この場合は土砂)をなくしておけば、ここでゴミを拾ってくれることになります。即ち、シンク(ゴミ溜め)の考え方からすれば、出入り口付近を丁寧にバキュームしてやる必要があるわけです。

また、人が歩くところに土砂が溜まるのですから、バキュームは人が通るところ(Path=パス)を中心に掛けていくべきです。即ち、図の様に出入口付近でも、人が歩くところが重要で、隅は人が通りませんから、それほど重要ではないのです。この図(パス)を意識してバキュームしましょう。通常のお掃除は隅(すみ)が重要ですが、カーペットは隅ではなく、パスが大切なことを頭の中に叩き込みましょう。

バキュームスペシャリストになるべきです。