明日、福岡の展示会で1時間の講習を行うのですが、その準備のためにと称して、(まるで作家の様に)箱根へと出かけて行きました。私の住む駅から1日1本箱根湯本行きのロマンスカーが出ているので、それに乗り湯本まで1時間少しです。車内で概ねの仕事は済ませてしまい、湯本の「はつ花」でとろろそば(つけとろ)と冷酒を頂き、目の前の吉池(旅館)で日帰り温泉を申し込みました。この温泉は深く立ち湯が出来るので気に入っているのです。料金は2000円をチョット超すのですが、ここまで来ているのですからこのくらいは仕方ありません。
ホテルの中を大浴場に向かって歩いていると、外人さんの男性と女性、通訳らしき女性3名が英語で話しながら歩いており、ナップサックを担いでいる事から、旅行者である事が容易に想像されました。私が入ると外人さんも入ってきて、様子を見ていると、キチンと掛け湯をして入っており、温泉が初めてではない事が伺われます。以前米国人を日光に案内した際に、湯殿に寝巻のまま入ってこられ、ここでは全部脱ぐことを教え、温泉の入り方まで教えた事を思い出しました。
洗い場で体を洗い、再び温泉に入ってきたのですが、深い方へは熱かったのか歩いただけで通常の浅い場所で体を沈めています。ここは、立ち湯が価値があるのでその事を教えた方が良いのではないか、源泉かけ流しの意味が分かっているのだろうか、日本人が水を大切にする「水神話」を話す事で理解が深まるのではないだろうか等を考え、他の日本人(3名の若い人)が上がった所で声を掛けました。
「Where are you from?」
「はい、何でしょう?」
返って来たのは完璧な日本語でした。
ビックリした私はようやく
「どちらからですか」と日本語で聞くと
「基本的にはアメリカです」
とこれまた、一杯入っている私よりももっとはっきりした標準語での答え。
その後、湯上りに生ビールを彼が飲んでいるのを見つけ、こちらも生を注文し、
「日本語が本当にお上手ですね、日本にはどれくらい?」
「かれこれ25年です」
との事でした。知り合いが鎌倉で泊まったので、日帰りできるので箱根を誘ったとの事で鎌倉は
「アジサイが素晴らしかったです」との事でした。
こうした外国の人が我が日本とこれだけの関りを持ちながら、活動している事を思うと、私を含め、日本人はもっと外国へ出ていくべきだをつくづく思います。
このところ、一人でアメリカへ出す息子に、お客様のアテンドが必要になり、帰って来たので様子を聞いたのですが、ニッコリとアイフォンを差し出しながら、
「結構いけた!」と自動翻訳ソフトを見せる様子を思い出し
「まだまだ先は長いなァ・・」と複雑な思いで帰って来ました。